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奈良時代

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野遊びで「梅をかざす」とは

野遊びで「梅をかざす」とは

ももしきの大宮人は暇(いとま)あれや 梅をかざしてここへ集まる
               作者不詳 『万葉集』巻十・1883

訳:宮中の役人たちが 時間があれば 梅を頭に飾ってこの野原に集まることだ

この歌、現代人にとってはどういう情景なのかピンときません。
一体、どんな状況なのでしょうか。

「梅をかざす」という言葉がありますが、「かざす」とは髪や帽子につけることで、古代や奈良時代の呪術

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波頭を超えた遣唐使たちと沖ノ鳥島

波頭を超えた遣唐使たちと沖ノ鳥島

唐で山上憶良が詠んだ望郷の歌山上臣憶良(やまのうへのおみおくら)の大唐(もろこし)にありし時に、本郷(くに)を憶(おも)ひて作れる歌

いざ子供 はやく日本(やまと)へ 
大伴の 御津(みつ)の浜松 待ち恋ひむらむ
               『万葉集』巻1・63

【訳】さあ みんな 
早く故郷の日本(やまと)に帰ろうではないか 
(大伴氏所有の)難波津の浜にある松が 
その「まつ」の名の通り

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