幸せになってほしい人が増えてツライ

この世に絶対的で常に変わらず存在し続けるものなんてないことはわかっているのだけど、永遠にあるものだと錯覚することは多々ある。

働きたくない気持ちを隠してなんとか踏ん張って、週末は居酒屋行ったりバーに行ったりしてアルコールを飲んでふわふわするという退屈な僕の日常。そんな日々すら今は叶わない。

そんなこんなで暇なわけである。家で楽しめることはなんだろうなと考えた僕は、密かに気になる存在であった彼女たちのコンサートBlu-rayを買うことにした。

欅坂46である。

なぜこのタイミングなのか。大きく2つの理由がある。

1つ目は、仲の良い後輩に勧められたというのがある。彼女たちの動画や冠番組を見るようになり、コンサートも見てみたいなという気持ちになったのだ。

2つ目は、平手さんが脱退したからだ。

サイマジョでデビューされてから気になる存在ではあったのだが、当時すでにハロプロとジャニーズのオタクという二足の草鞋を履いていたため、これ以上は経済的に無理だなと思ってずっと距離を置いていた。

ただ、気になりはするもので、目にする平手さん関連のニュースは軽くチェックしてたりした。外野から見ても圧倒的な存在感を放つ彼女の存在くらいしか欅坂のことは知らなかったわけなのだが、そんな彼女がグループから抜けるというのはファンでもない僕にとっても結構な衝撃だった。余計なお世話だと思うだろうし、ずっと応援していたファンの方々は不快に思われるかもしれないが、欅坂は大丈夫なのだろうかと心配になった。

そんなことを思っていたところに後輩から欅坂を勧められ、例の口に出したくもない病気のせいで現場はなくなり暇を極めていた僕は、よし欅坂の東京ドームを見ようと思ったのだ。なんかお金とかどうでも良くなっていたし。

見終わった感想としては、「とんでもないものを見てしまった！」とかそういう気持ちではない。過去それなりにアイドルオタクをしていたので、演出がすげー！とか、パフォーマンスがすげー！とは決して思わなかった。それこそ序盤の演出は正直そんなに好きではなかった。（オープニングの平手さんには見惚れたけど）

だが、僕は途中で再生を止めてタバコを吸うこともなく、自然と彼女たちに引き込まれていた。特に1回目のMC明けくらいからはグッと見入ってしまった。それは演出の良さとかパフォーマンスが良くなったとかではなく、なぜだかわからないが「彼女たちには幸せになってほしい」という想いがこみ上げてきたのだ。

そして同時に、「だからこれ以上アイドルは好きになりたくなかったんだよ……」という後悔の念に苛まれた。

偉そうなことをあえて言えば、彼女たちはまだまだ伸びしろしかないと感じた。パフォーマンスだってもっと良くなるだろうし、平手さんという絶対的エースが抜けたことによる変化だって、いくらでも良い方向に持っていけるはずだ。なぜなら、僕が好きなグループの一つであるモーニング娘。はメンバーの卒業と加入を繰り返しながら今が一番良いと思わせ続けてくれているから。

だからこそだ。もう彼女たちのこれからを無視することが僕にはできないのだ。見てしまったから。映像というパッケージの中でしかないが、今できることを全力で披露するアイドルとしての姿を。

もう応援するしかないではないか。もう絶対にこういう感情になることはわかっていたのだ。だからコンサート映像は見ずに「けやかけ」（彼女たちの冠番組）だけ楽しむライトなオタクでいたかった。

アイドル、特に女性アイドルはその活動期間が男性のそれと比べて短いように感じる。いずれは多くのアイドルが「アイドル」をやめる日がやってくる。それで幸せになってくれれば何もいうことはないが、そうではないケースもあったりするので、僕は自分が傷つかないように、できるだけ応援するグループやメンバーは絞ってきた。

なのに！！！無理じゃん！！！

気づけばメンバーの名前めっちゃ調べてるしめっちゃ動画漁ってるし、新しい沼にようこそってか？？おいおい、勘弁してくれよ。みんな可愛いじゃん。

きっと、推しメンができたら、その子がグループを去るときにものすごく傷つく。アンチが彼女たちに向けた悪意とか目にしたらすごく落ち込むと思う。

でも、多分、それ以上に楽しいことも増えるんでしょうね。お金はなくなりそうだけど。そんなわけで、東京ドーム公演2周目に入りました。今のところ渡邉理佐さんが気になりますね。

とりあえず僕はファンクラブに入れば良いんですかね？CD買えば良いのか？彼女たちが少しでも笑顔でいられるように貢ぎたいと思った週末。新たな沼に落ちたのも全部コロナのせい。