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【環境に優しい素材まとめ】紙やプラスチックに代わる新素材も?
ゴミ問題は非常に複雑で、明確な答えを出せない課題が山ほど存在します。
ゴミの分別の是非や、リサイクルが環境に及ぼす影響など、"環境に良いもの"として植え付けられた常識を疑ってみると、身近なところにも想像以上に転がっています。
「脱プラスチック」が声高に叫ばれている現代でも、プラスチックが悪と断定することすら叶いません。
実は現代において「プラスチックは悪」と断言することはできません。
— 【公式】MyGOMI. (マイゴミ) (@MyGOMI_OFFICIAL) November 4, 2020
短期的に見てゴミが減るのは間違いないですが、プラスチックが食品ロスを減らし、軽くて丈夫な素材としてエネルギー効率を上げているのも事実です。
これからは社会全体で"必要のない"プラスチックを見極めていく必要があります。
日本では2020年の7月からレジ袋が有料化されましたが、肯定的な人ばかりではなく「下手にエコバッグを使うほうが環境負荷が高い」とか「レジ袋は焼却炉の燃焼効率を上げるために必要だ」といったような意見もあります。
ゴミ問題を解決するためには、"規制を設けてゴミを減らす"というネガティブな対策だけでなく、"新たな技術を発明してゴミそのものの概念をなくす"といったようなポジティブな対策にも力を入れていく必要があるのではないでしょうか。
前置きが長くなりましたが、今回はそんなポジティブな方向から以下に挙げた環境に優しい5つの素材について解説していきます。
・生分解性プラスチック
・バイオマスプラスチック
・再生紙
・セルロースナノファイバー【新素材】
・LIMEX(ライメックス)【新素材】
最新のテクノロジーによって作られた素材も掘り下げて紹介するので、ぜひ読んでみてください。
環境に優しい素材① 生分解性プラスチック
生分解性プラスチックとは、バイオプラスチックを2種に分けたときの1種で、微生物の働きにより二酸化炭素と水に分解されて自然界へと循環するプラスチックのことです。
食品残差を回収するゴミ袋を生分解性プラスチックで作ることで堆肥やメタンガスに再資源化する際の手間が省けるだけでなく、焼却した場合でもあまり熱が発生しないため焼却炉が長持ちするようになります。
ただ海洋に流れ出た生分解性プラスチックは素早く分解されるわけではないため「どうせすぐに分解されるからポイ捨てしてもいいや」と考えてはいけません。
早く分解されるのはコンポストという条件下に限定されるということを覚えておいてください。
さまざまな基準を満たしている生分解性プラスチック製品には上画像の「グリーンプラマーク」がついているので、ぜひチェックするようにしてください。
環境に優しい素材② バイオマスプラスチック
バイオマスプラスチックとは、バイオプラスチックを2種に分けたときのもう1種で、サスティナブルで枯渇する心配がないバイオマス資源を原料としたプラスチックのことです。
トウモロコシやサトウキビなどの植物を原料とすることで、生育過程で光合成によって二酸化炭素を吸収しているため、焼却しても実質的には大気中の二酸化炭素を増やすことにはなりません(カーボンニュートラル)
その環境負荷の低さから、日本で実施されたレジ袋有料化でもバイオマスプラスチックを25%以上含むものは対象外となりました。
しかしバイオマスプラスチック100%の製品はほとんど流通しておらず、素材が混ざっているせいで燃やしてサーマルリサイクルするしかないという問題点もあります。
環境に優しい素材③ 再生紙
再生紙とは、新聞紙や雑誌、コピー用紙などの古紙をリサイクルして作った用紙のことです。
紙ゴミが減るだけでなく、森林資源を守ることにもつながります。
ただ古紙にはインクなどの不純物が混ざっていて耐久性が低いため、長期保存を目的とした書類に使用するのはあまり適切とは言えません。
現在は新聞紙や週刊誌、コピー用紙、段ボール、ティッシュ、トイレットペーパーなどに再生紙が用いられています。
環境に優しい素材④ セルロースナノファイバー
セルロースファイバーとは、木材や雑草、野菜・果物の搾りかすといったバイオマスからセルロースを抽出し、直径を数十ナノメートル以下まで微細化した最新鋭の繊維状バイオマス素材のことです。
天然由来であるため資源が枯渇せず、カーボンニュートラルの性質も併せ持つ環境に優しい持続型資源として期待されています。
軽量で強度が高く、空気を通しにくいガスバリア性があり、透明性も高いため今後はさまざまな場面で活用されるようになるでしょう。
環境を守るために規制が強化されていく中で、最も注目されている素材の1つです。
環境に優しい素材⑤ LIMEX(ライメックス)
LIMEX(ライメックス)とは、株式会社TBMによって開発された、炭水カルシウムなどの無機物を50%以上含む日本発の新素材のことです。
地球上に無尽蔵にあると言っても過言ではない石灰石を原料とし、紙にもプラスチックにもなるため、水不足や森林破壊、石油の枯渇に対する解決策になります。
循環性にも優れており、素材を単に再利用するだけでなく、より高い価値があるモノへと生まれ変わらせるアップサイクルも可能です。
環境に優しい素材まとめ
今回は環境に優しい素材について紹介しました。
「人類が破壊してきた地球環境を、人類の英知の結晶によって解決する」
そんな未来が来ることを望みます。
いただいたサポートは地球を守るために使わせていただきます。