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「ザナドゥおじさん」、執筆した時のあれやこれや③

※今回はう――――っすらネタバレが含まれますので、一点の予備知識なくもまっさらな気持ちで観劇をなさりたい方は以下の文章をお読みになるのはお止めになった方が宜しいかな、と。

いよいよ明日、10月19日からスタートします「ザナドゥおじさん」。
大統領師匠初の長編にして私初の長編でもある今作の、執筆時のあれやこれやを書き記していくこのシリーズも早いもので3回目。
より具体的な内容へと入って参ります。

皆さんは、こんな言葉を聞いた事があるでしょうか?
役者をやった事のある方なら一度は聞いたことがあるであろう、
この言葉を。

「役に、大きいも小さいもない」

恐らく古来より劇団等の集団を維持していく上で必要な言葉だったのではないかと思うんですけども、




いや、あるよ!!!



大小は絶対に、あるよ!!!
この理論やっぱちょっと無理があるよ、小さかったら気にしちゃうよ、出演するからには極端に小さいの、嫌さね!

という思いから、
全キャラをメインにする試みを始めた私です。

ですが前2回で申しました通り、
きっちり決まった上演時間と全員良キャラ化計画にすっかり絡めとられた私は、
先の見えぬ状態に陥っておりました。


どうやったら全員を満遍なく輝かせ、且つ停滞させることなくストーリーを展開が出来るのか?
ワンシチュエーション&2シチュエーションではどうしても固定メンバーのみで話が進行しがちなので、全員というのは不可能なのではないか?
四角い密室では角やスミ、光の当たらぬ死角が生まれるのではないか?
そんな悩みがあったのです。


そこで考えましたのが、
四角ではなく円に。
メリーゴーランドの様に複数シーンを回転させる事でした。


いらすとやさん有難う

複数全く別のシーンを設定し、
更にシーンごと複数人の固定メンバーを配役。
各々の場でそれぞれのチームが持っている夢・希望・悩み等々をしっかり前提として踏まえさせ、
「起承転結」の「起」を極力自然な流れでお客様に知っていって頂こうという試みです。


……。


なんか思った以上に手の内を明かしていますね……。

ちょっと恥ずかしくなってきてしまいました。私無勢が……。
そういう企画なんだからまあアレなんですけども……。



唐突な糞画像で心の平穏を保ってみました。

さて、
複数シーンを回転させることで全員に光を当てることは可能になりましたが、それでもまだ問題はしっかりありました。
シーン数が複数に増えればそれだけ展開がもっさり遅くなります。
大勢の登場人物がその都度自分のあれやこれやを毎度毎度話し続けるのですから、スピードは遅くなりどうしたって飽きも来ます。
このままでは光を当てることが出来たとしても、
16人の実力者たちを活かす事など出来ません。

ここでまた私は暗礁に乗り上げました。
ゴリッゴリに船底を擦り付け、しっかりと座礁致しました中田丸。
不貞腐れた私は船を捨て、陸での暮らしを望みました。いっそ畑を耕したかった。
が、港では首を長くして他のメンバーが私の到着を待っておるのです。
ええい、ままよ。

どうしたもんかと苦悩するうち、
ここでまた運よく光明を見出すことができました。
正確に言えばちょこっと希望が見えた感じですな。


16人の実力者を活かす方法、
その突破口も
16人の実力者だったのです。

老若男女問わず笑顔で楽しむ事が出来る惨劇をモットーに、短編小説を書いています。