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新しい職場で信頼関係を一瞬で築く“ステート・マネジメント”

こんにちは。
㈱ヒューマンリソースマネジメント研究所
なつカウンセリングルーム 代表
土肥なつみです。

「人生を彩る居場所をつくる」を理念とし、
企業研修・カウンセリング・人材育成コンサルティング等を行っています。
私の自己紹介はこちらのマガジンをご覧ください。

先日、セミナーで「信頼関係をつくる」をテーマにお話をしてきました。
なんとなく、他にも同じことで悩んでいる人がいるような気がしたので、
今日はお話しした一部を共有したいと思います。

前の職場では部下・スタッフ・同僚とすごく上手くいってて
コミュニケーションがしっかり取れていたのに、
部署異動や転職などで新しい職場にかわったら、急に上手くいかなくなって何となく職場で浮いてしまっている。

今までとコミュニケーションのスタイルは変えてないのに、どうして?

皆さんもこんなお悩みありませんか?
もうすぐ年度末。新しい部署に配属になる、職場が変わるという方も
多いかと思いますので
今日は“信頼関係を作るステートマネジメント”をテーマに
お話したいと思います。

非言語としてのステート・マネジメント

みなさんは普段職場で
「この人と一緒にいると何となく気持ちいいな」とか
「この人には質問しやすいな」
と思う人はどんな人ですか?
1~2人想像してみて下さい。

その人達に共通していることがあります。
それは「ステート・マネジメントが出来ている」ことです。

ステートについてはこちらの記事で詳しく記載してますので
良かったらご参考になさってください。

ここでは掻い摘んで説明します。

・「ステート」とは「心の状態」や「ありさま」といった
非言語を表す用語。
カウンセリングやコーチングなどで用いられることが多い。

・傾聴の際、このステイトを相手が持つ約1.5倍(-1.5倍)
にするのが良いと提唱されている。
(相手が楽しい話をワクワクしながらしてきたら、自分はその1.5倍
ワクワクニコニコしながら話を聴く。
そして相手が悩んでいる話を辛そうにしてきたら、自分はその-1.5倍
辛いステイト、しかめっつらで話を聴く。)

例えば朝の挨拶。
オフィスの廊下ですれ違う時やエレベーターで挨拶をしますよね。
どんな風に「おはようございます」の声掛けをしていますか?

この時にステートを意識します。
相手の1.5倍の高さのステートで「おはようございます」と
声をかけてみてください。
こうすることで相手は「心地よいな」「話しかけやすいな」
と感じることができると言われています。

元気がないのは論外ですが、実は元気があればOK、
という訳でもないんです。

皆さんの職場にももしかしたらいらっしゃるかもしれません。
「アイツ…元気はいいんだけど…なんかウルサイんだよなぁ…」
「元気なんだけど…クドイんだよなぁ…しんどいんだよなぁ…」

って言われてしまう人。

これは相手とステートが合っていない可能性が高いです。
(相手のステートに対して5倍とか10倍とかで返してしまっている)

コミュニケーションの基本は常に“相手ファースト”です。
相手が今、どんなステートなのかを察知し、それを基準として1.5倍で返す。
卓球みたいなイメージを持ってもらうと分かりやすいと思います。
このステート・マネジメントで相手との距離がグッと縮まり信頼関係を得やすくなります。

ステートは個人間に限った話ではない

店舗で働いている時から何となく感じていて、
今でも色々な組織に関わっていて思うのは
組織にもステートがあるな、ということです。

例えば
・おっとり大人しめの人が多い職場
・ノリノリ元気な学生アルバイトさんが多い職場
・チャキチャキ、キビキビ働く人が多い職場

それぞれ組織が持つステートが異なります。
(何となくイメージしできるかと思います)

例えば前はノリノリ学生アルバイトさんが多い職場で
みんなと上手くいっていたとします。
そのステートのままおっとり大人しめの職場に異動して
部下やスタッフに接すると…

「なんかこの人うるさいな…調子いいな…」
「なんかこの人浮いてるな…」

となってしまう可能性大です。
これはおっとり職場が持つステートの1.5倍を超えてしまっている
可能性が高いです。

さらに現場でよくあるのが、
チャキチャキ・キビキビ動く職場にいたリーダーが、おっとり大人しめの職場に異動して
チャキチャキ動いていると、部下やスタッフから
「カリカリ仕事してて怖い」と思われて距離を取られてしまったりといったこともあります。
これも、それぞれの職場の持つステートに自分が合っていない可能性が高いです。

「前の職場で上手くいっていたから、次の職場でも同じように接したら上手くいくはず」というのは間違いで、
まずは相手(職場)が持っているステートに自分をチューニングするところから。
コミュニケーションは相手ファーストです。

一歩間違うと相手を傷つけることも

私はカウンセリングやコーチングの場面だけでなく、
普段のコミュニケーションで特にステートを大切にしています。
同じ言葉をかけるにしても、ステート一つで伝わり方が大きく変わるからです。

ただ上の章でも話した通り、合っていないステートで接し続けることで
悪気なく相手を傷つけてしまうこともある、と私は思っています。

もう何年も前の話ですが、職場の不満から仕事のモチベーションが下がってしまって
(私でも全然そんなことありました笑)
現場に立つのが全然楽しくないと感じるようになりました。
ステートも明らかに低かったです。

そんな時、一緒に働いていた同僚がものすごく高ステートで仕事をしていて、言葉を選ばずに言うと話しかけられるのがめちゃめちゃ辛かったです。

威圧されてるとか、そういうんじゃないんです。むしろその逆です。
お客様や一緒に働く従業員、上司にもとっても愛想よく接していて、誰よりも声を出して、人一倍働いていたと思います。

ただ、それを見ているのが辛かった。
これは私の感想ですが、何となく自分が惨めな気持ちになってしまったんですよね。
多分、そういう人と一緒にいることで自分のモチベーションやステートの低さを見せつけれているような気がして嫌になったんだと思います(私の場合は)。

あの日に戻って、どうして欲しかったかなぁと考えた時、
そのステートで近づかないで欲しい。

時々スタッフさんが
「今の店長なんかヤダ」
という愚痴をこぼすことがありますが、その“なんか”というものの中にはステートも含まれている可能性大です。

相手のステートに素早く自分を合わせることの重要性を考えさせられた出来事でした。

文章にすると伝わりにくい部分も多いと思いますが、セミナーや研修ではデモを交えてお伝えしています!
もう少し詳しく聴いてみたい、という方は是非弊社HPよりお問合せ下さい。


最後までお読みいただきありがとうございました。
弊社ではコミュニケーションを中心とした企業研修、
人材育成コンサルティング、社内相談窓口代行を行っております。
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