はじめに

6年前、母が若年性アルツハイマーだと診断されました。



その診断を受けたときは、数ヶ月前からおかしいと思う行動がいくつもあったので、やっぱりなという冷静なものだったように思います。
でも心のどこかで、違ってくれと思っている自分もいました。



仕事で一緒に住んでいなかったし、まだまだ頑張りたいと思っていたときだった。
一人っ子で、父は仕事をまだしていたので、単純に労力を分け合える人が少なかった。ここからどうなっていくのか、不安と思えないくらい不透明な未来だけが目の前にありました。



それでも私は6年経ち、今を生きています。時々うつむき、時々前を向いて。



当時私は28歳で、そんな経験をしている友達なんて周りにいませんでした。



周りに比べてなんて不幸なんだと思うこともないわけではないけど、どうにもできない悲しみがあることを知れたことは、人と接するにあたって、自分にとってとても良かったと思っています。



だからここでは、自分が何を思い、どう過ごしてきたのか書くことで、何か苦しみを抱える人の、閉じこもった硬い殻に1mmでも穴をあけられたら、と思っています。そしてそれが自分のためになる。



あとは、昨年に癌が骨に転移していると診断された、母との残りの日を記録として残したいと思います。本当はこっちが主目的。



綺麗事にするつもりはなく、ありのままを。もちろん暗くするつもりも真面目だけにするつもりもありませんが、とりあえず初めてはきちんと。


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