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市役所について知ろう。結局ここが一番お勧めルート - 移住・新規就農(3/3)

まずは簡単にまとめます。

特に思い入れのある農業がなければ、市町村が主導している新規就農施設が一番お勧めしやすい。

就農者の過去実績がそのまま次世代の結果に結びつきやすいためだ。指導者の質もよいことが多いので、レベルも高い。最近では、有機農業を指導する施設もでてきていて、幅も広がっている。
なにより、行政の担当者が積極的にかかわってくれるので、補助や栽培技術の支援が受けやすくなる。

では解説に入ります。



過去実績がそのまま次世代に反映しやすい

一番お勧めできる就農ルートとして、新規就農施設のことを説明しておこう。

新規就農施設というのはだいたい市町村の主導で、どこかの組織に運営を委託している。なので、こういう施設のある地域の担当者は、だいたいそこを勧めてくる。

こういった就農施設は定期的な見直しが入るものの、だいたいは過去の実習内容をそのまま引き継いでいる。指導する人の交代も少ないので、過去実績がそのまま次の世代にも反映されやすい。
なので、相談したときに施設の卒業生の平均的な実績を聞けば、自分の将来がイメージしやすい。

しかも、市町村が主導する就農施設なので、指導する人のレベルがおおむね高い。まともな就農施設であればトップレベルの人が指導に関わってくる。
そういった背景から、良い実績を積み重ねている就農施設も多いはずだ。

このような就農施設を頼らない場合は、里親形式で指導してくれる農業者を探すことになる。指導者によりばらつきが大きいため、実際に始まってみるまで雰囲気が全くつかめない。

事前に里親が決まっていて、相手をよく知っていない限り、里親ガチャを引くことになる。


ルートに乗っていない人との差は歴然

新規就農施設を卒業した就農者は、栽培技術の大部分が共通している。そのお陰もあり情報共有がしやすい。
共通する部分が多いため、変えている部分での結果の違いも分かりやすく、技術協力もしやすい。
一方で、このルートに乗っていない就農者は栽培技術が共通していないので、一見話が合っているように思えて、根本的なところで全然異なることがある。

特にマニュアルだけを提供されて、定期的な訪問を受ける程度の研修の場合、基本的なところを勘違いしているケースがある。

自ら積極的に外部とコミュニケーションをとって、学習できるタイプの人ならば、たぶんどこでも結果を出せると思うが、その自信がなければ就農施設というのは技術が身につきやすい。


行政の職員は支援制度と栽培技術のコンシェルジュ

市役所の担当者が押してくるルートに乗るとお得なことがある。
市が主導しているルートに職員が誘導していることもあり、来た人に対して多少の責任を感じてくれるのである。

同時に、市が主導している就農施設の場合、関係各所と研修生が集まって定期的なミーティングをしたりする。
これが一番のメリットになる。
支援制度の窓口が市役所なので、市役所の担当者と定期的にミーティングできると支援の取りこぼしがない。手続きに関するサポートも手厚くなる。
他にも振興局といわれる行政機関があり、農業技術の普及をしている。こういった機関の担当者とも定期的に合うようになり、技術面をサポートしてくれる。

いい就農施設であれば、こういった関係者がコンシェルジュのように役立ってくれる。

このように、いざ就農の段階になると市役所をはじめとする行政機関の担当者は実に頼もしい。
彼らの勧めに応じておくと、お近づきになれるというわけだ。


有機農業の新規就農施設も増えている

平成23年から環境保全型農業の推進が行われており、この一環で就農施設にも幅が出てきています。

最近では有機農業の就農施設も増えてきているよだ。
個性を出して新しいことにチャレンジする地域も出てきていると思うので、いろいろと探してみれば、発見もあると思う。

ただし、新しい農業に力を入れるということは、現状の競争力が低いという可能性がある。何かしらの問題を抱えているかもしてないので、目先の農業ばかりにとらわれず、地域のこともよく確認しよう。

環境保全型農業直接支払交付金
平成23年度から化学肥料・化学合成農薬を原則5割以上低減する取組と合わせて行う地球温暖化防止や生物多様性保全等に効果の高い営農活動を支援しています。

農林水産省

シリーズ 市役所について知ろう


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