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読書の日記(9/26-10/2)


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くまざわ書店キャンペーン、地元の方、感激/2019年のスタッフ募集と2022年のスタッフ募集/書店まわり、気の重さ、不健全な心地/とってもダサい判断が勇気づけてくれるもの/フヅクエギフト券の完成/王柏融の4番、最後の始球式、新庄のセレモニー/居酒屋読書、『水平線』、平沢大河/真剣さ、深刻さ、不真面目さ/『言語が消滅する前に』、「権威主義なき権威」の崩壊」、暴力としての言語使用/ロング缶の日々/暇日曜、ジャクソンホール、NANA/オリックス優勝、『海をあげる』

9月26日(月)

今日はまだそんなにヘトヘトにはなっていない。10時に店に着くとアイスコーヒーをつくったりご飯を炊いたりいくつか準備をして10時半から太田さんと30分ミーチング。終わるとセブンで買ってきたハムにマヨネーズをつけてご飯をバクバク食べ、スタンバイOKだ。
それで店を開けて2時ごろに来られた方がくまざわ書店でこういうのをもらったんだけど使えるのよね、と言ってきてくしゃくしゃになったチラシを見せてきた、一番奥の席に着くまでゆっくり本棚を見ながら、何か感心したような得心したような声を上げていた。そのあとオーダーを客席から厨房に向かってはつらつとしてくるので、他にお客さんもいたので、ちょっと待ってという感じで手で制してから近づいていくと「そういうことね」と言う。それはきっと「静かな店だから静かにオーダーしてほしいということね」という意味だろうと感じたので曖昧にうなずいたところもう一度「そういうことね」と言ったので僕の母くらいの世代の方だとお見受けしていたのだが「あ、どういうこと?」と聞いてなぜかタメ口になっちゃった。すると「小声でねってことね」とおっしゃったので「まあいやありがとうございます」みたいなことを言い、ここでバツの悪い思いをさせたくもなかったので「読んでて何かわからないことあったらなんでも聞いてくださいね」と言って離れた。オーダーされたチキンカレーを持っていくとまだ案内書きを読まれていたので「いろいろ変な店ですけど大丈夫ですか」と言うと「どれもすごく納得」という、なんだかうれしい答えが返ってきた。それで90分後くらいに帰られ、見送ると「ちょっといいかしら?」という感じだったし僕もどういう経緯で知って来てくれたのか聞きたかったし一緒に外に出ると家で本を読もうとするとどうしても他のことをしちゃってよくなかった、いつもくまざわ書店で本を買っている、それで買ったらこれを渡されて最初はなんでもないチラシだろうと思って捨てたんだけど、後でそういえばと思ってゴミ箱から取り出した、そんな店があるんだと思って嬉しくなって来た、そしてすこぶるいい時間を過ごせた、私は今とても嬉しい、と言ってくださって僕は両手を胸に当てて感激のポーズをしながらその人の銀色に塗られた爪を見ながら、「いやあマジそれ嬉しいですわ」とか言いながら、本当にうれしい心地になっていた。私は家はオペラシティ側で近くで、だけど初台にこんな店があるなんてまるで知らなかった。僕はだからそうですよね、地元の人にも知ってもらいたくて、8年とかになりますけど多分まだ全然知られていないから、と言うと8年という年月に驚いていて、知る前になくなっちゃわなくてよかった、と喜んでくれた。また来てくださいね〜言いながら見送り、本当にうれしい。今回の企画はこの人に知ってもらうために実施されたんじゃないかというような喜び。

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