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全ビジネスパーソン必読書「隠れたキーマンを探せ!」をまとめてみた

久しぶりのnote執筆です。
今回は、読んでみて非常に学びが多かった
「隠れたキーマンを探せ!」の要約をします。

本書は、「チャレンジャー・セールス・モデル」の続編として2018年12月に発行されました。

セールスをしている人のみならず、
B2Bビジネスに携わる全ての人に読んで欲しい。
そんな思いから、執筆に至った次第です。

なお、本書は大変ボリュームのある内容のため、自分なりに特に重要だと思った点をピックアップしています。
(追記:それでも、かなりのボリュームになってしまいました...本当に概略だけ知りたいという方は7.まとめをご覧ください)

では、早速内容について触れていきます!


1.サプライヤーが接触すべき「隠れたキーマン」とは?

本書では、顧客の購買活動に焦点を当てるところから話が始まります。
・顧客内部で多様な購買関係者が関わっている
・平均で5.4人もの関係者が存在する
・それが基となり引き起こす「質の低い販売」
・コンセンサスを取ることが非常に難しい

こうした理由から、サプライヤーが顧客の購買活動を支援する必要があると書かれています。
そして、顧客が上手に購買活動するための「隠れたキーマン」をモビライザーと呼んでいます。
では、モビライザーとはどのような人物か。

本書では顧客関係者を以下の7つのタイプに分けています。

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このうち、モビライザーが下記の3タイプ。

ゴー・ゲッター(やり手)
・他者の良いアイデアを支持する
・常に求められる以上の成果を出す
・ミスから学び、進歩する
ティーチャー(教育者)
・新しい知見を教える
・同僚や幹部から意見を求められる
・他者の説得がうまい
スケプティック(懐疑者)
・不透明なプロジェクトを危険とみなす
・影響力の強い関係者を
 破壊的なアイデアに備えさせる
・変革にはまず小さな成功が必要と考える

このモビライザーに対してサプライヤーは
「指導」「適応」「支配」する必要があります。

①(モビライザーが)
どこで学べばよいかを「指導」する
②(サプライヤーが)
それぞれのタイプに「適応」する
③(モビライザーが)
合意形成プロセスを「支配」できるよう導く

3章以降で上記の具体的方法について
まとめていきます。


2.モビライザーを振り向かせる「コマーシャルインサイト」

本書での調査により、顧客がサプライヤーと接触するタイミングでは、その購買進捗度は57%にまで達していると判明しています。
・ニーズの特定や優先順位付け
・ニーズを満たすために必要な能力の選定

・能力を提供できるサプライヤーの特定...
この辺りは既に顧客内での議論がなされた上でサプライヤーと接触を図っていると書かれています。

そこで必要なのが顧客の思考を変えさせること。

必要な手順はこちら

①モビライザーの注意を惹きつける
②行動変革を支持したいと彼らに思わせる
③共通のビジョンのもと、他の4.4人の支持を集めさせる
④そのビジョンをきっかけに、顧客にサプライヤー独自のソリューションを想起させる

これこそが「コマーシャルインサイト」
顧客の中で固まっていた方針を忘れさせるためのコンテンツです。

下記は「忘れさせる」のに有効な情報について

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チャレンジャー・セールス・モデルでも、インサイトを与えることが重要と書かれていましたが、その深部にあるのが「コマーシャルインサイト」
そして、このコンテンツは「そのサプライヤー(自分たち)だけを想起させる商談直結型のメッセージ」であることが必要です。

まずは、インサイトの作り方について

①我々は何が得意か?
製品/サービスの特徴やベネフィットだけではなく、
そのソリューションを取り囲む様々な能力が対象。
幅広く考える。

②我々だけが得意なのは何か?

同じく製品/サービスに限った話ではない。
事業を行う上で優位に立つ条件(ヒト/モノ/カネetc.あらゆる面)から自社独自の強みを導き出す。
※ここが一番難しい

③我々独自の強みのうち、持続可能なものはどれか?

「独自の強み」は簡単に真似できないものであるべき。
真の差別化要因は原則として
「ユニーク」「有益」「防御可能」そして「持続可能」である。
下記は差別化要因にならない
・市場で一般的な特徴やベネフィット
・製品が生み出す結果
・曖昧な記述や使い古された記述

そして、作り上げたインサイトを基にした
「コマーシャルインサイト」の作り方がこちら

①我々ならではの持続可能な強みは何か?
上記のインサイトで出した要因。

②独自の強みの中で、顧客によく認識されていないものはどれか
ここで重要なのは、「よく認識されていない」強み。

③顧客が自身のビジネスについて十分理解していない点(そのせいで我々独自の持続かのうな強みに気づいていない点)は何か?

サプライヤーのビジネスではなく、顧客自身のビジネス。
顧客が何を見逃しているかという視点が必要。

④顧客のビジネスについて何を教えてあげれば、彼らの現在の認識を変えられるか?

