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気づいたらサハラ砂漠まで来ていた

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フィンランドからスペインでトランジット兼ねて2泊したのち、モロッコへ。
なぜモロッコに行くことにしたかというと。アフリカ大陸行ってみたかった→モロッコならヨーロッパに近くて行きやすそう→ナショナルフラッグキャリアのロイヤルエアモロッコがワンワールドに2020年から加盟したらしく、なおさら行きやすそう!みたいな単純な流れ。
あとは、この機会じゃないと今後砂漠に行くなんてことないかもと思ったから、かな。
知り合いがいるわけでもなく、軽い気持ちでなんとなく決めたモロッコ。
Workawayで受け入れてくれそうなところもいくつかあったけど、砂漠周辺の環境が未知数すぎてちょっと心配だったので普通に旅行することに。

結果、モロッコ好きー♡ってなりました。


体験談をなぞる限界

そんな感じでそこまでモチベーションが高くなかったこともあって、モロッコ入り当日の朝になっても、行程を決めきれずにいた。調べる時間はたくさんあったはずなのに、初日の宿の予約すらできていない。
観光でも人気のモロッコ。調べればいくらでも情報が出てくるのだけど、知りたいことにはなかなか行きつかず、右往左往する日が続いていた。旅情報系の記事のほとんどが2019年でピタリと止まっていたし。

以下、検討の記録。国内線の情報、日本語で発信してる気時見つからなかった。見た限りだけど。
モロッコに行ったことある&行こうと色々調べてる人にしか伝わらないメモ。

  • カサブランカIN&OUTは決まっていて、サハラ砂漠と古都フェズと青い街シャウエンは行ってみたい。

  • カサブランカ→メルズーガ(砂漠)はマラケシュを経由することになるのだけど、マラケシュ→メルズーガが約12時間のバス移動になる。「いろんなところに立ち寄ってくれるけど途中から飽きてくる」「長時間移動がきつい」「客引きが多くてしつこい」などなどネガティブな体験談を目にする。

  • モロッコ目がけて旅行に来ているならそうした経験も良い思い出になるだろうけど、キューバで似たような経験を既にしてお腹いっぱいな我々はできればハードすぎる移動はスキップしたい。

  • どうやらカサブランカ空港からメルズーガに近いエルラシディア空港までのフライトが1日一便あるという情報をゲット。しかもスペインからカサブランカに到着する夜22時から乗り継ぎできそうな23時半出発。これは乗れると超楽そう。でも安全策をとってカサブランカに一泊すべきか悩む。

  • 上記ルートを実際に利用した体験談が全然見当たらなくて不安。同路線を運行するロイヤルエアモロッコは遅延や欠航が頻繁にある、みたいな情報も見かけてなおさら不安。質問板みたいなところで似たような行程相談に対する返答は「乗り換え時間短すぎて無理だろ。バカなの?」みたいな。なんでわざわざ好戦的なコメントするのよ?

  • 私の場合はスペイン→カサブランカ→エルラシディアのルートで、同じ航空会社。カサブランカでの乗り換えは1時間30分ほどしかないけど、航空会社のサイトで調べたところ予約可能(=乗り換え可能)な路線として表示されたから、これならきっといけるだろうと賭けることに。

そんなこんなで、当日の朝にフライトチケットを取り、深夜到着後の宿とその迎え、翌日の砂漠への移動とキャンプを高速で手配する。

結果、無事に乗れた!遅延なし!
そして乗り換えも超スムーズだった!
着陸から乗り換え出発ゲートまで30分足らずだったので、逆に暇を持て余すくらい。

国際線でカサブランカに入ってから国内線乗り換えで各地に飛んでいく人、たくさんいた。

乗り換えしやすいように時間を集中させてるっぽい

ネットの体験談に頼りすぎないようにしよう。結果オーライだったから言えるんだけど。


小説の情景と、いま目の前の景色と

今回の旅のお供に選んだ本は『アルケミスト』。羊飼いの少年が宝物を探しに、スペインから海を渡り砂漠を越え、エジプトのピラミッドを目指す話。
宗教上の理由でぶどう酒を飲まない国(=モロッコ)を主人公が訪れるくだりとか、ラクダに乗って砂漠を歩く様子とか、描写の一つひとつがいま自分のいる環境と重なって感慨深かった。

