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会田誠を目当てに買った文學界

会田誠を目当てに買った文學界

 会田誠の「青春と変態」を初めて読んだのはいつだっただろう。
この小説、内容も然る事ながら、異様に惹きつけられる文章には驚いた。
トイレ覗きというアブノーマルなテーマを青春と混ぜ合わせ低俗でありながら高尚に、それでいてコミカルに。
と書いてみるとグチャグチャな小説じゃないかと思われるかもしれないけど、グチャグチャになっていないのが会田誠の凄いところ。
僕は一冊で会田誠という人の虜になった。
会田誠は他に小説を出しているのか調べてまた驚く。

文章を書く人ではなく絵を描く人だったのだ。

発表している小説が「青春と変態」だけなのが非常に残念で、僕は会田誠がまた小説を書かないかと渇望していた。

 

 Twitterのタイムラインで流れてきた会田誠の文字。僕の指は脳より早く反応して画像を開くと文芸誌の表紙にデカデカと会田誠「げいさい」と書かれていて、僕は本屋に走った。
 
 初めて自分の意思で買う文芸雑誌。僕は家に帰えると着替えもせずに本屋の紙袋を破って文學界を取り出してすぐに読み始めた。
 
 長年渇望していた会田誠の文章、さすがだった。「青春と変態」とはまた違った文章で、これまた惹きつけられた。
美術家ならではの物語が新鮮で、主人公の心理描写や、絵では無く文章で描写される女性も魅力的であった。(絵も好き)
来月も買わないわけには行かない。


会田誠目当てで買った雑誌だけど、その一辺だけを読むのは勿体無いと思ってパラパラめくりながら読んでいたら落合陽一さんの文章や椎名誠の小説もあり、今まで何故この雑誌の存在を知らなかっただろうと自身を責めた。

毎晩コーヒーを飲みながらゆっくり隅々まで読んでいるこの時間が結構幸せ。

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