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逆上がりができるようにならない理由~既存の学校の体育カリキュラムでは逆上がりはできるようにならない~

 新しい年度、4月の体育指導で子どもたちの実態調査を行う。例えば、鉄棒ならば逆上がりが何人できるのか。どの学年であってもクラスの半分ができればよい方である。体育のカリキュラムで鉄棒の学習は5時間程度まとまって設定されている。5時間で逆上がりができるようになるか。答えは「できるようにならない」である。そもそも45分間ずっと鉄棒に取り組むという思想が間違っている。本気で鉄棒をできるようにさせたいと考えるならば。短い時間で繰り返し鉄棒指導を行わなければならない。

 4月なら、ごくごく基本的な技に取り組ませる。クラスを2つに分ける。男子と女子でもよい。

「男子。ぶら下がり。10」

と指示すると、女子が鉄棒に行ってぶら下がる。教師は、10数える。
男子は、教師が地面に引いた待機線で待つ。次は、当然、
「男子。ぶら下がり。10」

となる。このようにして、様々な技に挑戦させる。
 4月に挑戦させたい技は、以下の技だ。

ぶら下がり、
跳び上がり、
つばめ(鉄棒の上で腕支持)
前回りおり、
布団干し、
このような基本の技ができて、はじめて逆上がりなどの技に挑
戦させる。高学年であってもほとんどの児童が基本の技ができ

ない状態で進級してくる。授業の数分間で指導を続けて、次第に
力をつけていく。
 基本の技ができるようになったら、「鉄棒くるりんベルト」(教育技術研究所)を使って逆上がりの練習に取り組ませるのもよい。

 練習後、次の指示を出す。
「逆上がりテスト」
教師の前で逆上がりをしてできれば次の運動(例えば、ボールを使っ
たキャッチボールなど)に進める。苦手な子は教師が補助をするか、くるりんベルトを使えばよい。鉄棒指導では、このような短時間の指導の繰り返しで、少しずつ逆上がり達成までの道を上らせていくことが大切だ。

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