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著者インタビュー『コミュ障だった僕を激変させた 公務員の「伝え方」の技術』(倉敷市 牧野 浩樹氏)
8月26日に『コミュ障だった僕を激変させた 公務員の「伝え方」の技術』が発刊されました。
そして今年、著者の牧野 浩樹氏が株式会社ホルグ主催の「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2020」を受賞しました。
そこで、牧野 浩樹氏に本書に関することやご自身についてインタビューしました!
公務員になったきっかけといままでの歩み
―はじめは一般企業で働かれていたと伺いました。
どうして公務員になろうと思われたのですか?
(牧野氏)「地域の住民を喜ばせたいと思ったからです!」
―おおっ!
(牧野氏)すいません。格好つけました。
本音は違います。
新卒で入社した民間企業では営業をしていたのですが、契約が一件も取れずに三ヶ月でリタイアしてしまいました。
三ヶ月でリタイアした僕には就職先が見つからず、、経歴ではなく試験の成績で判断される「公務員」を親に勧められて、公務員になろうと決意しました。
すごい後ろ向きな理由です(汗)
―そうなんですね。
(牧野氏)ただ、今は「地域の住民を喜ばせたい」という想いで、楽しく働けています。
―今年は株式会社ホルグ主催の「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2020」を受賞されましたね。
おめでとうございます!
牧野さんの想いが実を結んだのではないでしょうか。
https://www.holg.jp/award/2020-03/
―「伝え方の公式」を見つけるまでの5年間、「死にものぐるいだった」と書かれていました。
本書では惜しみなくその公式をご紹介してくださっています。
どのような方に読んでもらいたいですか?
(牧野氏)かつての僕と同じように伝え方に悩んでいる公務員の方に読んでもらいたいです。
窓口対応部署で住民対応に苦労している新人職員の方。
上司に提案したいけど勇気が出ない中堅職員の方。
後輩との接し方に悩んでいる管理職の方。
さらに、好きな人に振り向いてほしいと思っている方。
全ての年代の公務員の方にオススメです。
(すいません。好きな人を振り向かせる自信はありません。。)
―(笑)
本書では牧野さんの「伝え方の公式」を22個ご紹介いただいています。
「譲歩マジック」や「本音アタック」など、公式の名前がユニークですごくわかりやすいです。
とても「コミュ障」だったとは思えないのですが、いまでもコミュニケーションでご苦労されることはあるのでしょうか?
(牧野氏)飲み会が苦手です。
一言二言しか喋りません。(笑)
なぜなら、飲み会はフリートークなので「伝え方の公式」が使えないため、コミュ障全開になります。
先日、オンライン飲み会を初体験しましたが、5分位で退出したいという気持ちになりました。(汗)
―オンライン飲み会はわたしも苦手です(笑)
本書の中で、「コミュニケーションを取るのが苦手」と仰っていますね。
その後、たくさんの「伝え方の公式」を考えて「変貌」されたと。
変わろうと思ったいちばんのきっかけは何でしたか?
(牧野氏)最初の配属先が納税課で公務員=コミュニケーションの戦場であると痛感したからです。
変われたきっかけは、入庁3年目の時に岡山県滞納整理推進機構に出向した時に、周りの職員のレベルが高く、死ぬ物狂いで食らいついた経験が大きかったです。
―そうなんですね。それにしても最初の配属先が納税課、3年目の出稿先が滞納整理推進機構とはハードですね・・・
(牧野氏)住民に電話が繋がらなかったら、電話が繋がるまで何十回とかけ続けていました(笑)
大変な経験だったからこそ、「大」きく「変」われたと思っています。
伝え方の上手なひとを見つけよう
―第2章の「どんな相手にも理解される「わかりやすい」伝え方」に出てくる「タイトルスタート」や「KK法」は、テレビ番組の「人志松本のすべらない話」やニュース番組のキャスターからヒントを得たということでした。
「伝え方の公式」を生み出すために、他に普段の生活のなかで意識をしていることはありますか?
