著者インタビュー『公務員のための伝わる情報発信術』(谷 浩明氏)
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著者インタビュー『公務員のための伝わる情報発信術』(谷 浩明氏)

学陽書房


1月22日に『公務員のための伝わる情報発信術』が発売されました。

そこで著者の谷 浩明氏にインタビューしました。本書を書かれたきっかけや本の内容について、くわしくご紹介します!


▼ 『公務員のための伝わる情報発信術』

谷 浩明 著、定価=税込2,200円、A5判・120ページ、2021年1月刊

https://amzn.to/38Uydvy


▼ 目次

CHAPTER 1 実例に見る“伝わる”情報発信

CHAPTER2  “行動を促す”情報発信の考え方

CHAPTER3  “住民に届く”情報発信の進め方

CHAPTER4  “魅せる”デザインの考え方

CHAPTER5  “刺さる”言葉の作り方


本書が生まれたきっかけ


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―コロナ禍で、自治体からの情報は重要だと認識したひとも多かったと思います。本書を執筆されたきっかけを教えてください!

(谷氏)やっぱり、杉並区の広報監をきっかけに自治体の広報をサポートすることになったことが一番大きいですね。

広報監の活動に加え、他自治体の研修を数多くやらせていただきましたが、その中で、伝えたい人に伝わらない・・・といった課題を持っている方々が多く見られました。


―広報に苦労されている自治体職員の方が多いのですね。

(谷氏)そこで、自分が持っている“伝わる”ノウハウを書籍という形で共有できないだろうか・・・と思っていました。

そうすることで、より多くの公務員の方々の情報発信の手助けができる!と思い、本書を執筆させていただきました。


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―CHAPTER1はフルカラーで、工夫したポイントや成果、担当者の声も載っているので、過程もイメージしやすいです!多くの方が手に取っていただけると嬉しいです。


自治体には広報の研修がない!?


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―様々な自治体の広報のサポートや研修を行われているとのことですが、「ここが惜しい」と思われる点はありますか?

(谷氏)公務員って数年に部署移動があり、ジェネラリストを育成する組織であるはずなのに、重要なスキルである情報発信(広報)の研修が全くないことに驚きました。ジェネラリスト育成なら必須のスキルでしょ!って(笑)


―広報の研修はないんですね。悩まれている方が多いのも分かる気がします・・・

(谷氏)自治体では情報発信(広報)はそこまで重要視されてないという印象ですね。

どの自治体も情報発信(広報)は「広報課の仕事」というイメージが強いかもしれません。


―確かに、「広報課」という部署がある以上、そこがすべてやっているという印象がありました。

(谷氏)民間企業なら情報発信(広報)の機能がなければ売り上げが立たないため、存続することは難しいですよね。

一方、自治体は売り上げがなくても存続可能だとは思いますが、情報発信(広報)で住民の命と財産を守るという重要なミッションがあると思いますので、個人的には公務員にとって必要なスキルの1つだと思います。


―その中で、「こうすればもっといいのに」というところはありますか?

(谷氏)う~ん、そうですね。現在新型コロナウイルス関連の情報発信で各自治体の皆さんもご苦労されていると思いますが、今後の社会情勢を鑑みれば、自治体こそ情報発信(広報)の研修を行った方がいいのでは?とは思います。

世界はすごいスピードで動いていますし、、、きっと住民を取り巻く環境も同じですよね。


―確かにVUCAと形容される現代社会では、住民の日常生活でさえも目まぐるしく変化していますよね。


「伝える」ではなく「伝わる」


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―本書では、「伝わる」に「“ ”」が付けられていて強調されています。自治体は「伝える」側だと思っていたのですが、「伝わる」を強調したのはなぜですか?

(谷氏)それは、発信した情報が住民に「伝わる」ということは一体どういうことなのか?を一度考えて欲しいから。


―「伝わる」ということ、ですか?

(谷氏)今までは自治体の情報発信を広報紙などを使い、広く・多くの住民に「伝える」で良かったかもしれません。

しかし、インターネットやスマホが登場し、好きな時間に好きな情報が簡単に手に入るデジタルの時代。

今では情報が溢れすぎて、せっかく発信した情報が埋れてしまいます。


―確かに、情報は取りやすくはなったけれど多すぎて有益な情報を取れているか疑問を感じるときがあります。

(谷氏)また、ただ情報を「伝えた」だけでは、住民にその情報が届いたかも分かりません。

住民福祉の向上を実現するための情報を住民に届ける。そのために公務員の皆さんには、住民に「伝わる」ことへの拘りを持ってもらえると嬉しいですね。


CHAPTER1 実例に見る“伝わる" 情報発信


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―CHAPTER1では、“伝わる"情報発信の実例とポイントが紹介されています。


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―チラシやポスターなど複数のツールを効果的に組み合わせることが大切とのことですが、1つのツールで案内するのは難しいのでしょうか?

(谷氏)今まではチラシ・広報紙などの紙媒体を中心に情報発信をしてきたと思います。

しかし、今では住民の情報の取得手段は紙媒体だけでなく、スマホやパソコンといったデジタル媒体が増えてきました。


―確かに、ご高齢の方でもスマホを使いこなしている方も増えてきたとニュースで言っていました。

(谷氏)現にデジタル媒体での情報取得が大幅に増えつつあります。

これからの時代、アナログとデジタルを上手く利用し、情報発信をしていくことが必須になると思います。


CHAPTER2 “行動を促す”情報発信の考え方


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―CHAPTER2では伝える相手である住民を理解するための考え方について書かれています。


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―「2-1“伝わる”情報発信は「聴く」ことから始まる」では「聴く」ことが大切だということですが、なぜでしょうか?

