大学中退してまで入った会社の社長が死んだ話
初めての投稿がこんな内容でいいのか…
という葛藤の中、5年越しに片付いたことがあったので厄落としも兼ねて投稿します。
全3回程度で行き当たりばったりだと思いますがお付き合いください。
アルバイト
私がその会社(以下T社とする)に入社(アルバイト)したのは2016年6月、夢も無く敷かれたレールの上を走るかのように進学した大学の先輩の紹介でした。
内容は建設現場の雑用係。
解体工事で出た産廃ゴミをまとめて右から左へ持っていく(重いし長袖)お仕事だったり、住宅の2階に石膏ボード(かなり重い)を運ぶ仕事だったり。ときには駐禁取られないように車で待ってる(天職)なんて仕事もありました。
当時は最低賃金が時給800円程度の中で1000円から夜勤で1500円もらえる建築会社のバイトはとても稼げて貧乏学生だった僕は毎日のようにシフトを入れて出勤していました。
ある日仕事終わりにバイト先の長場さん(現場監督のようなもの)から
「あなたよく働くからうちで就職しない?」
と言われ、夢も無く惰性で行っていた大学に飽き飽きしていた僕は、泥臭くもお金がたくさん(大卒初任給程度)もらえる世界は魅力的に映り二つ返事で面接の約束をしてしまったのです。
正社員
面接場所は昔炭酸飲料の工場だったというビルを改装した一部屋に事務所があり社長との面接でした。
レトロでとてもいい事務所だったなと今でも思います。
一企業の社長と会うのなんてこれが初めてでとても緊張してドアをノックしたのを覚えています。
社長(以下Wとする)の第一印象はわっっっか(若い)でした。
32歳でかっこよく、腕には高級時計。
よく雑誌とかに載ってるやり手の若い社長の見た目そのものでした。
面接の内容は覚えてないです。ただ一つ覚えてるのは「あなた頭いいでしょ、経理やってよ」と言われたことは覚えてます。
何も覚えてない面接を経て2016年8月に経理として入社しました。
まず最初の仕事は請求書の整理、入出金簿の作成でした。
当時経理はWの奥さんと税理士(決算業務のみ)がやっていたとのことでしたが奥さんと離婚しその後はWが経理をやっていたため内容はお粗末(ほんと酷い)なものでした。
なぜこんなことになっているのかを紐解くためにT社がどういう会社かを説明したいと思います。
2015年度決算5期目
年商3億円 従業員数4名(少数精鋭)外注職人(お抱え)10名
事業内容 住宅設計施行・事業用木造建築物の設計施工・大工請負業
会社の発足理由 大工として活躍していたWの独立
というようなよくある(お抱え職人は多い方?)小規模の工務店でした。
特定建設業は取っていないものの一般建設業の範囲で順調に業績を伸ばしてる会社でした。
また職人(大工)を10人抱えてることと、W自身が職人だったことも仕事が舞い込んでくる要因の一つだったと思います。
ただ経営の経験は初めての職人社長というワンマンでどんぶり勘定もいいとこの会社でした。
そしてそんなぐちゃぐちゃの状態の帳簿を税理士の先生(神様)の協力のもと綺麗になったところあることに気づきます。
税金の滞納
普通であれば帳簿に載るはずの税金が支払われた形跡が予定納税と言われる税金の先払い以外見当たらないのです。
所得税や市民税、厚生年金費に至るまで。
お金はあるのになぜ?状態でした。
それを社長に問い詰めてみると出た回答が
「払う必要あるの?」
そのときやっと私は『やばい』会社であることを認識できました。
当時経理を担当していた奥さんの言いなりで払うものを払っていたので何も問題ありませんでたが、それはもう過去の話。
その損な役回り(払わなくていいと思ってるものを払わせないといけない)を私がしないといけないんだと感じたのを覚えています。
そんなこんなで四苦八苦しながら経理をやっていた1年後ある出来事が起きます。
建築バブル
東京オリンピック開催のための建築ラッシュが起き、私がいた地方でもその特需の恩恵を受けていました。
そしてある建設会社からその後の未来(私を含めた登場人物全ての未来)を左右するプロジェクトの依頼が来ます。
『外国人富裕層向け別荘26棟の建設』
1棟4500万円の高級別荘が26棟も依頼が来たため社内は狂喜乱舞です。
ただこのとき気づくべきでした。従業員5名の地方の零細企業に管理しきれる量ではないと。
全体工期は設計期間半年 1年目13棟 2年目13棟の合計2年半の計画でスタートしました。
が、結果から言うとこの計画はすぐに破綻します。
設計は元請け、施工をT社で請け負うという形でスタートしましたが相手は外国人。
意思疎通や文化の違いで設計が長引き、かかった期間は1年。
これが日本人相手であれば設計期間が伸びたので工期延長を申し込むのが普通(一般論で契約書による)です。
ただ相手は契約上手の外国人。
契約書内には設計期間の延長は認めず工事期間の延長は認める旨が記載されていました。
それを盾に工事が始まってもいないのだから全体工期は延長できない。なぜなら設計期間の延長は認めていないからととんでもない暴論を言い出したわけです。
※上記について私が契約書を見たわけではないので元請けが嘘をついてる可能性もあります。
そうしてスタートから転けてしまったこの計画は26棟を1年半で建てないといけない地獄の現場に変わっていったのです。
初めての投稿で駄文失礼しました。
興味を持って次を読んでいただけると嬉しいです。
また次の投稿は近日中に。