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4年間引きこもり家族に救われた話

仕事が始まるのが怖くて、以下を発端に昔の思い出を連投したが140文字では語りきれない感謝があるのでここに残したい。
そして同じように今もし引きこもる人がいたら、背中を押せればと思う。

俺は無名の大学を卒業した。
入学して初めて自分の大学をFランク大学だと知った。
ボーダーフリー、誰でも入れる大学で、価値のない学校だと思っていた。
なんとなく高校を卒業して、みんなが大学に行くからと俺も大学に進学した。
色々な人間がいた、バカもアホも尊敬できる人もたくさんいた。
仮面浪人しているという人がいて俺も真似をして「駒沢大学あたりに行こう」と勉強を頑張ったら、なぜかクラスで一番英語力が高くなり「奨学金を受けられる特待生」”候補”になった。
いわゆる異世界転生の俺ツエーと思える瞬間だったが、普通に候補になっただけで落とされたし、4年いても彼女の一人もできない童貞のまま大学を卒業した。

俺は底なしに自信がなかった、
だから就職活動もできなかった。
他人にアピールする事なんて俺には何一つないと思っていた。
俺は俺自身の良さを知らないし、俺を良いと言ってくれる人もいなかった。
バカな大学だったからか、バカな部活だったからか、俺の友達(卒業後連絡なし)も誰も内定がないままに卒業した。

大学の卒業と同時にアルバイトは辞めた。
アルバイト先からは続ければいいのにと言われたが、同い年のバイト仲間が皆就職する中で俺だけ居残りすることが恥かしくて耐えられずに辞めた。
そこからはひたすらに家に引きこもった。
アルバイトで溜めていたお金が100万円ほどあった。
俺はギャンブルも風俗も行かずに”清い身体”だけを誇るかのように、ひたすらに何も新たな刺激を受けることなく家の中で過ごした。
俺には兄弟がいて、上は働いているので、帰宅後にたまったストレスを俺にぶつけた。
思い出したくもないほどの罵詈雑言をぶつけられた。
また俺も母も暴力も受け、家がまるで兄の支配下のようになっていた。
しかし、俺は俺に自信が全くないので、相も変わらず家にいた。
俺は俺自身の魅力を知らないし、価値がないと思っているので、社会に対して売ることもできなかった。
よくいる普通のサラリーマンとして生きるのが嫌だった、何者かになりたいと思っていた。
やりたいこととやれることが違うことに気づきながらも、認めたくなくて、日がたつにつれて更に動けなくなっていた。
清いはずの身体もまた綻んできた、日に日に若ハゲが進行し、頭痛の中でランニングしたら飛蚊症に、左耳が痛くなったあとから耳鳴りが止まらなくなった、病院に行くも今も若ハゲ以外は治っていない。

クリエイターになりたかった。
漫画でも映像でもなんでもいい、技術で食える職人のようになりたかった。
パソコンとタブレットがあったから絵をかいてみた。
線を引いてはコントールキーとXを何度も押してやり直し、気に入る線になるまで引いて残していくことで、なんとなく絵として見れるようになってきた。
誰かに認めてもらいたかった、ほめてもらいたかった。
暇つぶしに当時流行っていたニコ生を視聴し始めて、小中学生の女の子の配信を見てその清さに可愛らしさに癒しをもらっていた。
「俺もこの子たちのようなカワイイ存在を描けたら」と思い、彼女たち自身を絵に描いた。
そして彼女たちの目につくところにおいて、ニコ生配信の中で触れてもらうことで自己肯定感を得ようとしていた。
しかし、彼女たちの中心は彼女たち自身であって、似顔絵を渡すおじさんではなかった。
配信の中でスルーされることもたびたびあった、もっと褒めてくれてもいいのにと不満に思うこともあった。
1日かけて描いた絵を主役の彼女たちが褒めてくれることがとても嬉しくて、何度も何度も何年も落書きのような似顔絵を描いては贈りつける”異常者”に気づけばなっていた。

数年こんな生活を繰り返すうちに、下の兄弟も就職をした。
俺よりあとから産まれたのに、すごく頑張って勉強して、すごく頑張ってよいところに勤めた。
しかしパワハラにあって心がとても追い詰められて、退職して転職して、またそこでもいじめにあって…。
俺は社会が怖くなってしまった。
こんだけ頑張って優秀でよい性格の人間がここまで追いつめられる社会で俺が生きていけるわけがないと、俺はますます縮こまってしまった。
大企業に就職してもパワハラで退職、次も大企業なのにいじめでうつ病、そういう姿を見てこの世の会社はどこも地獄なのかとも思った。