下記のような問いが導かれると、成果が高まりやすい。
・我々の言い分に確実に納得させるには、どんな証拠データが必要か?
・我々の「立証責任」はどの程度あるか?
・その証拠のうち、どれくらいが手元にあるか?
・手元にない証拠をどこで、どのように手に入れればよいか?

この一連の作り方に関しては、実例を基に説明した方がわかりやすそうです...
本書には下記企業の実例が書かれています。
「デンツプライ(P153〜165)」
「ゼロックス(P178〜199)」 

(具体例に関してはすべて割愛することにしました...すみません!)

ここまでが、モビライザーに接触する前の準備段階。
次章以降、「指導」「適応」「支配」のステップをまとめています。


3.モビライザーへの「指導」

モビライザーが学ぶ場所を見つけるのは非常に難しい。
そして、何より重要なのは「場所を見つけること」より「振り向かせ、関わりを深めること」である。と本書では書かれています。

その為に必要なコンテンツが
「SICコンテンツ戦略」
※刺激・導入・直面(Spark・Introduce・Comfront)の頭文字

SICコンテンツを作る上で重要なルール

ルール①
全てのコンテンツはコマーシャルインサイトに
何かしら繋がっていなければならない
ルール②
それ自体が型破りでないコンテンツは、
型破りなコンテンツに直接結びつかなければならない
ルール③
それ以外のコンテンツは破棄しなければならない
あるいはそもそも作成してはならない

このルールを守りながら、モビライザーを「指導」するコンテンツを作成します。

コンテンツの作り方については以下の通り

①型破りなアイデアの探求を「刺激」する
コンテンツを通してモビライザーのメンタルモデル再考のきっかけをつくる
・「そんな風に考えたことはなかった...もっと知る必要がある」
・「まだ眉唾な感じもするけど、おもしろくはある...もっと聞かせてもらおう

②型破りなアイデアを「導入」する
合理的ば証拠を示し、感情に訴えかけて顧客の思考の枠を破る
・「概念的にはよくわかった...一般論としてはそうかもしれないけど、うちの分野/ビジネスではどうだろう?」

③型破りなアイデアに「直面」する

痛いところを突き、「変わらないことの痛みは、変わることの痛みより大きい」という感覚を身に染みさせる
・「えこんな問題が!?解決方法を学ばないと」

再度書きますが、重要なのは「チャネル」ではなく、「コンテンツ」

ここに関しても、実例が書かれています。
「デンツプライ(P216〜P219)」
「ゼロックス(P219〜223)」
「スマートテクノロジーズ(P224〜P227)」


4.2種類の「適応」

まず初めに注意点を書きます。
それは、顧客の肩書きや年功が、モビライザーの予測材料として統計的に意味をなさないということ。

成果を出したければ、どんな取引でも
「シニアリーダー探索ゴーグル」を外し、
「モビライザー探索ゴーグル」をつけなければならない。
(P249から抜粋)

その前提を踏まえた上で、2種類の「適応」
モビライザーの特定3つのタイプに対する適応についてまとめています。

まずは、モビライザーの特定から。

モビライザー適性診断

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各タイプの詳しいプロファイルについても記載がありました。
詳しくは下記該当ページにて...
「モビライザー(P239)」
「トーカー(P241)」

モビライザーが特定できれば、あとはそのタイプ毎に適応していきます。

「ゴー・ゲッター」対応ロードマップ

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「ティーチャー」対応ロードマップ

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「スケプティック」対応ロードマップ

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この2種類の「適応」は、
まさに人が介在する価値ですね。
セールスは面白い仕事であると再認識。

急にスピード感上がった気がしますが...
「適応」のステップは以上です。


5.コンセンサスの「支配」

「指導」「適応」と来て、残るは「支配」
顧客内でモビライザーがコンセンサスを取れるよう支援していくことが重要になります。

本書では、「質の高い販売」を勝ち取るための統計的に優位なドライバーが「コレクティブラーニング(集団学習)」であると書かれています。

コレクティブラーニング(集団学習)とは...
関係者がお互いの考え方について話し合い、これを参考にし、まだ認識されていない合意ポイントを探り、共通の意思決定に達することで、社会的規範を築こうとする相互作用プロセス
(P267から抜粋)

