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こんな時だけど上場! 1.2キロ圏内で躍進「カクヤス」、実演販売の強みでヒット連発「コパ・コーポレーション」の真似できない戦略とは?

番組内容の‟書き起こし”を、放送直後の「日曜あさ8時」にお届け。

放送後に復習したいアナタや、時短で学びたいアナタにぴったりの、"読むがっちりマンデー!!”です。放送した儲かりアイデアや戦略を、いち早くビジネスに活かしてください!

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今回のがっちりマンデーは…「こんな時ですけど…僕たち、上場しました!」

会社が株を上場する…
これは、その会社ががっちり成長してる証!
ということで、当番組ではこれまで毎年、
株を上場した儲かりカンパニーを直撃!

しかし今、経済界はコロナで大変!
こんな時に上場できる会社なんて…
と思ったら、ありました!!

ミシンで布を縫わせたら日本一?いや、世界一!?
福井の会社が、とんでもなく地味なんだけど
とんでもなくすごい機械で、上場!

テレビでよく見るあの人たちが集結?
大ヒット商品のヒミツを
渋谷のマンションで考えて、上場!

ピンチのときこそチャレンジする会社、
ピンチなんて関係なし、ぐいぐい攻める会社に迫ります!
※以下、7/12に放送した内容の書き起こしです。

……とこの先にいく前に、『がっちりスクール!!』編集部からお知らせ。

コミュニティ、『がっちりマンデー!!クラブ』始めました!

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番組のファンでいてくださっている方はもちろん、儲けのしくみを詳しく知りたい・起業のアイディアを集めたい人などなど、一緒に楽しく学び合っていきましょう!

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年商1085億円「カクヤス」のカギは、リヤカー自転車と出店戦略にあり!


まず最初に訪ねたのは…

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東京都、北区王子。
こんな時ですけど…

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佐藤社長:僕たち上場しました!

2019年12月、東証二部に上場!
「株式会社カクヤス」

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この名前、ご存知の方も多いはず。
都内を中心に172店舗、
ピンクの看板の酒屋さんチェーンの会社です!

スタッフ:大変でしたね、上場してすぐ…
佐藤社長:ジェットコースターみたいでしたね。ちょびっとがっちり!くらいです。

  
と、語るのは、来年で創業100年を迎える…

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カクヤス3代目社長、佐藤順一社長!
実はこのカクヤス、
サービスを普通の酒屋さんとは違うやり方にすることで、
がっちり大成功したんです。
その「サービス」とは…

佐藤社長:他者がマネできない宅配を目指しました。

そう!カクヤスがこだわったのは「宅配」!
一体、どんな宅配にしたのか…

佐藤社長:「23区どこでも」「1本から」「1時間」「無料配送」!

今から20年前に、佐藤社長が打ち出したのは、
都内どこでもビール1本から配達!しかも配達手数料はなし!
さらに1時間以内に配達する!というもの。
これには、飲食店の店主たちも大喜び!

店主:前日注文が多いですよね、酒屋さんは。1時間前に注文かけたら、1時間後に来る、というスピード的なメリットがありますよね。

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これまでは、前日に注文して、1日1回程度だった配送が、
その都度、頼めば、すぐ持ってきてくれるから、とっても便利!
ということで、この作戦は大当たり!
今では「カクヤス」の年商は、1085億円に!

ただ…こんなに早く、送料タダで、カクヤスなお酒を運ぶとなると、
人件費とかも相当かかって、到底儲からない気が…。

しかし、カクヤスには、この超便利な「宅配」を可能にした、
2つの大きなヒミツ兵器があるんです!
まず、1つ目は…

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「カクヤス式 リヤカー型自転車」
お酒の配送、というとバイクのイメージもありますが、
バイクだと法律上、30kgまでしか積めない。
ところが、リヤカー型自転車だと…

配達員さん:100kgくらい。

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なんと倍以上120kgまで載せられるんです!
でもこれ、相当重くて、漕いで進むのが大変なのでは?
ということで…
最近、運動不足ぎみの番組スタッフが試しに乗せてもらうと…

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スタッフ:(電動アシストだから)楽だぞ、これ!100kg近く載ってるとは思えない!
佐藤社長:厳密に計算すると、バイクと自転車で、生産性は1kmまでは全く変わらないんです。

そして、もうひとつのカクヤス秘密兵器は、
社長の、「お店の出し方戦略」に!

佐藤社長:遠くから行ったらコストが合わないじゃないですか。だからなるべく、近くから行く。ですから、1店舗の商圏を小さめに取って、その商圏を横展開して、23区を埋めてしまう。ちょうど半径1、2kmなんですけど。

そう、1.2Kmごと出店作戦!

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なんと佐藤社長、酒屋さん1軒のベストの配達エリアは、
半径1.2kmだとはじき出し、
その間隔で、都内の中心部に、お店を出しまくったんです!
しかし、なぜ1.2kmなのでしょうか??

