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【ドル高円安基調再開か】2024年vol.28 7月15日週振り返りと7月22日週見通し

※7月22日週見通し・戦略は有料(¥200)となります。途中でシナリオを追記する可能性はありますが、頻度は不定期・更新しないこともございます。

最近は週末に飛び回る機会が多く、今週末も東京に行っております。再来週は新潟、その翌週からはお盆で福岡や宮崎に帰省する予定ですので、もし福岡や九州でお会いできる方いらっしゃれば、ご連絡ください。ご飯でも食べましょう。

日本はお盆がありますが、海外ではバカンスという文化があり、欧米では2週間から1か月にかけて長期的な休みを取ります。これは相場にも多少影響します。過去に”枯れ場”と表現してきましたが、取引量の減少、今年も半分終わることによるポートフォリオの調整(決済)により、株価が上昇していれば下落になりやすい、為替であれば投機的に買われすぎや売られすぎた通貨も調整しやすい相場になります。この調整局面に加えて、ファンダメンタルズ要素があることで、より調整しやすい環境にありますので、そのあたり含めてお伝えできればと思います。

その前に先日起こったマイクロソフトでのWindowsでの更新不具合について、これはクラウドストライク社セキュリティーソフトに問題があったようです。これにより世界中でシステム障害が起こり、飛行機が飛ばなかったり、USJではPOSシステムが動かずにモノが買えない事態になっていたようです。現在は解決に向かってあり、サイバー攻撃とは関係ないようです。一つの不具合でこれだけの障害が起こるのは、集中管理の脆弱性を改める機会にもなったと思います。ひとまず安心ですね。


米経済

米材料①米小売売上高7/16(火)

総合 前月比0.0% (予想-0.3% 前回0.3%)
コア 前月比0.4%(予想0.1% 前回0.1%)

最近は高金利下による労働市場の冷え込みを受け、個人消費が緩やかな減速の兆候を示していましたが、今回は個人消費がなお持ちこたえている印象を与える結果でした。

特にコントロールグループと呼ばれるGDPの算出に重要な指標が前月比+0.8%(予想0.2%)と上昇し.一時金利高になりましたが、金利安圧力に戻されています。しかし、景気減速に対しては楽観的に働き、株価は安定の動きとなりました。

13項目のうち、マイナスとなったものにガソリン販売が含まれており、最近の原油価格の落ち着きが反映されているので、米消費の底堅さが見て取れます。

過去1年間 原油価格



米材料②FRB高官発言


パウエル議長:最近のインフレ指数や雇用状況から、物価上昇ペースがFRBの目標とするところまで近づきつつあるとし、いくつか確信を強めるものだったと利下げに対して強気な姿勢を示しました。しかしソフトランディングになるかもしれないし、ならないかもしれないとあいまいな表現にとどめました。2026年までの任期を全うする姿勢も示し、トランプ氏もFRB議長を変える意向をしめしていないです。

その他のウォラーやクーグラーらの発言からは、ソフトランディングを肯定する意見が増えてきたものの、過度に期待できるものではないとし、年内利下げの織り込みに慎重になっている印象を受けました。


米材料③ほぼトラ(ほぼトランプさん当選)


結論は現在のトランプさん当選予測が株や為替に影響を与える規模はそう多くないが、他の要因のアシストになる点は無視できないと考えています。

トランプさんの政策内容で注目しているのは、関税の引き上げ、移民問題へのテコ入れ、減税、他国通貨安嫌気です。詳細は省きますが、トランプさんは他国が稼ぎすぎることを良しとせず、自国企業の力を強めることに特化しようとします。例えば日本企業が円安で輸出して売りまくっている状況は前回の大統領時にも指摘しており、今後円安抑制や関税引き上げをされると日本企業・日本株にはそれなりの打撃があることも想定されます。

関税引き上げや移民問題へのテコ入れ、減税は物価高を引き起こすリスクがあり、米金利の高止まりにつながる可能性が考えられます。しかし、その場合のGDP成長率は停滞され、米消費は低下するので、米金利安も同時に想定されます。

現状トランプさんの当選は、為替に関して言えば”米金利のある程度の下支えに寄与する”、株に関しては”夏の枯れ場もあるので、不透明さから株の上値の重さに寄与する”と考えています。