言い換えると、
顧客関係者の集団が避けなければならないはずの断絶を克服し、一緒に学習する能力のこと。

この手順は、下記のように書かれています。

①関係者の懸念や不安をとことん探る
・我々の心配事は何か
・知っているべきなのに知らないことは何か
・何が足りないか
・まだ話し合っていないことは何か

②断絶や対立を率直に明らかにする

・見解の相違から逃げない
・議論を避けない
・問題点や相違点に向き合い、それらについて積極的に話し合う

③問題を探り、別の見方を検討するのを互いに厭わない

・関係者が別の視点を積極的に検討する
・様々な角度から選択肢を徹底調査する
・「やり終える」ことを急ぐのではなく、話し合って「正しくやる」ことを目指す

④見過ごされているかもしれない相互依存を積極的に明らかにする

・幅広い行動を吟味、検討し、自らの意思決定が組織の各所に及ぼす微妙または意外な影響を知ろうとする

⑤合同決議を成立させること

・反論や懸念を置き去りにせず、これに対応して、全参加者が討議結果を支持するように導く

これらの実例についても書かれています。
「シスコ(P300〜306)」
「マルケト(P307〜314)」
「スキルソフト(P314〜322)」

これまで度々登場してきた「モビライザー」
そのモビライザーでも、コンセンサスを取ることにおいては限界があります。
そこで必要になるのが、サプライヤーの関与。

ポイントは以下の通り

原則①
サプライヤー主導のコレクティブラーニングは、プレゼンテーションだけでなくファシリテーションを必要とする

原則②

サプライヤー主導のコレクティブラーニングは、プロンプティング(鼓舞)だけでなくバウンティング(境界画定)を必要とする

原則③

サプライヤー主導のコレクティブラーニングは、リスニングだけでなくコーチングを必要とする

この原則を守り、モビライザーに購買のコーチをしていくこと(=コマーシャルコーチング)こそが購買プロセスを「支配」することになるのです。

そのコマーシャルコーチングを合意形成の枠組みに落とし込んだものがこちら

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モビライザーのタイプ毎の注意点はあわせてまとめましたが、フェーズ毎の注意点も本書には詳しく記載されています。詳細はそちらで...
「合意形成の枠組み(P288〜296)」

6.チャレンジャー・コマーシャル・モデルへの移行

いまのB2B販売で成功を収めるには、顧客組織の中に「チャレンジャー」が必要である。それが本書の大前提だ。結局、ソリューション販売に伴うサプライヤーの苦悩より、ソリューション購買に伴う顧客の苦悩の方が、より深刻な問題なのだ。
(P336から抜粋)

この問題を解決するためには、新しい市場参入戦略が必要。
それが「チャレンジャー・コマーシャル・モデル」

考え方については、これまでの話で出てきましたので
ここでは移行に際しての注意点をまとめます。

誤解しやすい影響がこちら

影響1-需要創出
従来の「BANT条件」を基にしたリード管理は役に立たない
必要なのは「需要のモビライズ」である

影響2-マーケティング人材
デジタルスキルよりもコマーシャルインサイトを創造・展開するためのスキルが重要

影響3-ソーシャルセリング

一方的なブロードキャスティングではなく、モビライザーの学びを促す「ソーシャルティーチング」を提供しなければならない

影響4-「ブロッカー」への対応

「ブロッカー」を無視するのではなく、積極的な対処が重要

影響5-販売プロセスと機会計画(オポチュニティプランニング)

サプライヤーのステップではなく、顧客の正しい購買活動を引き起こせるかを踏まえたものでなければならない

これらの詳細はぜひ読んでいただきたい内容です。(といいつつ、書く気力はなかったです...)
「影響1-需要創出(P339〜356)」
「影響2-マーケティング人材(P357〜366)」
「影響3-ソーシャルセリング(P366〜371)」
「影響4-ブロッカーへの対応(P371〜381)」
「影響5-販売プロセスとオポチュニティプランニング(P382〜401)」

(おまけ)影響5-販売プロセス
チャレンジャー・セールスプロセスの顧客進捗目安(サンプル)

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7.まとめ

ここまでお読みいただいた方は全体像の整理として、概略だけ掴みたい方は大まかな構成についてご確認いただければと思います。

①なぜ「隠れたキーマン」を探す必要があるのか
・購買に関わる関係者の増加(平均5.4人)
・それに伴い生じる「質の低い販売」
・それを解決するために顧客の考えを変革する

②「隠れたキーマン」は誰なのか
・顧客内部で信頼されている人物(=モビライザー)
・モビライザーの3タイプ
 「ゴー・ゲッター(やり手)」
 「ティーチャー(教育者)」
 「スケプティック(懐疑者)」
・タイプ判別に肩書きや年功は統計上参考にならない

③モビライザーへの接触
・モビライザーを振り向かすコマーシャルインサイト(=自分たちだけを想起させる商談直結型のメッセージ)
・コマーシャルインサイトを基にしたSICコンテンツ戦略(刺激・導入・直面)
・重要なのは、チャネルではなくコンテンツ

④質の高い販売に向けて
・モビライザータイプ毎の対応(=対応ロードマップ)
・顧客内でのコレクティブラーニング実施
・モビライザーを支援するコマーシャルコーチング

こんな感じでまとめました。


最後までご覧いただき、ありがとうございました!
次回以降の予定は未定です! もっと腕磨きます...!

終わり

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カミナシというB2B SaaSのスタートアップでセールスやってます。 座右の銘は、昨日より今日を楽しむ。 日々学んだこと、感じたことを呟きます。