佐藤社長:半径1.2kmってだいたい1時間当たりに約4.2件運べるんですね。この4.2件運ぶというのが重要なところで、1.2×1.2×3.14で東京都の面積で割ると137店舗。なので、137店舗を出せば埋められるなと思いました。

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社長が考えたのは、注文ごとに店とお客さんのところを、
行ったり来たりするのではなく、

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時間を決めてまとめてお客さんを廻るやり方。
このやり方、半径1.2kmの配達エリアなら、
自転車で1時間おきに一回りできるというわけ!

佐藤社長:神に与えられた数字じゃないですかね。

もちろんカクヤスさん、飲食店だけでなく
個人のお宅にも飲み物1本から配達してくれる。
コロナ下で飲食店の注文が一時期減ったものの、
個人のお客さんが4割アップになり、大忙しだったとか!
配達員の吉崎さんも…

配達員さん:余談ですけど…10何kg痩せました。

上場を機に、今後は全国進出を目指すというカクヤス。
日本中で、リヤカー自転車が大活躍の予感です!

カクヤスはこんな時でも上場してがっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
田北さん(東洋経済新報社 常務取締役) :Amazonで、お酒買えるじゃないですか。でも、 Amazonが業務用のお酒売るかっていったら、売れないんですよ。それは、なぜかっていったら、ポイントは、
業務用ってビンの回収なんです。(カクヤスは)ビンの回収まで出来るんで、参入障壁としては、非常に高いですよね。


実演販売士の利点活かし、自社開発商品でヒット「コパ・コーポレーション」

続いては…

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東京都渋谷区にある
コパ・コーポーレーションという会社。

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吉村社長:こんな時に、僕たち上場しました!

2020 年6月24日東証マザーズに上場!
まだ上場ホヤホヤ!

吉村社長:アツアツ、ホヤホヤです!

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と、ご機嫌なのは、コパ・コーポレーション吉村泰助社長!
でも、このタイミングでの上場、悩みませんでした?

吉村社長:コロナの時でも負けないっていう自信がありまして。こんな時でも上場しました。

コロナにも負けない、と自信たっぷり!

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22年前にこの会社を作って、昨年の年商は56億円と、
まさに右肩上がりの絶好調なんです!
では一体どんなビジネスで上場したのでしょうか?

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すると、いきなりみなさん、エプロンを着だしましたが…

吉村社長:わが社は「実演販売」でがっちり!

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実はコパ・コーポレーション、
社員のほとんどが、テレビなどで実演販売をする実演販売士さん!
社長の隣にいたのが…

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レジェンド松下:レジェンド松下でございます!

テレビでもおなじみの実演販売士、レジェンド松下!
テレビや店頭などで見たことある人多いのでは?
所属実演販売士さん29人!
ということは、この会社は
実演販売士さんのマネージメント事務所ということですか?

吉村社長:よく派遣業と間違えられやすんですけど、当社は派遣の部分は売上げの4%。その他、実演販売のできる卸売業が当社の本業です。あとの96パーセントは商品売上げです。

そう!儲けのほとんどは、
自社開発の商品の売上げなんだとか!
一体、どんな商品を作っているのでしょうか?

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スタッフ:これらの商品を自社で開発してるってことですか?
レジェンド松下:そうなんです。自社開発して、それを実演販売するのが、我々のがっちりポイントなんです。

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例えばこちら!100万枚の大ヒット!
「MUGEN COOL」という商品は…

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レジェンド松下:蒸しタオルを「MUGEN COOL」でやると…
触ってみてください。
スタッフ:熱い!熱い!

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レジェンド松下:温度にすると56度!

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レジェンド松下:ふると一瞬にして冷たくなる。触ってみてください。
スタッフ:えっ!冷たい!

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レジェンド松下:16度です。
スタッフ:どうやって、商品を開発するんですか?
レジェンド松下:台湾に出張行ったときに、この生地をつけてたらずっと冷たかった。何回もふれば冷たくなるので、これはもう売れるなと。

そう、実演販売のお仕事の関係で、コパの社員さんは、
様々な新製品の素材について、いち早く知ることができるんです!
そこで、「これはいい!」と思ったらすぐに商品化に動く!

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例えば、こちらは、ガラスを曇らなくする液体の情報をゲットして、
早速、それをメガネ拭きに応用。

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「幸せなくもらないメガネふき」!
11万個の大ヒット!

レジェンド松下:お客さんの声が、直に届くというのも実演販売、商品開発の面白いところです。

そう、お客さんに直接ふれあうから、
お客さんのクレームや要望も、ダイレクトに知ることができる。
ある時は、涼しくなる布で紫外線から手を守るカバーを作って欲しい!
との声を聞き…

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「MUGEN COOL」で、アームカバーを作ったり…

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またある時は爪磨きが評判良いと知って、
同じ素材でかかとの角質落としも作ったり…
そんなコパさん、商品開発は、メーカーさんとの共同作業。
今、開発中なのが…

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今流行りの小型水筒を、極限まで軽くしたもの。
その名も「Gゼロマグボトル」
普通の水筒は161g…

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でも、「Gゼロマグボトル」は91g。
しかも、ただ軽いだけでなく、性能も重視!

