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風が強い日を選べる勇気がほしいよ

5日間の労働を終えて、本屋へと足を運んだ。なにか読みたいものがあるとか、そういうことでもなく、予定のない金曜日における僕のルーチンだった。

集めている漫画「シガレット&チェリー」の新刊が出ていた。それと前から気になっていた「拝啓 元トモ様」をレジへと持っていく。

お盆休み中に買ってまだ読み切れていないものや、父親から借りた(正確にはほぼ押し付けられた)小説もあった。いつから本棚にあるのか覚えてないものも2冊ある。こうして積読が溜まっていくのだが、気分に応じて読み進めることにした。

帰りの電車は運よく座れた。なんとなくスネオヘアーのアルバム「バースデー」を聴きながらTwitterを眺めていた。

数時間前の過去から現在にかけて、スクロールさせていくタイムラインの中でナタリーのツイートが目に止まった。

9月16日で結成30周年を迎えるthe pillowsの特集記事だった。著名人が各々一番好きな曲についてコメントしているのを読みながら、自分は「HYBRID RAINBOW」かなぁと思った。どこか寂しげなサウンドから始まって、サビで激しく爆発するような曲展開がドラマチックで大好きだった。もう10年くらい追いかけていないニワカだが。

記事の中で怒髪天の増子さんが「Funny Bunny」を挙げていたので久々に聴きたくなった。iPhoneの中に入れてたかなと「P」の項目を見たら、かろうじてベスト盤的なのを見つけて選択する。

キミの夢が叶うのは
誰かのおかげじゃないぜ
風の強い日を選んで
走ってきた

という歌詞を久々に耳にした僕は、図らずも泣き出しそうになった。

なにも頑張らなくなってしまった自分。これまでも頑張った記憶がほとんどないのだが。

自分の人生でなにかを得るには、それに向かって努力する必要があるはずだ。

なにもしていない自分を叱咤するような山中さんの歌声に胸が痛くなり、そんな自分の状態をひどく恥じて、悲しくもなり、電車の中で泣きそうになった。

今日、社長と上司に呼び出された。ちょっと責任のあるポジションに就いて欲しいという話だった。

僕になにを期待しているのだろうか。

疑問を抱くことを禁じ得なかったが、年齢的にもスキル的にも、他社でなにかを発揮できるものなどないことは自覚していたので、2人の要望に応えることにした。給与は上がらないが。

そんなタイミングも重なり、これは少し頑張らなくてはならないというメッセージなのかなと勝手に受け取った。

正直なところ、今の仕事に楽しさもやりがいも見出せてはいない。だが、それはどの仕事に就いても同じことかもしれない。なぜならヒモになりたいとか夢見てるので。完全に諦めたわけではないが(諦めろ)、もう少しだけ、今の環境で踏ん張ってみようと思う。

自分の葬式でなにを流したいか、という妄想に耽ることがたまにある。候補になかったが、この曲を流せるくらいに満足して死ねたらいいな。夢と目標が今の自分には欠けているのかもしれない。

まだ早いけどthe pillows、結成30周年おめでとうございます。僕も風が強い日を選んで走れるように、そろそろ前を向こうと思います。

それでは最後にこの曲を。the pillowsで「Funny Bunny」


この文章をお読みになられているということは、最後まで投稿内容に目を通してくださったのですね。ありがとうございます。これからも頑張って投稿します。今後とも、あなたの心のヒモ「ファジーネーブル」をどうぞよろしくお願いします。