どの子も “スイスイ書ける"【行事作文】の指導ステップ①

(1)行事作文とは


 インターネ ッ トで 「行事作文」を検索する。数多 くヒッ トするのが,『苦手な 「作文」がミルミル うまくなる本』 (明治図書)である。この本は,作文指導の宝庫である。行事作文について,次のようにある。

学校では,行事が終わると,必ずといっていいほど作文を書かせます。「行事作文」という言葉があるほどです。(中略)子 どもたちの中には,遠足に出かける日に,「先生,帰ってきたら,ま た作文を書くのですか」とたずねる子さえいます。『苦手な 「作文」がミルミルうまくなる本』(明 治図書)

 この後、運動会,授業参観などに対応した「行事作文」を書くポイントを例示 してある。非常に参考 になる書である。 しか しなが ら,全 ての子 に対応
しているわけではない。特に,極端に書 くことが苦手な子,即 ち,書けない
子に対 しては,ま た別個の対応が必要 となって くる。書 くことに対する 「土台作 り」が必要なのだ。 これ を本 レポー トでは,【 作文の 日常指導】 と呼ぶことにする。
 土台が完成すれば,安定 した柱が立て られる。そ うすれば,家はす ぐに完
成する。作文指導 も同じである。書 くことに対する土台 (書 くことに対する耐性)を 身につければ,様々な指導 に対 して最大限の効果をはかることができるはずである。
 以下に、1学期の作文指導を通 して, どのようにして書 くことに
対する土台作 りをしていったかを記す ことにする。

(2)行 事作文までにやっておくべき 作文の日常指導

<そ れまでに何をしたか>
【作文の日常指導】の指針となる向山洋一氏の言がある。

日記を見ていると,子 どもたちの発達段階は三つに分け られる。第一段階は,毎 日書 くことである。 この段階が どの子 にも苦痛なのだが,ぜひ通過 させな くてはな らない。 (中略)第二段階は,「長 く書 く」 ということである。毎 日,書 くことができるよ うになった次 に待ちかまえているのが この関門である。 (中略)第三段階は,「一つのことをくわ しく書きなさい」 ということである。一 日の中か ら一つのできごとを選び,そ の一つのことだけをくわ しく書くのである。 これは,観察する力,描写する力, 自分な りの見方考え方が しっか りしていないとできない。『教え方のプロ 。向山洋一全集22』 明治図書 86~ 87ペ ージ

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