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A T P O A I M

"バンドマンか
まぁサービス業みたいなもんか"

とある好きなyoutuberのpod castのなかで
何気ない一言だったけれど、自分の中でかなり腑に落ちた感覚があった。

バンドや音楽家は個人の感覚や価値観の提示
表現としての芸術を作るものではある。

けれど、大勢の人を集める以上は、
集まってくれた人を楽しませませないといけない
一方通行ではいけなくて、楽しい、面白いだけで無くても何か、価値のある時間にしないといけない。

この事を改めて
大きく感じさせる出来事が
今までにもあったけれど
1番考えるようになったきっかけが

ゴールデンウィークに見に行った
the 1975のライブだった。

今も続いている
ツアーをもってライブ活動を無期限休止する
との発表があった

この発表に寄せる意味でも
彼らのライブについて
彼らのライブが自分の心に大きく残したものに
ついて、指を走らせてみようと思う。

多少長くなると思う。

今回のツアーは
アルバムが出てから世界中を回るツアー
ではあるけれど
明らかにアルバムのリリースツアーという
形式ではなかった

AT THEIR VERY BEST
コロナで動けなかったしばらくの分
自分たちの今の最大限を持って
世界中の人達に、会いに行く
そんなツアーだったのだろうと思う。

そして現在進行形のツアーも時期ごとにステージセットや、衣装、演出、セットリストを
ガラリと変えていく
こんなツアーってあんまり見た事ない。。

待ちに待った来日公演のチケット一般先行で無事で当選し
来日公演最終日の大阪。

tiktokなんかで
お客さんと、キスしたり
なんか変な動きしたり、肉食ったり
腕立てしたり…
ん?何してはるの?

完全な道化マシューばかり目に入ってたから
何をやらかしてくれるのかなと思いながら見に行ったが

意外な事に
そんな変なことは一切せず引き算の美学のステージセット。感情に狂ったような姿もなく
そしてアンコールも無し。
堂々とそして
淡々と演奏を見せるショウだった。

目の前の人達にしっかりと
真摯に向き合うような姿が

本当に胸を打った。

誰よりも真摯な貫禄のエンターテイナー

ジャケットもう一度羽織り
最後の曲に入るMC

LADIES AND JENTLEMAN
OSAKA!!

もうゴール・D・ロジャーやん…
かっこよすぎんだろって
ずっと言ってた

目の前の人達を真っ直ぐにただただ楽しませる
これって濁りのないサービス精神があってこそ
なせることだ

この何よりも濁りのない
気持ちが本当に伝わってきて
ステージに立ち、演奏をする人間として
常にあんなふうでありたいなと強く思った。

そしてこの話は忘れずにしたい
このツアーのなかで
後々色々考えて、その意味に気付いて
感動した演出があった。

ABOUT YOUという曲で
マシューが1人観客をバックに歌う姿を
ステージ側から撮って
スクリーンに観客とマシューだけが映る演出だ

この曲はこう歌う

"do you think i've forgotten?
about you."

"君の事、忘れてたなんて思うかい?"

久しぶりに会えた世界中の私達の前で
一緒にカメラに映り歌う

彼らがオーディエンスやファン達を
どれほど大切にしているか
そしてその感謝を余計な言葉は抜きに
音楽の中で、たったこれだけの演出で
表してしまう粋な計らいを感じて

今でも胸に暖かいものが芽生えてくる。

マシュー・ヒーリーはカリスマ性について
よく語られる
私は良くその儚さに
一挙手一投足にまで涙が出そうになる時がある

これは持論ではあるのだけれど
カリスマというのはみんながこんな自分が見たいであろうという自分を最大限に見せれる人の事を言うのだと思う

時にカートコバーンのように
みんなが見たい自分と本当の自分との乖離に苦しんでこの世を去る人もいる

彼らに儚さがただよっているのは
こう言った部分にも要因があるのかなと思う。

そしてこう言った奇跡みたいな人の
この根幹には
目の前の人を全力で楽しませる心
がある。

去年あたりから
なんとなく意識として流れていたこと
自分がステージに立つ時に言葉に表せないけれど
意識していたことが、
彼らのライブを見て
実態を持って自分の心に顕在化したと思う。

マシューもカートコバーンと同じように
何かしら心に抱えていたのだろう。

だからきっと、
少しライブを休む事を選んだ

十分以上に楽しませていただきました。

しばらくゆっくり休んでね。。

そして長くなりましたが
この辺りで終わろうとおもう。

今日も読んでくれてありがとう。


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