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野犬の暮らしinブータン

クズザンポーラ!
2023年8月からブータンで暮らしているがぶです。

ブータンには野犬がいっぱいいて、彼らは基本のびのび自由と生きています。今回はそんな野犬のお話をします。


ブータンの野犬暮らし

ブータンでは宗教上殺傷は良くないこととされています。輪廻転生の考えがあり、人が亡くなった後にはいずれかの生き物に転生しているとされているからです。例えば、眼の前の犬は、元自分のおじいちゃんかもしれないし、そこを飛んでる蚊もおばあちゃんかもしれないのです。また、他社に施しをすると、それが返ってくる、という考え方もあり、人に対しても動物に対しても施しの気持ちが強くあります。

川見守り犬🐾

さて、野犬の生活がどうなのかですが、基本的にブータンの野犬は食に困ってません。みんな犬に残飯をあげます。わんわん物語です。そして野犬によっては寝床や毛布を軒下に貰っていたり、お菓子をあげても選り好みして食べないくらいまんまるな犬もいます。

太りすぎて寝床狭い犬🐾

ただ野犬が食べているご飯はドッグフードではなく、人間の残飯です。ブータン料理は、大量のご飯、唐辛子、油、塩に加えて、その日のおかずである、じゃがいも、マッシュルーム、肉類、豆類、玉ねぎ、キャベツ、ほうれん草等が加わるような感じです。日本であれば、犬に唐辛子や玉ねぎ、塩分は良くないとされていますが、そんなものばかり食べているわけです。

ですが、白髪が生えている野犬もおり、人間の食べ物ばかりを食べていても長生きできるんだなぁと逆に思うところもあります。(老けるのが早いという可能性もあります。)歴史を辿れば、犬は人間の残飯を食べる事に特化して進化してきているので、ある程度の耐性はあるのかもしれません。

残飯もらい犬🐾

めっちゃ危険な狂犬病

重い話になりますが、野犬と狂犬病は切っても切れない関係にあります。
まず、狂犬病は事前のワクチンはありますが、発病後の薬はありません。発病したら確実に死にます。死の宣告です。そして犬、猫、コウモリ等多くの哺乳類が感染します。また、噛まれたり、傷口を舐められたりするだけでも感染するリスクがあります。狂犬病にかかった犬は過敏になりヨダレを垂らしながら吠えたり噛みついたり変な挙動をとるようになるそうです。犬は人間と暮らしが近く狂犬病のリスクが高いとされています。

ぶるぶる犬🐾

野犬の未来

ブータンでも狂犬病の危険性が把握され、野犬は問題になっています。ブータンでは年間数十人が狂犬病で亡くなっているとされています。しかし、国民感情として野犬を殺処分することは難しいため、ひたすら避妊手術をしています。(ジーク・イェーガー🐵の思想と同じ。)避妊された犬は耳がカットされており、一目でわかるようになっています。
※飼い犬は手術後も耳は切られないようです。ただ、完全外暮らし飼い犬と野犬の差は曖昧だと思います。
私はブータンで半年以上過ごしていますが、一度も野犬の子犬を見たことがありません。(旅行でインドに行ったときには、子犬もいっぱい見ましたので、ブータンには本当にいないと思います。)今は可愛い野犬がいっぱいいるブータンですが、10年後にはいなくなることでしょう。

耳がカットされている

日本の野犬と狂犬病

ちなみに日本でも昔は野犬がいっぱいいましたが、狂犬病のリスクから政府主導のもと撲滅されました。私は知識としてしか知りませんが、捕まえる方も噛まれたら死ぬリスクがあるので、長い棒と針金のような首輪を使って捕まえたり、場合によっては撲殺したりしていたようです。多くの犬は狂犬病ではなかったはずなので悲しい話です。しかし、現在も鳥インフルエンザが見つかれば、農場の全て殺処分などしているので人類の安全のためには変えられないという考え方は現在までずっと同じだなと思います。
ただそういう活動の成果として、日本での狂犬病発症事例は60年以上ありません。

トレッキング同行犬🐾

さいごに

ブータンの野犬達は昼間は寝て過ごし、夕方残飯をもらい、夜中に吠えながら仲間たちと駆け回る生活をしています。ブータンの冬はとても冷えるので路上で寝てる犬を見ると寒さが心配になりますが、首輪のない自由な暮らしを満喫しているようにも思います。いつも自由とリスクは表裏一体なので、自分はどれくらいリスクを負ってでも自由に生きたいのかと考えさせられます。
彼らが幸せなのかはわかりませんが、一緒にのんびり過ごしているので、日本に帰る時には寂しくなりそうです🐾

遠く見つめ犬🐾

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