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インタビュアー蒲田健の収録後記

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収録後に感じたこと考えたことを語ります!
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2017年3月の記事一覧

蒲田健の収録後記:山下澄人さん

そもそも事実ってなんだろう?

山下澄人さんの最新刊、第156回芥川賞受賞作「しんせかい」。

山下さんが二期生として過ごした富良野塾での生活が下敷きに

なっていると「思われる」作品。

実際、主人公である山下スミトは船に乗って北の大地に渡り、

「谷」にある演劇人養成施設で様々な経験をする。これは山下さんの

プロフィールとイコールといっても差し支えないだろう。

出てくる人物、場所、事象など

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蒲田健の収録後記:杉田俊介さん

私を豊かにするものを拒む理由はない。どんなことも受け入れられる。

(宇多田ヒカル オフィシャルブック「点」より)

杉田俊介さんの最新刊「宇多田ヒカル論 世界の無限と交わる歌」

宇多田ヒカルは天才である、と杉田さんは断言する。

このことに異を唱える者はまれであろう。だが杉田さんの定義する天才は

一般的なそれとは少し趣を異にする。

常人の枠を超えた超絶なる存在、それが一般的な定義であろう。

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蒲田健の収録後記:鎌田實さん

いい言葉は、いい人生を生み出し、いい人生は、いい言葉を生み出す。

鎌田實さんの最新刊

「遊行を生きる~悩み、迷う自分を劇的に変える124の言葉」

遊行。元はインドの教え。人生の最終盤、悩み、迷いから離れ静かに死を

受け入れる準備をする時期が遊行期、というのが原義。70才を目前にした

医師はこれに異を唱える。年齢的には人生の終盤かもしれない。

しかしまだまだ悩み、迷う。ならばと「遊び、行

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蒲田健の収録後記:中野ジェームズ修一さん

“24時間365日営業”

中野ジェームズ修一さんの最新刊「結果を出し続ける」。

国内外を問わず様々なアスリートのサポートをする

フィットネストレーナー。クライアントであるアスリートたちの要求には

即座に対応したいから、いつでも連絡OK。

各々のアスリートとゴールを設定し、そこへ至るステップを入念に

設計する。出来合いのざっくりしたプランではない。細部に至るまで

個別に落とし込んだ究極

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蒲田健の収録後記:手嶋龍一さん

最高級のインテリジェントオフィサーは、最高級の聞き上手なり。

手嶋龍一さんの最新刊「汝の名はスパイ、裏切り者、あるいは詐欺師」

実在のインテリジェンスオフィサーの列伝である。

正鵠を得る訳語が存在しない“インテリジェンス”という単語。

強いて言えば「情報」ということになるが、玉石混交のデータと同義の

“インフォメーション”とは似て非なる。

玉を拾い上げ、更にその玉の連なりを意味のある鉱

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