インタビュー項目洗い出し

ユーザーインタビュー日記 その1:事前準備編

最近、起業した知人の新規サービスのUXデザインに関わらせてもらったり、所属している団体 (就職先ではない) のサイトのリニューアルなどをやらせてもらっています。

どちらもプロジェクトがキックオフしたばかりということもあり、対象となるユーザーさんの心理を探るという目的で、ユーザーインタビューを中心になってやらせてもらっています。

その過程で気付いたことを忘れないためのメモとして、ここに残していきたいと思います。
ちゃんとリリースしたらまとめた記事を書いていきたい。これはそのための敲きです。

ユーザーインタビューのやり方を調べる

インタビュー自体は、インターンしている会社などでやったことはあるのですが、ちゃんとした方法論は知らなかったので、まずはやり方をひたすら調べていきます。

色々見てきて、もっともわかりやすかったものを紹介すると、
・書籍「ユーザービリティ・エンジニアリング
→これにインタビューの準備の仕方、実戦でのやり方など基本的なことは全部書いてありました。師匠と弟子モデルとかも詳しく書いてあります。あとは本に出てきた用語で詳しく知りたいものをググって調べたりするだけで、インタビューのプロになった気になれます。
・スライド「UXデザインのはじめの一歩を体験しよう! 〜ユーザーインタビュー、ユーザー心理分析の基本〜
→人間中心設計専門家の羽山祥樹さんが作成したスライド。インタビューにおける質問の投げかけ方や注意点が書いてあります。

この2つをみてインタビューの流れをイメージしていきました。

質問項目を洗い出す

次に、インタビューで詳しく聞きたいことを明らかにするために、質問項目の洗い出しを行います。

大きめの画用紙に気になることを付箋に貼って行く形で、どんどん質問を浮かぶだけ書いていきます。

洗い出していて気づくのですが、付箋に書く前はたくさん聞きたいことがあったように思ったのに、書いてみると20〜30で質問が出尽くすことに気づきます。
同じ内容の質問を何枚も書いてしまったりしていました。

インタビュー後になって思ったことですが、実際に知りたいのは「インタビュー対象の人自身の経験」なので、まだインタビュー対象が不特定である段階に聞きたいことはあまり多くないのかな、と思います。

ともあれ、この段階で思い当たる質問は全部書き出しておくと、この後が楽になります。

洗い出した質問をグループ化する

質問をありったけ出して行くと、一定の内容のまとまりがあることに気づきます。

例えば、旅行についてもインタビューなら、旅行前に準備すること、実際に旅行で何をしたか、旅行に行くようになったきっかけ、旅行に行く楽しさや魅力、みたいなカテゴリーが見えてきます。

これらをまとめて行くことで、思いつくだけ挙げていた質問を一度整理します。
ただ、ここで無理に抽象度を高く整理しすぎると、インタビューの時に深く質問することができないので、どのカテゴリーにも入らないものはそれで独立させておいた方がいいと思います。(無理に「その他」みたいなグループを作らない)

だいたい大グループが4個。それぞれの大グループにいくつかの小グループができて行く感じでしょうか。

小グループごとに質問文を考える

質問の意味のまとまりができたら、小グループごとに質問文を考えていきます。

この時、参照した資料に共通して書かれていたのは、「その人の過去の経験をストーリーとして聞く」ということでした。

インタビューをやろうとすると、聞く側はアンケートのように質問項目を解消しようとしがちですし、答える側は簡潔に答えようとしがちです。
しかし、これでは対象者のインサイトは発掘できません。

なので、例えば旅行のスケジュールについて聞く場合には、
「最近旅行に行った時のことを、魅力的にご紹介していただけますか?」
「旅行に行った時に、1日目はどこで何をしたのですか?」
「宿泊はどこでしたのですか?そこでは何か印象的なことはありましたか?」
「2日目はどこで何をしましたか?1日目と比べて変わったことはありましたか?」

と行ったように、相手が自分の経験をオープンに話せるような質問を考えていきます。
決して一問一答形式の、クローズクエスチョン(Yes,Noで答えるもの)をしてはいけません。

文章ができてきたら、ドキュメントに簡単に流れを書いていきます。

(作成例)

流れをより詳細に記しておきたい人は、完全に台本を作ったりしてもいいと思います。
実際に書いてみるとインタビューのイメージが明確に湧いてきて、本番で話しそびれることがなくなります。

(作成例)

作成した質問文やインタビューガイドの通りにやらない

最後に、最も気をつけなければならない部分について紹介します。ここまで丁寧に作ってきた質問項目ですが、本番ではこの通りやらないようにしなければなりません。

なぜなら、台本通りにやってしますと、せっかく対象者がお話をしてくれる時に、その話をちゃんと聞かず、次の質問を考えてしまいます。これでは、対象者のストーリーを深く掘り下げることはできず、対して発見のないインタビューになってしまいます。

なので、事前に作成した質問文やインタビューガイドは、あくまで話題が一区切りついた時に参照する程度にしましょう。
それより、対象者がお話することの内容を聞き逃さず、わからないところを根掘り葉掘り聞いて行くことが重要です。


今回は、事前準備についてまとめました。次回は、インタビュー実践編についてまとめていきたいと思います。

(おわり)

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