無事にエルラシディアに到着した翌日。2時間くらい車で走って、村の待合場所のようなところに到着。砂漠がもう目の前に。

案内してくれるガイドさんがお祈りの時間があるとかで、しばし待機するように言われる。屋上で日光浴をしながら本を読んでいたら、ふと外からよく知ってる笑い声が。
テラスからひょいと顔を覗かせてみると案の定、夫が子どもたちと遊んでいた。どこでも誰とでも仲良くなれるのは本当才能だと思う。つくづく。

金をせびられたあとのサッカー


1月中旬のモロッコ。外はカラッと晴れていて暑いけど、室内は日が入らなくてちょっと寒い。昼は半袖で過ごせるけど、朝夕はダウンジャケットが手放せないほど冷える。寒暖差が激しくて、体温調節が難しい。

モロッコ旅行のベストシーズンとしては春・秋だそうで。でも閑散期という割には結構来ていた印象。私たち含めて20人くらい泊まってたかな。
日本からもよく来るようで、挨拶や簡単な説明は日本語で。コロナ後は初めての日本人ゲストだよ!と歓迎してくれた。

トヨタの4×4でガンガン砂漠を走り、泊まるキャンプまで連れて行ってもらった。粒子の細かい砂漠でもしっかり走れる車が重要らしく、トヨタが一番壊れにくくて最高!ってガイドの人が言う。

外を見ると各国からの旅行者を乗せたラクダがずらり。砂漠の砂はさらっさらのきらっきらで、ラクダのコロコロしたうんちがたくさん。毎日ご苦労さまです!

ラクダに乗せてもらったりサンドボードで滑ったり。
サンドボードが思ったよりスピードが出て、最後は豪快に転がって口にもズボンの中にも砂が入り込んだ。
上に登ろうにもズボズボと足が沈んでいって、登れない。アリ地獄ってこういうことかー!
日が落ちるスピードが早くて、転がったところから上に戻ってる間に沈んでしまった。おかげでいい写真撮れたからヨシ。

サンセットと私

夕食のあと、星を見に砂漠へ。
何も妨げるもののない空。くっきりと天の川が見える。
寝そべって、ただただ夜空を見上げる。流れ星5つ見えた。
いま私は砂漠にいるんだなぁと思いつつ、やってることはいつもと変わんないなとも思ったり。
まさかサハラ砂漠に来る日が来るとは思わなかった。


天然の腸薬、クミン

砂漠体験を楽しんだ翌日、夫が体調を崩した。どうやらどこかのタイミングで食べ物があたったようで腹痛でしんどそう。
ネットで情報を得て「クミンを水に溶かして飲むといいらしい!」と言い出し、クミンを探すことに。
砂漠から古都フェズに移動して泊まった宿の朝食でゆで卵にクミンが添えられていて、歓喜の声とともに大量のクミンを蜂蜜に混ぜて食べる夫。しかも宿のおばちゃんに言ってクミンを増してもらっていた。
クミンはよく効いたようで一日もすると腹痛はおさまった。が、過剰摂取だったようでその後しばらく胸やけに苦しんでいた。
あとから調べたところ、適量は一日小さじ一杯ほどらしい。大さじニ杯は食べてた。

カフェで若い地元の店員さんと腹痛になった話をしていたら、彼のほうから「クミンが効きますよ」と。おー、モロッコの人たちには常識なのか。
抗菌作用があったり、整腸作用があったり、まさに天然の薬なのだね。

クミンに絶対的信頼を寄せる夫。その後スパイス屋さんで大量買いしました。

いろんなスパイスがずらり
街中で見かけた写真。約100年前
砂漠ディナーのあとのミュージックタイム
古都フェズ。まじで迷宮だった
地元のラッパー少年がめっちゃ写真撮ってくれた
青い街シェフシャウエン
猫がよく映える

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