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海洋プラスチック問題の現状と私たちにできること

軽くて加工しやすく、耐久性にも優れていることから、プラスチックは今や私たちの生活に欠かせないものとなっています。

ペットボトルにレジ袋、包装、ケースなど、本記事を執筆している私の視界にあるものを挙げてもきりがありません。

プラスチックの年間生産量は50年間で20倍に増えました。

しかしそのほとんどが正しく処理されておらず、今まで作られたうちのたった9%しかリサイクルされていないのが現状です。

残りの91%はどこへ行ったのか。

多くが街から排水溝や河川に流れ、最終的に「」にたどり着いているのです。

海洋プラスチック問題とは

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地球の海を漂うプラスチックは合計で1.5億トンもあり、さらに毎年800万トンが流れ込んでいるため、このままでは2050年までに海洋ゴミの量が魚より多くなると予測されています。

海洋プラスチック問題とは、海に流れ出た大量の廃プラスチックによる影響を危惧したものなのです。

世界中で対策が進められており、日本でも2020年7月からレジ袋が有料化されました。

海洋プラスチック問題の現状

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海洋プラスチックの8割以上は街で発生して海に流れ出たものとされており、主な排出源は東南アジア東アジアです。

日本はプラスチック生産量で世界第3位プラスチック輸出量で世界第2位1人当たりの容器包装プラスチック発生量で世界第2位のプラスチック大国であり、インフラが整備されていない発展途上国に輸出した廃プラスチックが、正しく処理されずに環境を汚染しているという現状があります。

国内で1年間に消費される量は、ペットボトルが232億本、レジ袋が400億枚。

国際的な問題ではありますが、日本は積極的に解決に向けて活動する責任があるでしょう。

日本のプラスチックリサイクル率は84%と世界的に見ても高く、リサイクル先進国のように思えますが、実は57.5%がサーマルリサイクルというゴミを燃やしてエネルギーに変える方法で処理されており、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素も排出しているため、資源が循環するシステムが整っているとは言えません。

サーマルリサイクルという言葉は和製英語であり、海外ではリサイクルと言っても伝わらないのです。

また、年間800万トンの廃プラスチックを受け入れていた中国が2018年に輸入を禁止したことで、日本を含め世界中のプラスチックゴミが行き先を失い、結果として東南アジアに集中するようになりました。

輸入先で処理しきれなかったプラスチックゴミが雨や災害によって海に流出し、波や紫外線によって削られて小さくなることで、日本近海のマイクロプラスチック濃度は世界平均の27倍になっています。

マイクロプラスチックによる影響はまだ未知の領域ですが、さまざまなリスクが予想されています。

大量生産・大量消費の時代を変えなければ、海洋プラスチック問題が解決する日は訪れないでしょう。

海洋プラスチックによる悪影響

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海洋プラスチックゴミはさまざまな悪影響を及ぼしています。

海洋ゴミによって約700種もの生物が傷つけられており、このうち92%がプラスチックの影響だとする調査結果もあります。

プラスチックには有害物質が含まれているため、放っておけば"毒の海"と化していくでしょう。

生き物が減って漁業や養殖業に影響が出るだけでなく、美しい海を守らなければ観光業にも大きな損失をもたらします。

アジア太平洋地域では、海洋プラスチックにより1年間で観光業6.2億ドル漁業・養殖業3.6億ドルの損害を被っているのです。

私たちにできること

私たちにできることは「発生したゴミを正しく捨てる」と「ゴミ自体を減らす」の2つのアプローチがあります。

発生したゴミを正しく捨てるとは、ポイ捨てをしない丁寧に分別するゴミ拾いをするといった活動が挙げられます。

ゴミの分別は却って環境に悪いという意見もあるので、調べて以下の記事にまとめました。興味ある方はぜひ。

ゴミ自体を減らすとは、一般的に「ゼロ・ウェイスト」と呼ばれる取り組みで、マイボトル・マイバッグを使うシェアリングサービスを利用するフリーマーケット・リサイクルショップで売り買いするといった活動が挙げられます。

日本ではあまり広まっていませんが、世界中で大流行しているので詳しく知りたい方は次の記事をどうぞ。

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