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ドラえもんというBIを手放すと成長加速する話

ちょっと前にGMがこんなニュースをリリースしてましたね。

これを見て思ったこと。それはドラえもんのこと。

もはやタケコプターやん…。

僕はちびっ子の頃からドラえもんが大好きでした。漫画も読んだしTVも見ました。映画版(東映まんが祭り)も毎年欠かさず見ていたなぁ…。


【ドラえもんはのび太にとってのBI】

「本当にあんなことできたら良いなぁ」と思いながらドラえもんにハマっていたちびっ子時代。あれから時は流れて、ドラえもん的な世界観が、少しづつですが現実に近づきつつあると感じるようにもなりました。

僕たちが思っている以上に、現代既に使える「ドラえもんの道具的なもの」は沢山あります。ドラえもんが生まれたのは2112年9月3日ということになっていますが、もっと早くに、ドラえもんに描かれた世界が誕生しそうな気配…。

で、最近思うこと。それは

「ドラえもんって、今話題のBI(=ベーシックインカム)のメタファーかも」

ということなんです。


【BI(ベーシックインカム)ってなに?】

BI=ベーシックインカムという言葉は随分と一般的な言葉になってきましたよね。おさらい的に、「ベーシックインカム」ってどんなものかというと…

国民の最低限の生活を保障するため国民に現金を給付するという政策行動( Wikipedia)

主なメリット(抜粋)

貧困対策 少子化対策 地方の活性化 労働意欲の向上 余暇の充実 

 このように定義されています。国民全員が無条件に等しくお金をもらえる政策によって、僕たちの目の前にある様々な「お金があればできるのに…!」という課題を解決しやすくするという狙い。

ドラえもんの歌の有名な歌詞に

こんなこといいなできたらいいな あんな夢こんな夢いっぱいあるけど みんなみんなみんな叶えてくれる 不思議なポッケで叶えてくれる

という部分があります。この「あんな夢こんな夢」を叶えるには、リアルに考えるとお金がかかる…。実現実行が難しい。そんなあれこれの実現を叶えてくれるポケット(≒機会)を持っているのがドラえもんです。

困ったことを助けてくれる。意欲を与えてくれる。元気付けてくれる。眼前に現れるあらゆる課題を解決するための機会を与えてくれるドラえもん。

そうすると、ドラえもん≒広い意味でのベーシックインカムだなぁ…と。

 

【ドラえもんというBIでのび太はどうなったか?】

ちびっ子の頃はただただドラえもんの「未来の道具」にワクワクしながら漫画を読んでいました。純粋に楽しかった。

で、いろんな感想を持つわけですが、当時思ったことを振り返ると「あぁ、のび太バカだなぁ。せっかく道具あるのに調子にのるからダメなんだよ!」的なことをよく思っていたんですよ。

ドラえもんの道具を悪用したり、使いすぎたりして結局自分の首を絞めてしまうのび太。かなりの話でそういう「オチ」ありましたよね?

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のび太がこの顔になった回は、大抵最後に泣いています(笑)

結局のび太はドラえもんの登場によってどうなったか?人間的には大して変わらなかったんだと思うんですよね。うん。むしろ色々助けてくれるから、余計ダメ人間になった部分も否めないし、変に過信してるように見えた時も多い。 

ちなみにドラえもんはなぜ22世紀の未来から現代にやってきたのか?それは未来の野比家が、のび太の残した莫大な借金に苦しめられているので、それをなんとかするためにセワシくん(野比家の末裔)がドラえもんを送り込んだ…。

こんな設定だったりするのです。何だか「Back to The future」ぽくもあり。


【未来への投資で人ものび太も成長する】 

メディアアーティストの落合陽一さんが書いた「デジタルネイチャー」という本があります。

この中でBI的思考や、文脈上対極にあるVC的思考について書かれている部分があります。これについて徒然なるままに図式化してみたことがあります。

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のび太はどの位置にいたのか?間違いなく上半分ではないですね(笑)
しかし標準・従順でもない。漫画の設定から「人や動物への優しさ」は読み取れます。すると一番近いのは左下の「マイルドヤンキータイプ」。

これがドラえもんの登場によって変わったか?前述の通り、あまり変わってない。

でものび太が本気で立ち上がった時、大きく成長し実に良い大人になります。この「本気で立ち上がった時」とはいつのことか?諸説ある「ドラえもんの最終回」に、この瞬間を読み取ることができます。

この中でも一番多くの人の心に残ったのは非公式の最終回「タイムパラドックス編」ではないでしょうか?

電池が切れてしまって動かなくなってしまったドラえもん。でも耳を無くしてしまったドラえもんは、電池交換をするとこれまでの記憶が無くなってしまう。記憶を無くさずに再び動かすためには、新しいバッテリーを開発する以外に方法がない。でも現代にはその技術はまだ存在しない…。結果、のび太は「自分がその技術を開発して、必ずドラえもんをもう一度動かす!」と決意するわけです。

そして研究者の道を歩もうと決意。のび太はそこから猛烈な成長を見せるのです。

非公式最終回以外でも、最終回の共通点は以下の2点です。

 ①ドラえもんはのび太の前からいなくなってしまう
 ②のび太はドラえもんとの別れを機に努力・成長を始める

僕たちの不安や不満が0になることはそうそう無いかもしれません。でも、それにしても随分といろいろなことがローコストで(かなりのものが0円で!)できるようにもなりました。まさに「あんなことやこんなことができる」時代になった!と言われて久しいわけです。

でも、それは同時に僕たちの生活を受け身にしたり、思考停止にしている感も否めません。自分のために道具を使いたいだけ使っていたら、巡り巡って痛い目を見ることも…。

🔸「あんな夢 こんな夢」は自分の為・消費だけだと良いことなさそう
🔸不自由さ・制限・危機から超具体的に描けたイメージが夢に変わる
🔸夢やイノベーションには強いショックが必要な場合もある
🔸「あんな夢 こんな夢」は持つまでの過程が大切になりそうな未来 

ドラえもんがいた頃ののび太は、結局自分のための願望が殆どです。いよいよ別れの時が来て、激し動揺と悲しみから「このままじゃいけない!」と決心する。「もう一度ドラえもんを動かす」と超具体的なビジョンができて、未来を見る。そういう時に本当の成長がある。

のび太のように「あんな夢こんな夢叶えてくれるドラえもんが欲しい」から「そのドラえもんをボクが作ろう!」への変化が大事。先のデジタルネイチャーの図で言えば、のび太は一気に反対側に渡ったわけです。

★BIもらうよりもBI的仕組みを作る
★何のために?明確にあることが大切(≒当事者への転換)
★もらう・受け取るは良いことだけど思考停止に気をつけて!
★「消費する人」から「生産する人」になるとモテそうだし夢がついて回りそう

コロナで金融は更に異次元へ。BIも本格検討?そんな時にこそ「手放す」に思いを馳せるのは、未来を作る大切な機会かも。


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