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マーケティングにおける8:2「パレートの法則」~売上・業績の8割を決めるターニングポイント~とは?

こんばんは。
最近一番びっくりしたことは、「サザエさんじゃんけん研究会」が存在すること、ガクセイメディアです。

今回は、マーケティング分野「パレートの法則」についてご紹介しようと思います。

さて、皆さんに質問です。

皆さんは朝、会社や学校に着いたら、まず何をするでしょう?

「コーヒー片手にメールを返信する」
「タスクに優先順位をつける」
「今日は21日で数学が当たりそうだから友達に助けを求める」

などなど、様々だと思います。(21番の人、ガンバレ!)

ここでポイントなのが、作業に優先順位をつけること。

仕事の優先順位を見極めるために使われる一般的な手法として、パレートの法則 (80 対 20 の法則、2: 8 の法則) というものがあります。この手法を使えば、重要なタスクを見極め、自分が抱えるタスクに優先順位をつけることができます。



パレートの法則とは




パレートの法則とは、「全体の数値の8割は、全体を構成する要素のうちの2割の要素が生み出している」という経験則のことです。

似たような分布でわかりやすい例に、働きアリの法則があります。

働きアリの法則(別名2:6:2の法則)とは、集団を「よく働く・普通に働く・働かない」に分類したときに、よく働くアリが2割、普通に働くアリが6割、働かないアリが2割に分かれる性質があるという理論です。

たとえば、会社内でハードに働く社員は全体の2割、それなりに働く社員が6割、働かない社員は2割に分かれる傾向があります。
仮に100人の社員がいた場合は、20人がよく働き、60人が普通に働き、20人が働かないということです。働きアリの法則は、組織開発などの場面でよく引用される法則です。

日常生活でもパレートの法則は存在します。
たとえば、

「いつも着ている服の8割は持っている服のうち、お気に入りの2割だ」
「部屋で過ごす時間の8割は部屋全体のスペースのうち、2割の場所を使用している」

など、経験したことのある方も多いのではないでしょうか。

マーケティング施策に活用されることも多いパレートの法則ですが、ビジネス以外にも世の中のさまざまな事柄にあてはまるといわれています。


パレートの法則の歴史



パレートの法則は、イタリアの経済学者・社会学者であるヴィルフレド・パレート氏が、1896年に論文で発表しました。ヴィルフレド・パレート氏は、欧州における経済統計の分布を調査したところ、「全体の富の8割を上位2割の人口が保有し、8割の人口で残りの2割をわけている」という、所得分布の経験則を発見します。

さらに園芸家でもあったパレート氏は、育てていたえんどう豆の収穫量をみて、「収穫の8割が全体の2割のサヤから収穫された」ということに気づいたともいわれています。


ビジネスにおけるパレートの法則の例



以下では、ビジネスにおけるパレートの法則の例を紹介します。

ビジネスにパレートの法則を活用することで、リソースやコストの配分を把握して最適化でき、顧客のセグメンテーションなどに役立てられるでしょう。

ビジネスでよく用いられる法則の例としては、以下の3つがあげられます。


1.会社業績の8割は2割の社員によって作られている

パレートの法則に会社の業績を照らし合わせてみると、業績の8割は全社員のうち2割の社員によって作られていると考えられます。この2割の社員はビジネスにおけるパフォーマンスが高く、どの社員が会社にとって重要な役割をしているのかを把握することが重要になります。上記でご説明した「働きアリの法則」に通じる部分がありますね。

能力の高い社員を把握している場合は、より高い成果をだせるように適材適所のポジションに配置するなど、環境を整えるとよいでしょう。


2.売り上げの8割は2割の顧客によって作られている

会社の売上高をパレートの法則にあてはめてみると、売上の8割は2割の顧客によって作られていることになります。売上の8割が2割の顧客で作られているのであれば、2割の顧客は「優良顧客」と考えられるでしょう。

今回の場合であれば、2割の優良顧客に対してより多くの時間を割いたり、丁寧な対応を心がけたりと、施策を考える材料としても有効です。


3.売り上げの8割は2割の商品によって作られている

当然ですが、商品ラインナップのなかには人気の商品と不人気の商品があるもので、値段も商品によって違います。

そんななかで、企業の売上の80%近くが、20%の商品から生み出されているというケースは決して少なくありません。会社で扱っている商品にパレートの法則を適用すると、全体の売上の8割は2割の商品の売上で成り立っていると考えられます。

どのような企業でも、「すべての商品がバランスよく売れる」ということはありません。売れ行きのよい商品もあれば、そうでない商品もあるでしょう。

売れ行きのよい人気商品の宣伝に力を入れたり、2割の商品が「なぜ売れるのか?」という”売れる理由”を分析してみたりと、注力すべきポイントをみつけるヒントにもなります。


パレートの法則の活用例


パレートの法則を活用することで、あるものごとの分布を予測できます。

この予測から、マーケティングや営業の施策を立てることができます。仮説を持ちつつ、マーケティングや営業施策を立てることで、施策にかかるコストやリソースの最適化ができます。


1.パレートの法則を使ってあらかじめ、導かれる分布を予測する


あなたは新規事業の立ち上げを担当しているとしましょう。

あなたが取り扱う製品の売上と顧客数は、どのような分布になるでしょうか。

パレートの法則にしたがえば、あなたの製品の売上のうち8割は、2割の顧客によってもたらされると予想できます。

パレートの法則を用いて予測した結果、売上の8割をしめると思われる上位2割の顧客と、下位8割に顧客をセグメンテーションします。


2.予測した分布に合わせてマーケティング施策や営業手法を変える

購買額上位2割の顧客には、社内のマンパワーを集中させ、営業担当者が直接接触して営業する、丁寧なサポートを提供するなどします。

会社のリソースをパレートの法則の上位2割の顧客に集中することで、上位2割の顧客との取引を、継続させることが目的です。

パレートの法則の下位8割の顧客には、電話やメールなどを活用して、コミュニケーションにかかるコストを効率化しましょう。


パレートの法則の注意点


1.常に「2:8」になるわけではない

パレートの法則は、「法則」と呼ばれていますが、どちらかと言えば経験則に近いものです。当然のことですが、どんな事象にも常に「2:8」という数字が当てはまるわけではないということは認識しておくべきです。


2.80%の従業員は常に生まれる

パレートの法則を踏まえたうえで組織力向上を考える際、成果を出さない80%の従業員を排除すればいいという考え方が出てきてもおかしくありません。

しかし、仮に成果を出さない80%の従業員を排除したとしても、今度は、残った従業員が再び「成果を出す20%」と「成果を出さない80%」に分かれてしまうと言われています。

先述した通り、この「2:8」を構成するメンバーは様々な事情や環境変化によって常に入れ替わりが発生するのが自然です。

この入れ替わりを従業員個々人の自由意志に委ねるのではなく、従業員全員に対して成長できる機会や環境を提供する育成施策を構築し、2割を生み出す仕掛けを継続することで、結果として組織全体のレベルを高められるようにしていくことが重要です。


まとめ

今回は、「パレートの法則」についてご紹介しました。

組織づくりや営業戦略、マーケティング戦略を考えるうえで、パレートの法則が大きなヒントを与えてくれる可能性があります。

その中で、「もしかしたら、パレートの法則が当てはまるのではないか?」と考察したり、データを分析したりすることが重要だと言えるでしょう。





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