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竹久夢二『山へよする』研究

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大正8(1919)年2月に新潮社から刊行された、竹久夢二の『山へよする』という小さくて美しい本がある。 『山へよする』は、大正4(1915)年から大正7(1919)年まで、夢二が…
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記事一覧

蛇と十字架:竹久夢二『山へよする』研究⑤

 やっと連載5回目。  今回は「序の歌」の扉絵を取り上げる。   竹久夢二の他者のモチーフ…

表現急行の人
2か月前
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「包紙画の衝撃:竹久夢二『山へよする』研究②」ヘの補足

1 精子のイメージ  上記記事で、萩原朔太郎の詩集『月に吠える』に寄せた田中恭吉の挿絵…

表現急行の人
3か月前
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網代格子:竹久夢二『山へよする』研究④

 今回は、『山へよする』の表紙と背と裏表紙に使われている網代格子の文様を取り上げてみよう…

表現急行の人
3か月前
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表紙に描かれた山:竹久夢二『山へよする』研究③

 連載がとどこおっていたが、やっと3回目。  今回は表紙画と、見開き中扉に描かれている山の…

表現急行の人
4か月前
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「本所の松井」をめぐって

1 芋づる式でわかってきたこと  一條成美の木版挿絵に「よしだ刀」という文字がよく彫り…

表現急行の人
7か月前
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包紙画の衝撃:竹久夢二『山へよする』研究②

 今回は包紙画を取り上げた。  1万6千字を超えたが、分割せずに一括公開する。  本文に書…

表現急行の人
9か月前
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『山へよする』の広告:竹久夢二『山へよする』研究①

1 『文章倶楽部』第4巻第3号の「新刊紹介」と巻頭広告  『文章倶楽部』第4巻3号(大正8年3月1日)には、『山へよする』の広告と、新刊紹介、それに夢二による自作紹介記事「自画自賛 (『山へよする』より)」が掲載されている。  『文章倶楽部』は新潮社刊で、『山へよする』と同じ版元であり、自社新刊の広告に力を入れているということを示している。  まず、巻末の「新刊紹介」では、次のように紹介されている。  「稀有の美本」というところにこの本の詩画集としての側面があらわれてい

書物探検:竹久夢二『山へよする』

 2次元の画像だけでは、竹久夢二の『山へよする』の書物としての感触がつかみにくいだろうと…

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竹久夢二『山へよする』研究の連載開始にあたって

 大正8(1919)年2月に新潮社から刊行された、竹久夢二の『山へよする』という小さくて美しい…

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