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こぼれ話Zoom!オンエア未公開 「バス以上、電車未満」の世界初DMVって? 番組制作の本音もたっぷり

今週は、4月5日に放送した「儲かる『〇〇以上、〇〇未満』」をもっと掘り下げる内容です。オンエアからは外れてしまったけれど紹介したかった「〇〇以上、〇〇未満」の企業や製品番組で取り上げた3つの「〇〇以上、〇〇未満」の取材時のこぼれ話をお届けします! 

『がっちりマンデー!!』のは毎回どうやってつくられ、どんな企画がシリーズ化するの? 『がっちりマンデー!!』愛好家は気になる、リアルな裏事情もたっぷり語ります!

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「〇〇以上、〇〇未満」とは、ビジネスのスキマを絶妙に狙ってがっちり儲けている会社や製品のこと。

番組では、「個人店以上、チェーン店未満」として、個人経営のラーメン店に見せかけて実はフランチャイズチェーンという「ステルス・フランチャイズチェーン」の仕組みや、UR都市機構と無印良品とがタッグを組んだ「団地以上、マンション未満」の物件などを紹介しました。

「〇〇以上、〇〇未満」についてもっと知りたい! 

というわけで、番組制作のリーダーである大松雅和チーフディレクター(オーマツ)、番組を担当した丹川祥一ディレクター(タンカワD)と大野莉奈アシスタントディレクター(オーノAD)の3人に『がっちりスクール!!』編集部員がインタビュー。

企画が生まれた経緯や取材時のエピソード番組では紹介しきれなかった裏話などを語ってもらいました!

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「バスと電車が合体したDMV」が企画のはじまり

ー4月5日に放送した「〇〇以上、〇〇未満」の特集は興味深い切り口でした。この企画はどういった経緯で生まれたのでしょうか?

大松雅和チーフディレクター(以下、オーマツ) 番組の放送内容を決める企画会議には、8人いるディレクターと2人の構成作家、1人のリサーチャーさんと私が出ています。

大松

それぞれが出す企画案の中で、DMV(デュアル・モード・ビークル)という、バスとして道路を、電車として線路も走れる乗り物を例に「これってバス以上、電車未満だよね」という話が出ました。

バス以上電車未満

そこから、スキマをついたニッチなビジネスという意味で「〇〇以上、〇〇未満」という切り口で特集を組めるのではないかとなり、リサーチを始めました。

ー企画誕生のきっかけとなったDMVは、なぜ番組では放送されなかったのですか?

丹川祥一ディレクター(以下、タンカワD) この車両での運行が、サービスとして開始されていないからです。予定では2020年度に、徳島県南部と高知県東部の県境での正式運航を目指しているとのことなので、楽しみにしています。

丹川

ー『〇〇以上、〇〇未満』で取り上げる企業さんや製品の候補は、どれくらいありましたか?

オーマツ リサーチャーさんからは50個近いネタを挙げてもらいました。そこから厳選して8つにし、各会社さんへの取材交渉を始めました。

ーDMVのほかにも、オンエアで紹介したい企業さんやサービスはありましたか?

タンカワD 「民泊以上、ホテル未満」のサービス「SEKAI HOTEL」(大阪府東大阪市)さんもロケの一歩手前まで進んでいました。」

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タンカワD 通常、ホテルは建物があって、その中ですべてが完結します。SEKAI HOTELのおもしろいところは、「その街や地域全体をホテルとしてとらえている」点です。夕食は、街のレストラン、朝食は喫茶店、温浴施設は銭湯、そして宿泊スペースは点在している部屋の中から選択する仕組みです。地域住民と、観光客と、飲食店やサービス事業者をつなぐ地域活性化の側面もあります。

ーおもしろいサービスですね。

タンカワD ぜひ番組で紹介したかったのですが、昨今の新型コロナウイルスの影響もあり、直近のお客さんの数が減ってしまい……泣く泣く断念しました。状況が改善したら、ぜひ取材したいです。

ーいくつかの有力候補からオンエアを勝ち取った3つは、選りすぐりのネタですか?

オーマツ はい。その中でも、今回の担当ディレクターであるタンカワDが最も力を注いでいたのが「個人店以上、チェーン店未満」という切り口でした。

ステルス・フランチャイズの「覆面調査」って?

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株式会社INGSの経営するラーメン店「らぁ麺 はやし田」を本店とし、店名の異なる店舗を「ステルス・フランチャイズチェーン」として東京都内に13店舗展開(4月5日オンエア時点)。スープの味と麺をチェーン全体で統一し、クオリティを担保する一方、具材やサイドメニューを店舗ごとに決められることで個人店としての独自性を演出している。

ー「ステルス・フランチャイズチェーン」と呼ばれるビジネススキームがあるとは知りませんでした。

タンカワD 私もです。リサーチャーさんが挙げてくれたネタの中で一番おもしろいと感じ、ぜひやりたい!と強く推しました。ただ、取材の候補先に当たってみると苦難の連続でした。「ステルス(隠密)にしておきたいので取材NGです」とお断りされたり……。

ーテレビで紹介されたくないでしょうね(笑)。「フランチャイズチェーンでありながら、個人店のように見せる」という形態ですから。


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【目次】
・「テレビであまり紹介されたくない企画」の攻略法
・UR都市機構×無印良品「申し込み倍率30倍」の数字に注目
・「電気ちりとり」が3番目に紹介されたワケ
・今後シリーズ化する?
・『カンブリア宮殿』以上、『イッテQ!』未満?
まだある!「スキマビジネス」シリーズ

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