見出し画像

|004|会社員O/ゼネコン設計部勤務/32歳

この機会に本棚に並ぶ背表紙を眺めると、改めて自分の興味は大半が建築やそれに関わるものごとに向かっているのだなと思い知らされます。
雑多な中でも、私にとっては大きく3つの位置づけがありそうです。

画像5

はじめに、建築雑誌『GA JAPAN』。
建築設計課題が始まった学部2年生の頃、とにかく何か1つ建築雑誌を買い続けようと思い選びました。
建築家の個性が伝わる対談やスタディプロセスでの問答、そして建築写真が魅力的です。読み続けると定点観測のように時代の変化を感じやすいことも面白いです。
よく見ると4冊足りていなくて、この8ヶ月分は職場でジョブローテーションを言い渡され、施工管理者をしていた期間と一致しています。
黒歴史と言うほどでもないですが、仕事から帰って建築の本を読むという心身の余裕は残されていませんでした。買い足してもいいのですが、なんとなくこのままにしています。

画像2

次は、実務に直結する参考図書。
ホテルを設計していたのでその最新事例や、まだまだ分からないことの多い納まりに関する本が多いです。目下すぐに役に立つけど自分を遠くに連れて行ってはくれない本たち、という感じでしょうか。
就職してからはこの類の本が増えるペースが一番早いのが私の現実です。

最後が、その時々に興味をそそられて買う本。
本を読んでいると、実際には自分が体験していないにもかかわらず擬似的にその物事を理解できる(ような気がする)ことがあって、自分が拡張していくようなあの感覚が私は好きです。
建築家のモノグラフやエッセイ、小説や新書、写真集や展覧会の図録からグルメ本まで内容は雑多ですが、そういった感覚に一番浸れるのは結局、自分が自分で興味を持った本だなと思います。

日々実務に取り組んでいると近視眼的になることが多々あって、ときには建築という大きな広がりが目に入らなくなります。そのときに本を読むと少し目線を上げさせてくれるように思います。


●棚主プロフィール

画像3

会社員O/ゼネコン設計部勤務/32歳
ゼネコンで建築設計を担当し、入社から7年が経ちました。ホテルの設計が2プロジェクト完工し、直近でも新たにホテルの基本設計をしていましたが、昨今の状況でプロジェクトは白紙になり賃貸オフィスの計画に変更になりそうです。ホテル設計をして事例を知ってゆくと、旅行の楽しみがどんどん増えて(同時に宿泊費がかさんで)ゆきます。大変な状況下ですが、素敵な宿泊体験をさせてくれるホテルがなんとか生き残ってくれることを願っています。

いただいたサポートは、当社の出版活動のために大切に使わせていただきます。