「行けないけど頑張ってください」問題に終止符を打つ(3203文字)
SNSが浸透した昨今、直接アーティストとファンの間でコミュニケーションができるようになったからこそ出てきたお話
「ライブやります!」
といった告知に対して、
「行けないけど頑張ってください!」
といったお返事から波及する諸問題である。
今から七年前に声優の緒方恵美さんのこんなつぶやきからいろいろな反応が生まれた
さて、ここでも始まっております、異種格闘技戦。緒方さんが伝えたかった事と(想い)を全く違う形で受け取り、傷つき、そして拡散されていった経緯。すれ違う事すれ違う事。
この他にも沢山のアーティストが「いけないけど」というネガティブな要素をアーティスト本人に送ってほしくない、という希望を述べています。
それに対し、ファン側からはライブに行けなければファンではないのか、という悲しみの声が。
そうですね、上の二つは嚙み合っていません。しかし、実際に今でもよく議論になる話。
アーティストもファンも傷つかない為にどうすべきか!というのを紐解いていって、なんならガイドラインみたいなものを生み出していけたらいいなと思うのです。
そう、正しく感情を言葉にできれば不必要に傷つくことが減るはずなのだ。
コロナ禍に?そうコロナ禍だからこそ。
①フォーカス(注目)する場所が違うから誤解が生まれる
人はネガティブな所に目が行きがちだ。だからアーティスト側は「行けないけど」という所に目を奪われ、ファン側は「言わないでほしい」に気を取られる。
本来ファン側が伝えたい事は「(本当は行きたくて行きたくてしょうがないんだけど、どうしても理由があって)行けないけど応援してます!」この太字部分である。応援している気持ちを伝えたい。決して大好きなアーティストにダメージを与えたいわけではない。ダメージを与えたいのなら、それはめちゃくちゃ性格が悪いから立ち止まって深呼吸してほしい。そんな人はいないと信じたい。信じるよ?大概の人は好意を伝えたいのだ。伝え方の文章が間違っているだけだ。後述しよう。
アーティスト側、緒方恵美さんの発言を借りると、一貫して直接「行けないという事をアーティスト側に直接伝えられると悲しい」、だから言わないで。という話になる。
だけど、これを伝えたいファンの人は「行けない」事ではなく「応援している」という事を伝えたいから「行けなくても応援している」ことを否定されているように感じてしまうのだ。
お金を払わなきゃファンじゃない?そんなことはない。勿論、経済活動としてアーティストの活動が軌道に乗らなければそっと消えるだけなので、何かしら買ってくれたりライブに来てくれるのはすげえ嬉しい。
でも根本的に、歌った。作った。伝えた。喜んでくれた。うれしー!っていうのがアーティストにはある。だから応援してもらえるっていうのは本当に、ただ純粋に嬉しいモノなのだ。
感情の話や読解力、感じる感覚の話になると難しいよね。だから今までも皆、モヤモヤしていたんだと思う。
ここに俺が一つの回答を出す!!バーン!
②応援しているのならばSNSなどで他の人に見られる場面で「行けないけど」と書いてはいけない
何気なく書いた「行けないけど」にどんな意味があるのか。
アーティストのテンションが下がる?勿論それも可哀そうだ。ではなぜ下がるのか。その一言がマイナスプロモーションに繋がるからだ。
アナタがあまり知らない飲食店の口コミサイトを見に行ったとしよう
「私は食べないけど美味しいです!」
これが並んでたとする。どう思う?
ライブの告知、ということはライブに来てもらう、という事が目的だ。その目的に対して「行けないけど」は完全否定である。
勿論わかってる。理由があったり、どうしても今はいけないけど、応援したいから書き込んでくれてる。その気持ちはわかる。
でも周りにはそう見えない。
周りの知らない人はアナタにどんな理由があって、どんな思いがあるかはわからない。
アーティストとアナタ、の関係性ではなく、そこを取り巻く他者の視点が問題になるのだ。
他者からすると「そのアーティストのライブより大事なものがアナタにはある。つまり大したライブではないんだな」
こう周りに届く可能性がある、とアーティストは感じるから悲しいのだ。
これが昔ながらの手紙や、本人しか伝わらないツールであればそこまでアーティストもへこまないのではないかと思うんだよね。
③SNSは決してクローズなやり取りじゃないから、言葉の選び方を正確に
「ライブきてねー」に対して、実際に行けないとしても「行けないけど」と枕詞を付ける必要はない。「行けなくてごめんなさい」と謝る必要もない。「ライブ頑張ってください!」これでいい。
「行けないけど」と付けるだけで「アーティストは悲しみ」「その人はちょっとマイナスの印象を持たれ」「周りからそのアーティストの評価が下がる」可能性があります。損だよね。
「この曲きいてね!」に対して「聞かないけど応援してます!」っては言わないでしょう?聞いてイイネ!とか趣味じゃなかったらスルーとか。
面倒だよね。SNSって面倒なんだと思う。でも少し気を使えると皆傷つかないと思うんだよね。
とにかく他の人が見ているってことを忘れないのがリテラシーだと思うんだよ。発言には責任が伴う。これは全てのことに当てはまるよね。
④オマケ なぜ緒方さんのツイートから拗れたかの考察
アーティスト側に立った思考の発言が嬉しかったからの引用だと思うんですが、この元呟きが大きく分けて二つ意図が見える。
・行けない事をアーティストに言うな(今回のブログの内容)
・私は言い訳をしないで全部行く
実はこのつぶやきの9割は後半の呟きに重きが置かれているのだ。それはそうだ、その呟いた人の本心であり、価値観が色濃く出ているからだ。
本当にこんな風にしてくれる人が沢山いてくれるおかげでアーティスト活動が続けてられるのは事実。大感謝であるし、それで周りの人にも届けるチャンスをもらえているのもある。
しかしこれほどの熱量を多くの人が持てるかというとなかなかに難しい。アーティスト本人がこれを引用したとなると、これが正解だときっと思ってしまう。
緒方さんが「行けない事をアーティスト本人に言うな」という意図を周りに伝えたかったのならば、この文章を引用すると意味合いが変わってくる
はっきりとこの人は「気持ちだけの応援はなんにもならない」と書いてて、それを届けられたファンはそこに目がいくであろう。結構攻撃的な文章だから、この人の文章から「生活よりもファン活動のを大事にしている私の応援の仕方は正しい」という価値観が出てて、それはその人にとって正しくて他人がどうこう言う問題ではないんだけど、アーティストが引用するってわかってたら文章の書き方変えたんじゃないかな。
緒方さんは「行けない事をアーティスト本人に言うな」という事を言いたかったけれど、だとしたらきっと選んだ文章がきっとよくなかった。
だからSNSは本当に難しい。
総括
長文なのでここまで読んでくれた方は誤解もしないでしょう。よくわかんねえなって方は「SNSでは」「行けないけど」「相手に直接伝えない」なぜなら「みんな損する」この太字のところだけ覚えててくれたら嬉しいです!
俺にもチャットもリプも行けないけどなんか言いたい時は「楽しみ!」「頑張ってください」これでOK!
大概問題が炎上したりするときはテーマがずれていく
読み取る努力も必要だが発信する際に感情を過不足なく言葉にする努力も必要なのだ。
「行けないけど頑張ってください」とアーティスト本人に言わないで、という問題はまさに文字通りで、そこにファンの定義や金銭の話は一個も入ってこない。ただ行けない、という内容を伝えさえしなければいい。
どう届くかなんて考えるの面倒くさい!って人はSNSじゃなくて日記書くといいと思う!(雑な解決策)
それではまた!
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