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「ザナドゥおじさん」、執筆した時のあれやこれや⑤

※本文はより薄っすらネタバレを含みますので、まっさらな気持ちで観劇を楽しまれたいお客様は、御観劇後お読み下さい。

3人のペースメーカーと、3人のジャンルキーパーを選出し
ザナドゥおじさんを支える柱としました、
というのが前回までのお話でしたね。
ペースメーカーには遊佐・椎名さん・精さんの3人を配置。
全体的なリズムキープを頼みました。

全体リズムが何とかなれば、次に必要なのはジャンルです。
「この作品のジャンルは……なに?」
とお客様に思って頂けるような、ジャンルの不確定さが今回の狙いではあったので複数のジャンルをこの作品には盛り込みたかった。
笑い・シリアス・恐怖・シュール・不穏さ。
その中から特に笑いと不穏さをピックアップし、そこへ平塚さん・千佳子さん・恵太郎さんの3人を配置しました。

「ザナドゥおじさん」には、従来の大統領師匠の笑いもちゃんと入れたかった。その為の平塚さんと千佳子さんです。
平塚さんと千佳子さんは、とても繊細な演技体をもちながら、無神経にふざけられる二面性を持っています。芝居を壊さず流れも止めず笑いを取るのに、2人以上の適役はいないでしょう。

そして今作において特に必要不可欠だと思っている不穏さ。これを、初めましての恵太郎さんにお願いしました。高畑亜美さんのユニット:あんよはじょうずで初めて彼の演技を観て以来すっかりファンになっていた僕は、恵太郎さんの出演が決まった時から不穏な役は彼にと思っていたのです。
異質な存在感を見せつけて欲しかった。その為のヨーゼフだったのです。

(※因みにこのヨーゼフという名前ですが、敬愛する作家フランツ・カフカ未完の長編『』の主人公:ヨーゼフ・Kから取っています。測量士であるヨーゼフ・Kは、城から測量士として雇われ来たのにもかかわらず、いつまで経っても城に入れず、誰も真剣に取り合ってくれず、いつまで経っても仕事が出来ない……という作品です。この『目標も目的も明確なのに、求めているものが手に入らない』という点が本作ヨーゼフと通ずる所があると思い、名付けました)

遊佐達に全体のキープを。
平塚さん達に笑いを。
恵太郎さんに不穏さを。

これらの要素を柱に、僕は残りの皆さんを配置していきました。

ペースキープ・笑い・不穏
全てをバランス良くこなす事の出来る竹内さんを研究者チームに。
といった具合ですね。

うむ。
そんな感じで書いた「ザナドゥおじさん」なのでした‼

また何か思い出したら書きますね。


老若男女問わず笑顔で楽しむ事が出来る惨劇をモットーに、短編小説を書いています。