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コロナによる休校について物申してみる

長かった休校もそろそろ終わり、

学校へ通い出した子供達も多いですね。

それ自体は大変喜ばしいことだと思っています。

うちの娘も昨日から通学が再開しました。

本当に嬉しそうにしていて、

朝も私が起こさずとも早く起きて

いそいそと準備をしています。


娘の学校は、休校が決まった翌日から

オンラインスクールを始めてくださり、

それは本当に親としてありがたいことでした。

でも、娘にとってはオンラインの授業は

どんどんしんどくなっていったようです。


対面の授業の場合、課題が解けないなどで

困っている生徒が複数いても、

先生はそれに対応してくれていました。

周りのお友達とさりげなく教えあったり

助け合ったりもできていました。

でも、zoomの画面上だけではそれが難しい。

例えば数人のグループで新たにzoomルームに

入室して、課題解決をグループで行う

というタスクがあった時、

娘以外のメンバーがルームを出てしまったことが

ありました。

1人は「自分1人で課題をやりたい」

1人は「英語がわかりにくいから日本語の通じる

先生に質問してくる」

1人は忽然と。

ルームには娘1人になってしまいました。

先生は他のグループのルームに行っていて

助けてもらうことができませんでした。

先生を責めているのではないのです。

これ以上求めるのが難しいことはよく分かります。


オンラインの授業では、

対面授業では起こりにくい

このようなトラブルがいくつもありました。


学校側も試行錯誤してくださっていましたし

オンラインの授業で通常と同じ期待値を持つのは

とても難しい、だからもう少し気楽にやろうと

娘を慰めてくださったりもしました。


子供達が同じ教室で学ぶことは

学ぶことにも、社会性を築くことにも、

とて大切なのだとつくづく思います。


だからこそ、今回の休校のやり方が

国として本当に良かったのか、

何度も考えました。

感染症の対策としては理解できますし、

もちろん一定の効果があったと思います。


ただ、教育という点から見ると、

もう少しやり方があったのではないかと

私個人としては考えています。

今日は無謀なことも承知の上で、

そして、あくまでも絵空事として、

休校措置について論じてみようと思います。


順番が違うのではないか

3月2日から、全国一斉休校の要請が出されました。

もちろんすべての学校が従ったわけではありません。

娘のインターナショナルスクールも、

春休みまでは厳重なコロナ対策を行いながら

通学での通常授業が行われていました。


4月に入ってから休校となったのですが、

それまでの間に

学校としてオンライン授業の環境を整えていました。

先生方がzoomのライセンスを購入したり、

google calssroomのアカウントを生徒に取るよう

連絡したり、オンライン用の教材を全生徒用に

プリントアウトしてフォルダにまとめてくれたり。

だからスムーズにオンライン授業に移行できました。


娘がかつて通っていた地元の公立学校は

いきなりの休校措置のため、宿題が出た程度。


私の知り合いである、とある地域の首長さんも

その地域の就学児がいる家庭に

どの程度インターネット環境が整っているかの

調査を3月の半ばごろから始めておられました。

これではオンライン授業になかなか移行できないのも

無理もありません。


乱暴な言い方になりますが、

一斉休校要請を宣言するのは簡単です。

だって、子供たちは経済活動をしているのでは

ありませんから。

「休めというなら保証という名の金をくれ」

とはならないですもの。


そしてインパクトは強いですよね。

全国一斉休校なんてなかなかありません。

だから「子供たちを守る対策やってます!」

みたいなパフォーマンスにはなるでしょう。


でも、子供たちのためを本当に考えるなら

子供達が学び続ける環境を整えるのが

先だったのではないかと思うのです。

マスクに400億円以上かけるくらいなら、

すべての就学児のいる家庭にタブレット配布とか、

ネット環境を整えるための補助金とか、

何か別の使い方ができたのではないかと思います。

2ヶ月以上学ぶ環境を奪われた子供達が

全国に多数います。

いつも犠牲になるのは弱いところからなのです。

すべての子供達がオンライン授業を受けられる

環境を整えた上での一斉休校、

という順番にして欲しかったです。

休校を要請してから、オンラインの準備をしても

失われる時間ばかりが増えていきます。

順番が違うでしょー!!と怒りを覚えました。


私と同じように、子供たちが学ぶ機会を失った

ことを危惧して、多くの学習動画の配信や

オンラインスクールが開校されました

(私も夫とともに、コロナ以前から計画していた

英語のオンラインスクールを開校しました)。


これから先、また休校措置が取られる可能性は

十分にあります。

次の休校要請の際には、すべての子供達が

学ぶ機会を奪われないように、

公的に環境を整えていただきたいです。


柔軟性が圧倒的に足りない