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傾けても氷が出ない内蓋を付け、
保冷効果を保つ2重構造で、
素材のステンレスの薄さをギリギリまで追求!
そしてもちろん、実演販売用に、
商品を売るデモンストレーションも考えています!

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レジェンド松下:軽すぎて、無重力ですね。こうやって見せながら、軽さをアピールしていきます。

風船のデモンストレーションを見た
協力メーカーの中村さんは…

中村さん:全く想像できなかったけど、これをやると売れそうだなっていう気配がしますよね。

メーカーさんも驚くデモンストレーションを考えながら
年間30アイテムを開発!売る人が、何が売れるかを考えて自ら作る!
ありそうでなかったビジネスモデルで、
これはますます、伸びそうです!

コパ・コーポレーションは、上場でがっちり!

血圧計の腕帯で世界シェア50%の「松屋R&D」


続いて訪れたのは…

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福井県大野市にある…
「松屋R&D」という会社。
なんでもこちら、テレビ取材が初めてらしい。

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後藤社長:こんな時に僕たち上場しました!

2020年4月6日東証マザーズに上場!

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後藤社長と中野副社長!
創業から38年にして念願の上場をなしとげました。

しかし社長によると、上場のときにはぜひやりたい!と
すごく楽しみにしていた「アレ」ができなかったのだという。

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後藤社長:鐘を鳴らすのをぜひやりたかったんですが、コロナウィルス中止になりました。めちゃくちゃやりたかった!

ところが、諦めきれなかった後藤社長。

スタッフ:あれ!?

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なんと鐘を作っちゃった!
社員みんなで叩いたんですって!

さて社長、そんな松屋R&Dは、
一体どんな商売をやっている会社なんでしょか?

後藤社長:我々の会社は、血圧計のセンサー部分にあたる腕帯と、命の安全を守るためのエアバッグを作ってます。

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そう! 松屋R&Dは血圧を測るときに腕にまく「腕帯」や、
自動車のエアバッグなど、さまざまな「布製品」を作っている会社!
しかも、血圧計の腕帯では、なんと世界シェア50%、会社全体の売上は86億円という、知られざる儲かり会社なんです!

しかし、なぜ松屋R&Dは、世界トップのシェアを取れているのでしょうか?

社長いわく、その鍵は「縫う技術にある!」
とのことで、そのヒミツの現場を見せていただくことに!

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後藤社長:こちらが、自慢の機械の1つです。

何やらミシンが乗ってる機械…

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その名も「MRD-L6030」ミシン+レーザー裁断複合機!
1台1200万円!

スタッフ:これは何をする機械なんですか?
社員さん:エアバッグの火薬を爆発させる部分を縫製します。セットをしたまま、縫ってそのままレーザーでカットする。

その工程を見せていただくと…

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型に合わせて一気に縫い上げ…

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バチバチッとレーザーが裁断!以上!
これは、そんなにすごいんですか?

社員さん:普通は縫ってから取り出して次の裁断のところにセットして切るんですけど、一度取り出すことによって、ズレが発生するんです。

そう、エアバックや血圧計の腕帯などは、
少しでも縫製に誤差があると、
空気漏れなどがありえるので、とびきりの精密さが求められるんです。
そこでこちらのマシン、ズレが生じないように
「縫製」と「カット」を一度にやっちゃうというわけ。

実は「松屋R&D」さんは、
つくる製品に合わせて、縫う機械を一から作っちゃうのが上手な会社!!

後藤社長:誰がやっても均一なものができる!これが絶対条件です。

もちろん、縫い方にもヒミツが!

社員さん:丈夫に縫うものはロックスティッチと言われる本縫いがベースです。

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洋服など柔らかいものには伸縮性がある
チェーンスティッチと呼ばれる「環縫い」

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エアバックなど、丈夫さが必要な製品には、
「ロックスティッチ」と呼ばれる、糸の解けにくい「本縫い」

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さらにこんなものも!
工場などで被るクリーンキャップを作る全自動マシン、
その名も「MRD-CC550」一台600万円!!
柔らかい素材に対して立体的に、ゴム紐を縫い付けていく…
これは、なかなか難しそうですが…

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まず、柔らかい布を裁断したら…

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次に、風を当てながら回転させつつ、ゴムを縫い付けていく!
そして…

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空気の力で、完成品の箱の中へ!お見事!
さらに社長、新しい製品開発にも余念がありません。

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優れた縫製技術も活かし、ドローン用のエアバックも開発中。
こんなときだからこそ攻めの姿勢で、事業拡大を目指します!

松屋R&Dは上場して、がっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
田北さん(東洋経済新報社 常務取締役) :オムロンは機械を買うんですね。買って松屋R&Dの工場に置いてもらって、松屋R&Dが、全部製品を作って、製品を収める。松屋R&Dは設備投資しなくていい。オムロンはいいものを安く売れるからいい。
加藤さん:お互い儲かりますよね。
田北さん(東洋経済新報社 常務取締役) :機械メーカーとしては、ちゃんと利益出してるなと思います。


最後まで読んでくださったみなさまへ♡
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<がっちりスク―ル!!編集部 一同>

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