米金利

現在の米金利は年内2回以上の織り込みに向かっており、3回目を半分くらい織り込む程度に米金利安になっています。これは年内に利下げ3回を予想しているというわけではなく、今後の利下げに向けた米国債需給の改善から、米国債買いが米金利安に寄与しているもの思われます。

7月15日週の米10年金利チャート


米10年金利日足チャート

そろそろ短期的には米金利安を織り込んでおり、先週の生産者物価指数、今週の米小売売上高の指標結果から、あまり米機金利安を折り込みに行き過ぎることへの警戒感もあります。トランプさん当選に関しても米金利の下支えになると考えているので、インパクトのあるイベントがない限り、これ以上の米金利安は難しいと考えています。


米国株

NYダウ 40,138.40→40,287.53 +0.72%
ナスダック 18,485.91→17,732.65 -3.61%
S&P500 5,639.75→5,505.00 -1.97%
ラッセル 2,167.40→2,182.65 +1.60%

7月中旬にもなり、枯れ場っぽい展開になってきました。週前半は米小売売上高が堅調だったことから、利下げもできるし消費は底堅いなら企業成長も期待できるとの観測で、株にはプラス要素でした。しかし、米金利安の織り込み、トランプ大統領就任後の半導体業界への打撃観測、今年上昇分の吐き出しにより、厳しい展開となっています。

その他決算は、ゴールドマンサックスやブラックロック、バンクオブアメリカも好調な決算でした。これだけ株価上昇、債券以上も復活してくれば、そうだよねという内容です。

半導体のASMLやTSMCは、ASML見通し×、TSMCはALLクリアと、せめてTSMCでも上昇かと思いきや、トランプさんの対中規制強化によって下落しています。ASMLやディスコは15%以上の下落です。

NYダウ 日足
ナスダック総合 日足

日本経済

日本の6月消費者物価指数は総合2.8%、コアコアは2.2%となりました。昨年のピーク時には4%あったインフレ率は徐々に低下しつつあります。現在の物価推移は安定しており、現状利上げの必要性も感じません。近いうち実質賃金もプラス域になりそうです。

河野大臣が円安に対して利上げが必要との発言がありましたが、インフレや景気状況見ても利上げなんてできないでしょう。

日本株も調整局面であり、トランプさんの影響もあって下落基調になっています。年初33000台ですので、38000までの調整くらいみい据えておいた方がいいと思います。


ドル円

7月15日週ドル円レンジ 155.400-158.900
終値 157.900付近

ドル円は先週為替介入?や米金利安によって、162円付近から157円付近まで落とされ、特に7月15日週では17日の欧州時間以降が円高となっています。この下落は、米国による対中半導体規制、それに伴う日経下落に釣れた円高、FRB高官による利下げ肯定的な発言など、いくつもの要因によるものです。

日米金利差によるドル円キャリートレードは今後も材料になると思いますが、2022年に始まった米利上げサイクルは一巡し、次は利下げフェーズです。しかし米経済の強さにより、米金利はある程度の水準で保たれるイメージはみなさんもあるでしょう。中立金利が急激に低下する事態にならないことを祈るばかりですが、そういった有事がなくとも、時期大統領候補のトランプ氏、日本インフレによる段階的な利上げなど、円高要因も割と現実的に思えます。その場合ドル円は140付近まで落ちてきてもおかしくないとは考えています。

来週や来月にそういった動きがある具体的なイメージではないですが、円安がいつまでも続くとも思えないかなと考えています。日本の低金利政策が持続的な円安を誘導していますが、トランプ氏のドル高抑制。日本の利上げが視野にはいると逆回転する可能性も想定が必要です。日本の物価や賃金動向には注視していきます。


ユーロドル

7月15日週レンジ 1.08700-1.09500

ユーロドルは米金利に素直な動きとなり、週後半で米金利が反発したことから、ユーロドルの週足は小幅となりました。

ECB政策金利は金利を据え置き、ラガルド総裁の発言からも今後のヒントになる材料は得られなかったことから、ユーロドルの材料にはなっていません。しかし、関係者らのリークにより、タカ派なメンバーさえも9月の利下げを支持していることが囁かれており、ドル高やテクニカルが崩れると今後下落しやすいと考えております。


7月22日週見通し・戦略

米国経済

<指標>
※ブラックアウト期間によりFRB発言なし
7月23日(火) 米中古販売戸数
7月24日(水) 米PMI確定値
7月25日(木) 米GDP・GDPdeflator(2Q)
7月26日(金) 米個人消費支出PCE

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