見出し画像

「目の前の相手の話を聞き、自分以外の誰かを知ろうとしながら、そこに自分の姿を探す。」 隠岐國学習センター1年生夢ゼミ

☆しつもんカード☆

『Life is Learning | 高校生が未来の「私」に贈る問い【対話型カードセット】』 (通称「しつもんカード」)は、隠岐國学習センターの「しつもんゼミ」という夢ゼミから生まれました。

このゼミのテーマは「進路」。
進路に悩む高校生たちが、大人に教わるだけではなく、自ら問いをつくり、答えを見つけていく。

私が夢中になっていることって何だろう?
私はどんなことに幸せを感じるのだろう?
私はどんな生き方がしたいだろう?

「しつもんカード」は、そんな高校生たちの思いが詰まった対話型カードです。このしつもんカードを広く皆さんに使っていただきたいという思いから、昨年の春からカードの販売を開始しました。

<▼しつもんカードのご購入はstoresから>
https://miryokuka.stores.jp/

隠岐國学習センターでは、しつもんカードを使った1年生夢ゼミを開講しました。 テーマは「自分を知る」。

今回は、カードの使用例として、夢ゼミの様子をグラレコと共にご紹介します。場の空気を感じながら、しつもんカードの具体的な使い方をイメージしていただけたらと思います。

【日程】2021年12月20日(月)
【所要時間】60分
【参加人数】35名
【準備物】しつもんカードセット×1

まずは場ほぐしから。
ファシリテーターの澤さんからこんな問いかけ。

「みんなは自分のことを知っていると思う?」

「全員目をつぶって、知っていると思う人は手をあげて、知らないと思う人はさげて、まあまあかなと思う人はその真ん中くらいにあげてみてね。」

ふむふむ。

次の質問。
「自分を動物に例えると、次のうちどれが一番近い?」
①ライオン ②イヌ ③キリン ④キジ

キ、キジ…?
と思いきや、キジも結構人気でした。
それぞれ個性が出ていておもしろい。

場が温まってきたところで、ここからしつもんカードを使っていきます!

①北から南まで出身地別に並ぶ

まず、出身地ごとに北から南まで一列に並びます。ただし、出身地を口に出すのはNG。正解は問わないので、探り探り並んでみましょうという感じ。

さすが島前高校。ブータンから鹿児島まで出身地はバラバラ。最北が埼玉というのは意外でした。
「同じ県だけど、どっちが北だろう?」と探るのも面白かったですね。

②北から順番に数字を振り、数字別のグループに分かれる

次に、北から順番に数字を振り、数字ごとに集まってグループに。
今回の例だと1から6までの6つのグループに分かれました。
ここまでで参加メンバーがシャッフルされ、いつメンが解体されたドキドキ感が漂います。

澤さん種明かし⑴
なぜメンバーをシャッフルしたのか
ー偶然に委ねながら人間関係をほぐすためです。しつもんには思考をほぐす力があり、それを効果的に引き出すためのひと工夫でした。

③グループごとに 1から53までの中から好きな数字を選び、選んだ数字と同じ番号のカードを配る

しつもんカードには、1番から53番までの番号が振られています。グループごとに数字を選び、同じ番号のカードを配っていきます。
直感で選んだり、グループの番号と同じ数字にしたりと、数字の選び方にも個性が表れていました。

澤さん種明かし⑵
どうしてカードを選んでもらったのか
ーその1枚を特別な1枚にするためです。選んだカードなら、考えたくなるし、周りの話も聞きたくなっちゃうから不思議です。


⑤カードをヒントにグループで対話タイム!(10分程度)

ここからが本番!
各グループ、配られたカードをヒントに対話していきます。

ここで大事なのが、ただ対話するだけではなく、自分を知るための時間にするということ。カードはあくまでヒントとして活用するくらいのイメージで、話題が流れていってもOK!

ちなみに今回選ばれたカードはこんな感じ。
「幸せってなんだと思う?」
「『もう1人の自分』は何と言ってる?」
「いま、相談したい人は誰?」

などなど。

初めはソワソワした空気感が漂っていましたが、徐々に盛り上がり、時間が足りないグループもありました。
お互いの話をしっかり聞いている姿が印象的でした。

⑥チームのうち1人が新たにカードを選びに行き、そのまま他のグループに移動する

次に、チームのうち1人が新たにカードを選びます。
床に並べてあるカード・スタッフが持っているカードのどちらから選んでもOK。

カードを選んだら、カードを持ってそのまま他のチームへ移動します。
結果、1人だけチームメンバーが入れ替わることになります。

澤さん種明かし⑶
なぜメンバーを1人だけ入れ替えたのか
ー1人というのがポイントでした。2人以上だと人が変わった方に意識が向いちゃいますが、1人だと意識はしつもんの方に残ります。しつもんも人間関係もフレッシュなんです。

⑦新しいメンバーのカードをヒントに再び対話タイム!(10分程度)

新しく来たメンバーが持ってきたカードをヒントに、再び対話タイム開始!


⑧まとめの質問

2回の対話を終えて、まとめの質問。
「自分はどんな人だと思いましたか?」

代表して3人に発表してもらいました。

「『10年後の自分に伝えたいことは?』という質問が印象に残っている。今の自分のことはぼんやりとしか分からないのに、この問いにはしっかり答えられた。直感で生きているようで、10年後のあり方ははっきりしているんだなあと驚いた。」

「自分のことを知ってほしくて、すぐ発表したがるし、回したがる。でしゃばりだなあ。」

「シンプルに自分ってノリがいいなあ。どんな無茶ぶりにも割と対応できるし。」

自分を見る視点にも自分らしさが表れていて面白いですね。

⑨最後に投げかけ 

最後にしつもんカード13番の問いを投げかけて終わり。
「明日はどんな1日にしたい?」



今回の夢ゼミで印象的だったのが、一人ひとりじっくり相手の話を聞いていたことです。

じっと相手の表情を見つめる人、笑顔でテンポよくリアクションする人、うなずきながら聞いている人など、 聞き方には個性が表れていましたが、真剣に相手の話を聞くという姿勢は共通していました。

「自分を知る」ことがテーマだった今回の夢ゼミ。
目の前の相手の話を聞き、自分以外の誰かを知ろうとしながら、そこに自分の姿を探す。

しつもんカードをきっかけに、「相手を知ることこそ自分を知ることにつながる」という気づきのある時間になりました。



(文 / グラフィックレコーディング:水越日向子)

<▼しつもんカードのご購入はstoresから>


<▼しつもんカードの他のエピソードはこちら>




この記事が参加している募集

探究学習がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?