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「学びの在り方」としてより豊かなのは? | 子ども環境学会 書評より

子ども環境学会の2022年夏号ウェブマガジンに拙著『まちの風景をつくる学校 神山の小さな高校が試したこと』の書評が掲載されました。書いてくださったのは高校教員の方。

(以下全文転載。改行は当方)

この本で紹介される農業高校(徳島県立城西高校神山校)は徳島県神山町にあります。神山町は人口5000人ほどのまちで、著者は学校と役場と地域をつなぐコーディネーターの仕事をしていました。

神山町は地方ではどこでもみられる「過疎化」の問題があり、このままでは学校が「閉校」になるかもしれないという危機感から、学校の在り方を問い直し、地域と協働して学校を新しくしました。そして、今では県外からも生徒が来るようになり、閉校はまぬがれ、つまり問題解決に成功したのです。いったいどのようにして?

著者は2016年から2021年まで、コーディネーターとして学校と地域に関わったことから見えてきたことを語ります。著者が気づいたこと、それは「学びの在り方」についてです。

これまで学校では先生と生徒は「教える側」と「教えらえる側」という縦の関係でした。しかし、神山校では「ともに学ぶ」という横の関係でした。また、生徒の横にいるのは先生だけではなく、地域の人々もいます。どちらが「学びの在り方」として豊かなのでしょうか?

教員と言う立場にある人には自分が本当に「よい学び」を生徒に提供できているのかを振り返る刺激的な本であると同時に、人が学ぶ環境はいかにあるべきかを問う、「こどもの環境」について考えるみなさんにも参考になる本であると思います。

(星槎国際高等学校富山学習センター長 飯田良智)


なんとこの書評を書いてくれた飯田さんは、2014年に内閣府の国際交流事業で青少年分野の取り組みを学ぶためにドイツ訪問をした仲でもあります。
教員として、そして父としてたくさんの子どもたちを見てきた飯田さんが、「学びの在り方」に着目してくれたのはとてもうれしい。



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