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注意力散漫であっても

 人は誰でもミスをする。
 そのように社会的には言われているが、命にかかわる重大な事故がミスによって起きた時に、単にミスだからでは済まされない。そもそも、誰でもミスをするというなら、ミスが起きても大丈夫なように対策をしなければならないのではないか。

 「自動ブレーキ」機能付きの自動車というものがある。
 「自動ブレーキ」とは、システムが緊急と判断した場合に、自動車が自動的にブレーキを掛けるシステムである。この機能の付いた製品によって、たとえ運転手が脇見運転をしていて集中できていなくても事故を防いだり、万一衝突したとしても被害を軽減したりすることができる。
 また、最近多発しているアクセルとブレーキの踏み間違えといったミスにも対応することができる。

 他にも、近年都市部を中心に設置が進んでいる「ホームドア」もある。「ホームドア」は、列車との接触によって起きる人身事故を防ぐことができる。
 駅のホームにはたくさんの人がいて、線路側に落ちるおそれや、突き落とされる危険があるが、「ホームドア」があればこのような心配はまずない。また、線路への飛び込みを防ぐこともできる。
 そして、たとえ酒に酔っていたり、仕事で疲れて意識がもうろうとして注力が散漫になっていたりしても、「ホームドア」があれば線路に落ちることはない。

 どちらも、命にかかわるような人のミスにおいても、機械や設備がサポートすることによって、未然に事故を防ぐことができるという点で似ている。これらのサポートがあれば、注意力に欠けている人々も、安全に安心して暮らしていけるだろう。

 人は誰でもミスをする。
 だからこそ、技術が進んだ今、製品に工夫を凝らしていくことで、人のミスを何らかの形でカバーし、未然に事故を防いでいくことが求められている。

(中学2年生)

Photo by Sarah Kilian on Unsplash

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