上の兄弟は毎日のように俺をサンドバックかのように叱責した。
ヒステリックに泣きわめき、怒り、母や下の兄弟も巻き込み俺を罵った。
下の兄弟はそれを静かになだめていた。
会社員としてストレスをためて、家でもこのような環境でストレスをためて、こいつは近いうちに死んでしまうのではないかと思った。
でも俺は俺自身が好きになれないし、俺を好きになる奴もどこにもいないんだと思い、どん底に落ちてしまった。
もう這い上がることはできなくなっていた、俺は一生このまま他人のすねをかじり生きるのだろうと思った。
何年も家を出ず、働かず、職歴も肌も真っ白の俺が、社会で求められるわけがない、働けるわけがない、俺を必要としている人なんてどこにもいない、俺は無価値だと思った。

ある日、下の兄弟が俺に就職支援のパンフレットを渡してきた。
俺のような人間は多くいて、社会問題化もされていた。
国が重い腰を上げて救おうと今動いていると言っていた。
しかし、そんな会社はどうせ底辺のブラックの糞会社しかないから、そんなところで働くぐらいなら働かないほうがましだ、そう思っていた。
それにそんな会社ですら俺を必要としないのだから動きたくないと思った。

パンフレットと一緒に小さく畳まれたA4ノートの紙を渡された。
そこには「〇〇のすごいところ、〇〇の良いところ」と書かれ、下にはびっしりと俺の長所が書かれていた。
もちろん短所も書かれていたが、俺を認めてくれる存在がいたことに気づかされた。
俺は嬉しかった。
何年も何年もただ時間を無為に過ごして、もう何一つ価値もないと思った俺の小さな価値を探してそれを教えてくれたことが本当にうれしかった。
今すぐにでも働いて、どんなブラックでもいい、どんなに底辺でもいいから、こいつに恩返しがしたいと思った。
俺が家族を支えて、こいつをしっかりと休ませてあげたいと思った。

俺は若年者雇用なんたらという政策により、再度学校のような研修をうけて、思った通りの底辺ブラック企業に就職させていただけた。
経験と資格を山ほどつんで喧嘩別れのようにおさらばしたけれど、拾ってくれたおかげで今があるなと感謝もしている。

10代、20代、どん底だと思っても君たちはまだ子供だから何をしてもいい、失敗したらいい、引きこもって可能性にチャレンジしてもいいけれど、立ち止まってもしゃがみこんでも、また歩き始めてほしい。
社会はとても怖いと思うけれど、今は転職も当たり前、空白期間4年あって毎回聞かれるけれどモラトリアム期間してましたとか言えばどうにかなる。
会社は立派な大人ばかりじゃなくて、子供のような人もいっぱいいて、そんなに立派なものじゃない。
いやになったらやめていいから何度でもチャレンジしてみてほしい。

30代だって、40代だって同じ、その年齢でサポ募集とかしている人も見る、売り専で働いているやつもいる、50、60だって70からしたら若い。
今は高齢化社会、男は自分よりも若けりゃ全員可愛い子供みたいに見えるもんだから、以外と何歳だろうが何とかなる。
引きこもりのままよりは、小銭稼いで大塚に行った方がいい。
大塚は30分5千円で天国が味わえる、そのためだけに働いてみる価値はある。
誰かはきっと認めてくれる、引きこもると物語は始まらないから、始めよう。

10年後今日描いた絵、画力に向上は見られないのでクリエイターにはなれなかっただろう

上の兄弟から逃れられるように、俺の収入で新しい実家を用意して今はそっちに家族を避難をさせた。
警察と役所に協力してもらい、上の兄弟の暴力から家族を守ることが出来た。
ここまでするのに10年かかったが、風俗狂いになって無ければもっと早くできたかもしれない、狂ったおかげで収入あげようと足掻いて可能になったのかもしれない。
贖罪のつもりでこれからも家族には場所と金を送り続ける、それで金が無くなってもいい。
そんときゃ風俗行かずにトイレでビデボで男とヤレばいいだけだ。


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