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描く道具の手入れ

今日は時間の余す限り手近な道具の手入れをしました。

前から気になっていた映画『美術館を手玉にとった男』をAmazonプライムで流し観しながら絵筆の手入れをしつつ、写真の整理、カーペットの洗濯、原付と自転車のメンテetc。

1絵筆の手入れ

多分、美術系の人なら学生時代にもしていたであろうアレです。ぬるま湯にトリートメントやリンスを少量入れて筆を洗うことで、少しでも使用寿命を延ばしつつ愛情を注ぎます。最近では既に廃盤になってしまった筆も増えている中、お気に入りの道具はできるだけ長く使い続けたいですね。古い筆だと接着剤が痩せて筆の柄と穂先が取れてしまうこともありますから、乾燥したら木工用ボンドでくっつけて使っています。

2絵筆を作ってるところ

みなさん絵筆を作る会社のHPって見たことありますか?せっかくなので筆を洗った後調べてみました。個人的に豚毛の毛が長いタイプの筆が気に入っているのでかすれた文字を手掛かりに調べたところ、株式会社中里さんにたどり着きました。いつもお世話になっております。

京都中里さんの商品『長峰豚毛油彩筆 LBF (長峰丸平型)』が、絵具含みがよく筆先の表情に幅があるので個人的に使いやすいです。HPには商品や取扱店のリストがある中、絵筆の手入れ、毛の種類や特徴も解説してくれています。普段使っている何気ない道具にも生まれや育ちがあります。バックボーンを把握しておくことも作品作りの良い刺激やヒントになると思います。

3動物の毛

海外では、絵筆に使われている動物の毛は、狸やミンクなどの毛皮を取ることを目的とした、大量繁殖と屠殺されることから倫理的に問題視されています。他にもワシントン条約で取引できない種類の毛もあるそうです。

しかし、描く側としてはあの筆を使わないとこの表現ができない。そんな場面も確実にあります。今後、技術が進歩して耐久性のある動物毛の特徴を持ったナイロン筆の普及や屠殺しない範囲での毛の採集などで改善することができれば良いのですが…需要と供給のバランス、専門道具を作る担い手不足であったり、価格とコストなど、現状を変えるには解決すべき問題がある気がします。

道具の手入れから、地球に住む生命体である人間として生命との関わり方を見つめ直す。そんなワークショップの企画も面白そうですね。

余談ですが、このドキュメンタリー映画の贋作家マークランディス本人のポートフォリオサイトがあります。興味があれば映画を見終わった後に1度チェックしてみては如何でしょう?



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