日韓受験事情比較

受験競争大国の韓国は日本とは逆で学力平準化政策で低年齢の入学試験は規制しているらしい。この点は日本と違って面白いと感じます。

「国立教育政策研究所紀要 第145集 平成28年3月」

松本麻人「韓国における中等教育「平準化」政策の動揺」

にも、詳しく書いてありました。

https://www.nier.go.jp/kankou_kiyou/145/b08.pdf


「韓国においては、中等教育段階における激しい受験競争が大きな弊害をもたらしたことから、中学校と高校は 1970 年前後に相次いで「平準化」された。

これにより、普通教育においては、基本的に高校卒業まで学力による選抜は行われず、入学者は抽選により各校に振り分けられる手法が採られている。」


「過熱する教育熱に対し(中略)中学校の序列化と受験競争は激化し、国民学校での課外学習や教員の学習塾アルバイトなどが社会問題として浮上した。

こうした事態に対し、教育部が抜本的な対処として採用したのが、中学校入試の撤廃と入学者の抽選制、すなわち中学校の平準化である。」


「1969 年に中学校が平準化されると、中学校入学をめぐる混乱は鎮静化したが、今度は高校入試に同様の問題がそのまま移行することになった。

教育部は、高校についても中学校と同じ措置をとり、1974 年に高校平準化(普通高校における学校毎の入試の廃止)が導入された。」


との事です。

日本では考えられませんね。

日本と韓国はともに学歴社会といわれているので、日本も韓国も受験勉強含めた環境などはほとんど違わない、と思っていたのですが、

先年韓国観光した際に、日本語の出来る朝鮮人大学生に現地ガイドしていただいたときに韓国の受験環境事情などを色々話してもらって、日本と韓国って似てるけど随分違うよな、と改めて驚かされたことがいくつかありました。

まずマークシートの塗りつぶしについて。
日本ではセンター試験・共通テストなどでは鉛筆やシャープペンシルでマークシートを塗りつぶす人が多いけど、韓国ではサインペンを使うケースがあるそうです。

間違えた時は消しゴム使えないけどどうするの?と聞いたら修正テープを使うとのこと。マークシートの読み取りをする機械の読み取り精度が日本ほど高くないのかもしれません。

自動販売機も、韓国の自動販売機は紙幣を複数入れると枚数が読み取れないみたいなので、この辺は日本よりも全体的に機械の精度がアバウトでいい加減なんだと思う。


次に、日本のセンター試験・共通テストにあたる修学能力検定試験は、日本だと試験会場はかなり前から確定していて受験生も周知したうえで試験会場に行きますけど、

韓国の場合は修能試験の受験会場の確定通知がくるのが日本よりも遅いので、受験生はギリギリまでどこで修能試験が行われるのか分からなくて、予定をたてるのが困難だったりするそうです。

現地ガイドしてくださった朝鮮人大学生の話ですが、彼の場合は試験当日に大雪が降って試験日が順延されてしまい、試験会場もその後、また別の場所に変更されたのでコンディションや予定をととのえたり組み換えるのが大変だったとのこと。

あと、日本では試験の合格縁起担ぎでは勝つ、にひっかけてカツ丼とかキットカットを食べますけど、韓国では合格、くっつくということにひっかけてベタベタくっつく「飴」を食べたり試験会場の壁にくっつけたりするそうです。

韓国では特にポピュラーな飴が下掲の「百点満点」という飴だと紹介されて、実際に食べさせてもらいました。

シッケをかためた飴で、韓国では1番知名度が高いキャンディだそうです。何故百点満点という名前なのか?というと、要するに受験の縁起担ぎとのこと。

日本と韓国、地理的には近い国ですが、色々違って面白いですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?