緊急事態が起きた時、迅速な対応と、

その時にできるベストの状況を目指す姿勢は

とても大切だと思います。

諸外国を見ているとある程度予測はできたと

思うのですが、そのための準備をしてきたの?と

思わざるを得ないような日本のコロナ対策。

例えば、諸外国ではスーパーマーケットでの安全確保

のために、開店後2時間はシルバー世代のみが

買い物に行けるなど、

柔軟な対応が早く取られていました。


日本も後を追うように時間帯によってお客さんを

分散させる方法を取っているお店も出てきましたが、

自分たちの国の実情に合った対策が当初から積極的に

取られてきていたのかは疑問です。


お役所仕事は、前例やルールに縛られて

身動き取れない場合が多くあることは理解しています。

だけどそれは、あくまでも通常時のこと。

今回のコロナ禍はどう考えても緊急です。

ですから、これまでの枠を取り払った、

柔軟性ある対応がもっともっと必要です。

頭を柔らかくした発想が有効だと思っています。


これはあくまでも現実感を無視した発想ですが、

例えば学校のオンライン授業。

先生の負担はとても増えます。

通常授業の内容から変更すべき点も増えますし、

オンラインで伝わりやすい教材も必要でしょう。

そして授業をする際も、一目で生徒の様子が分かる

教室とは違って、目も行き届きにくくなりがちです。


そこで、こんなやり方はどうでしょうか。

先生は黒板と教材を使った通常授業を教室で行う。

先生は授業に集中する。

その教室には先生以外に、3人ほどのスタッフを

配置するのです。


スタッフの役割としては、

配信、映像担当は、

経済活動自粛で仕事が減ったフリーランスの

カメラマンや、動画クリエイターなど。

先生を移すカメラ、黒板を映すカメラ、

先生の声を拾うマイクなど、

プロの機材を使って、必要な素材や音がきちんと

スクリーン上に届くような技術を使います。


またアルバイト先の仕事がなくなった大学生などに

モニターを見てもらって、生徒みんなに内容が

伝わっているかチェックする、目配り役をお願いする。

困ったことがあれば、その大学生がアシストする。


などという形で、チームを編成するのです。

仕事がなくなった人達にも働いてもらえるし、

子供達に授業が届きやすくなるし、

先生の負担も軽減できる。

こういうところに補助金を使ってほしいのです。


子供の心のケア

学校は学ぶところであると同時に、

子供達が社会性を身につけるところでもあり、

子供達が健やかに元気に暮らせているかを

見るチェック機能も有しています。

ですから学校に通う意味はいくつもあり、

それを突然、何の準備もないままに

2ヶ月以上も奪われてしまうというのは

子供のことを全く考えていない方法だと

言えるでしょう。


うちの娘も、何もないよりはオンラインでの

授業でもあって良かったとは言いますが、

精神的にはかなりストレスを感じていて、

何度か家の中で爆発していました。

人が好き、という娘の性格も大いに関係あるのですが、

授業を受けても自分の理解が足りていないのでは

というネガティブな感情や、

どこにも行けないストレス、

友達と会って話したり、写真を撮ったりする

楽しさが得られない悲しみなど、

爆発する要因はいくらでもありました

(ついでに、娘のすごく仲良しの女の子が

ご両親の仕事の関係でもうすぐヨーロッパに

引っ越すことになったのも大打撃)。

だから、週1回は学校に行ける、というような

環境づくりができないのかと考えてしまうのです。


感染リスクを考えると、親が継続的に

リモートワークできている家庭の子の方が

リスクは少ないと思われます。

そういう子供は希望すれば登校できる。

オンラインで授業を受けている子も、

学校の別室でオンラインが受けられるよう

感染対策を施したPCブースのある教室に

週1回は来てもいい、などなど。。。


もちろん、体温チェックやマスクの着用、

消毒、手洗いなど厳しい対策を行うことは

大前提です。

でも、自宅の部屋で1人で画面に向かっているより

違う環境に時々行けるのだと分かっていれば

それを楽しみに過ごすことができるでしょう。


娘が爆発した後に泣きながら言っていました。

この生活がいつまで続くか分からないから、

本当に辛いと。

そして学校再開の連絡が来てからは

「後○日で学校に行ける!」と毎日本当に

楽しみにしていました。


大人だって、いつまでも自粛が続く中で

うんざりストレスフルになっていたでしょう。

大人以上の長期間、子供に我慢を強いたのです。

今後また休校を行わざるを得ない状況に

なってしまった場合には、

子供達がこれ以上ストレスを抱えずに済むよう、

子供達が楽しみにできる機会を作る計画を

盛り込むことを考えていただきたいです。


子供が安心して、同世代の仲間と過ごせる場所。

自分が所属していると感じられる場所。

自分が成長できる可能性を見出せる場所。

感染症対策とはいえ、政治の力でそれを奪うことは

許されないと思います。


知恵を絞りましょう。

工夫しましょう。

声をあげましょう。


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