黄色い花の少女【絵本原作】
作 ガブ
黄色の花。そこには菜の花の少女が住んでいました。
小さい小さい小指ほどの大きさ。
上を見上げる。
ピンっと伸びた茎。
大きな花びら
どこまでも広がる空。
ぴょんと葉っぱに乗っかり
まるで風の揺り籠。
仰向けになり空を見上げる。
揺れる葉っぱのベット。
葉っぱと朝露の匂い。
雲はいろんなものに姿を変える
動物。ヤカン。あれは怒っているおかぁさん。
あれは酔っ払ったお父さんで。。
雲さん、私も作って！
でも風が全てを連れて行ってしまいました。
真っ青な空。
ゆっくり目をつむる。
目をつむるとまぶたが赤いオレンジ色になった。
優しい日差しの太陽。
柔らかい風が抱きしめる
少女はいつのまにか寝てしまいました。
夢の中でお父さん、おかぁさんに会いました。
優しく抱きしめてくれて。頭を撫でてくれて。
とても幸せ。
ぱっと目が覚める。
誰もいない。菜の花ばたけ。
急に寂しくなって泣き出してしまいました。
「えーん。えーん。。」
その時、ふわっと
何かが影が横切りました。
周りを見渡しても誰もいません。
「だれ？！」
返事はありません。
また影が横切りました。
少女は怯えています。
「だれなの？！」
すると上の方から
おーい。おーい。と声が聞こえます。
ふっと見上げます。
「わ！！」
少女は思わず声を出してしまいました。
なんと友達がいっぱい降りてきたのです。
葉っぱに乗って、綿毛に乗って、鳥の羽に乗って、桜の花びらに乗って。向かいに住むリンちゃん。いつも私を叱るサリーおばさんも。靴屋のビトーさん、パン屋のモカおじさんは粉まみれです。
みんなニコニコしています。
みんな声を合わせます。
「せーの！」
とパッとなにかを広げます。
大きな縫い合わせた生地が空に広がりました。
お誕生日おめでとうの大きな文字。
少女はなんだか涙が出てきました。
あれ？なんでだろ。少女は心の中で思います。
みんなありがとう。
空の隙間から微笑みかけているお父さんとおかあさんが見ているような気がしました。
少女は心の中で呟きます。
パパ、ママ。。
今日も菜の花がキレイに咲いています。
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