(谷氏)実際、住民の声を聴き、それをもとに情報発信する。そのステップを踏めば、どんな内容・表現が住民に受け入れられるかが分かるはずです。

しかし住民の声を一切聴かず、分からない状態で一方的に情報発信してしまうと、受け入れられない可能性が高まります。

結果、住民の行動を促すことはできないと思いますね。


―なるほど。住民の声を聴かない発信は「伝える」発信になりかねないですね。


CHAPTER3 “住民に届く”情報発信の進め方


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―CHAPTER3の「3-3 ターゲットを可視化する」では、ターゲットを設定するために「ステークホルダーシート」が紹介されていますが、どのようなものですか?


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(谷氏)公務員は「全ての住民」に平等に情報発信しなければならないとよく耳にします。

しかし、現に様々な住民サービスを展開している自治体では、ターゲットを絞った部署も存在し、ターゲットに寄り添ったサービスをしているはず。


―確かに、住民側も必要な情報や欲している情報は、年齢や性別、家族構成などによって様々、それこそ一人ひとり違いますよね。

(谷氏)より一層の情報過多の時代に対応すべく、各部署ごとに伝えたい住民を具体的にイメージしていくことが必要になってくると思います。

このステークホルダーシートは伝えたいターゲットを部署内で共有、可視化するためのものです。


―「ステークホルダーシート」は弊社HPからダウンロードができますので、ぜひご活用ください!


CHAPTER4 “魅せる”デザインの考え方


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―CHAPTER4ではデザインをする前に何をするとよいかが紹介されています。

レイアウトの作り方や余白の取り方など、すぐにでも取り組めそうなポイントばかりです!


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―章のはじめに「デザインに正解はない」とあるように、どうすればより多くの人に“伝わる”か考える必要がありそうです。

谷さんが日常のなかで意識して行なっていることはありますか?

(谷氏)よく意識しているのは、日頃のニュースや話題になっていることを「気にする」こと。

この「気にする」というのは「なぜ、ニュースになっているのか?」「なぜ、話題になっているのか?」を常に疑問を持って色々な角度から物事を見るようにしています。

日々のこの違う角度から物事を見ることは、自身に幅広い視点を与えてくれる気がします。


―なるほど。わたしも会社の広報を一部担当しているので、やってみます!


CHAPTER5 “刺さる”言葉の作り方


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―CHAPTER5では、伝えたいメッセージをどのような言葉で表現したらよいかを考える6つのポイントが紹介されています。


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―「5 – 1 ベネフィットを盛り込む」の「メリットとベネフィットの違い」は興味深いです!

どのような種類のちらしにも、メリットとベネフィットはあるものなのですか?

(谷氏)どんなチラシでも作る上で気にしたいのは、見た人が「○○だからやってみたい!」「○○が面白そう」や「○○が身につくかも!」といった「自分が得すること」を言葉や写真など、イメージできるもの入れ込むこと。


―そうですね。逆にそうならなきゃチラシを読む気にならないかも・・・

(谷氏)それがメリットとベネフィットです。

情報の受け手のことをしっかりと考えれば、どのチラシでも必ずあるはずです。

もしもないのでならば、そもそも情報発信する中身自体、受け手のことを考えられていない可能性がありますね。


―確かに・・・それこそ「伝える」情報になってしまいますね。


読者へのメッセージ


―最後に読者の方にメッセージをお願いします!

(谷氏)本書は情報発信がテーマですが全てのスキルアップに共通することは以下の3つだと思っています。

❶気になった内容をチェックする。
❷自分なりに咀嚼する。
❸すぐに実践する。

その中でも一番重要なのは ❸すぐに実践する です。実践すれば、必ず何かが掴めるはず。

しかし、実践しなければ何も掴めません。

きっと本書を読んだ皆さんは、住民に “伝わる” 喜びが理解できるようになると思います!

―谷さん、ありがとうございました!


著者プロフィール


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谷 浩明 (たに・ひろあき)

東京都杉並区広報専門監/静岡県知事戦略局広報アドバイザー/東京都中小企業振興公社広報強化アドバイザー/コミュニケーション・デザイナー(合同会社MACARON代表)/広報・情報学修士(MICS)

デザインだけでなくコミュニケーションをデザインすることを主軸とし、NPO・市民団体等の広報活動のサポート、広報研修を多数実施。

平成28年度からは東京都杉並区広報専門監として、基礎自治体の広報活動(広報紙・動画・SNS、チラシ・ポスターのデザイン相談、広報研修等)をサポートしながら他自治体の広報研修も精力的に行う。

令和2年度からは静岡県知事戦略局広報アドバイザーとして広域自治体の広報活動もサポートしている。

平成29年度東京都広報コンクールで最優秀賞、平成30年度/令和元年度で二席など受賞歴多数。日本グラフィックデザイナー協会会員。


新刊!『公務員のための伝わる情報発信術』


谷 浩明 著、定価=税込2,200円、A5判・120ページ、2021年1月刊

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