(牧野氏)伝え方の上手な人を観察することです。
そして、「なぜ」上手なのかを分析して自分なりに言語化することです。
例えば、「タイトルスタート」(冒頭はタイトルから話す)は「人志松本のすべらない話」で芸人さんの話が分かりやすい理由を考えた結果、冒頭に何の話をするかを予告していることに気づいたのがきっかけでした。
この「なぜ」を考える習慣をつけることが、伝え方の公式を編み出す一歩です。
住民とは3分で仲良くなろう
―第3章の「説得力ある根拠でYESを引き出す「納得させる」伝え方」では、「前例」に安心する上司に対しての「前例法」、
前例通りに仕事を進めることに抵抗を感じている上司に対しての「価値観インストール」が紹介されています。
上司であればある程度性格も掴めると思います。
では、はじめて話をする住民に対して、「この伝え方の公式でいこう!」と決めるのは難しそうですが、どのようにして決めているのですか?
(牧野氏)住民対応で意識していることは、「3分間で仲良くなる」ことです。
そのためには、「モノマネ話法」(相手の声の大きさと話すスピード)を真似ることをまずは実践します。
―自分のペースではなく、相手のペースに合わせて話す方法ですね。
(牧野氏)そしてお話する中で、どの公式を活用するかを考えています。
しかし、僕もこの公式でいこうと思っても伝わらないことも多々ありますよ。(笑)
でも、「モノマネ話法」で住民と仲良くなっていれば、クレームに繋がることはありません。
トライアンドエラーの精神でやっていくしかないですね。
本音をぶつけて信頼を勝ちとろう
―第4章の「感情を刺激することで「相手を動かす」伝え方」に出てくる「本音アタック」では、滞納者の自宅捜索を上司に提案し、本音をぶつけて課長の承認を得たとあります。
かなり思い切った台詞を課長にぶつけられたんだなと思ったのですが(笑)、他にも上司に本音でぶつけた結果、意見が通った出来事を教えてください。
(牧野氏)上司に本音をぶつけた結果、怒られたことはありますが、意見が通ったことはほとんどありません(笑)
―やっぱりそうですか(笑)
(牧野氏)しかし、本音をぶつけると、自分の心がスッキリしますし、何より上司との関係も不思議と良くなりました。
本音で話したから、信頼してくれるのかもしれません。
その結果として、上司との関係が改善し、提案を通しやすくなった経験はあります。
是非、一度本音をぶつけてみてください!
読者へのメッセージ
―最後に、これから本書を手に取ろうとしている読者に、一言メッセージをください!
(牧野氏)少しでも興味が湧いた方は、本を手に取ってみてください。
そして、本書を読んで終わりではなく、「実践」に移していただければと思います。
伝え方を磨いて、一歩踏み出しましょう!
あなたの一歩が地域の未来をつくります!
―牧野さん、ありがとうございました!
大好評発売中!『コミュ障だった僕を激変させた 公務員の「伝え方」の技術』
牧野 浩樹 著、定価=税込1,870円、四六判・176頁、2020年8月刊
▼ 目次
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著者プロフィール
牧野浩樹(まきの・こうじ)
倉敷市職員。1985 年生まれ。
子どもの頃から口下手・人見知りで、クラスメイトにもまともに話しかけられない学生時代を送る。
就職活動は面接が通らず、2留の末に上智大学文学部を卒業。
リクルートグループの事業会社に契約社員として入社するも、契約が1件もとれずに3か月で退社。
岡山に戻り、2011 年倉敷市入庁。
納税課に配属され、税金の徴収を担当するものの、住民対応に苦しむ。
2013 年に岡山県庁(岡山県滞納整理推進機構)に出向。
倉敷市の処理困難案件の滞納整理に従事し、伝え方について研究と実践を続けた結果、1 億7千万円の徴収に貢献する。
出向から戻った後は、人事課を経て2020 年4 月より観光課。
2016 年には、倉敷市の業務改善推進制度(トライK)において、納税課の職員同士が日頃の感謝の気持ちを書いたカードを交換する「サンクスカード」を発案し、市長表彰を受ける。
また、落語家に弟子入りし、「ジャンボ亭小なん」として市役所の若手職員有志による演芸サークル「天領座」にて活動中。
「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2020」受賞。
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