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10月第1週

今週は健康診断があった。
今年は検便があるということを忘れていたので当日の朝に1日分だけ採取して提出した。危ない。私が快便人間でよかった。

採血におびえながら健康診断の会場に行き、受付で「今日はバリウムですけど朝ごはん食べてませんか?」と言われて、バリウム飲むことを思い出した。
もちろん健康診断だからご飯は食べていなかったんだけど、初めてバリウム飲むことを思い出したらめちゃくちゃ緊張した。随分前に申し込んだから忘れていたよ…。

苦手な採血と、初めてとはいえ悪名高きバリウムをのむ恐怖とで頭がいっぱいで、このままじゃまた血管が引っ込んでしまう……と思い、診察表に書いてある個人情報の取り扱いのところを何度も読んだ。何もしていないと不安で頭がいっぱいになってしまうので、違う情報で頭の中をいっぱいにしてやろうという算段。

ひたすら歩いている時間やお風呂の時間など、なにもない時間は私の焦りや不安を無限に増殖させていくので、そういう時は何かしらの情報を頭に流し続ける。好きなラジオが大体その役目を担っているが、健康診断みたいな手元に何も気をそらせるものがない。
そういう時はどうでもいい言葉を追い続けるのが良い。読む、という行為は私の狭いキャパをたくさん満たしてくれるので最適だ。

そうやってやり過ごしても採血の場に行けばもうそんな小細工は何の役にも立たない。人が血を採られている場面、なんであんなに見通しがいいんだろう。人の血が見えてこわい。

いつも通り「血が取りにくいんです」とジャブを打って採血に臨む。右腕から採ることになり、腕を差し出すと、隣の人と顔が合うような姿勢になってしまった。申し訳ない、と思いながら手で顔を覆い、刺される。痛い。痛いから「痛い…」と言う。頭が痛いでいっぱいで爆発しそう。顔を覆っているから太ももを抓るのをわすれた。だから余計に刺されたところが痛い。
こういう時は深呼吸…と震える胸で深呼吸をすると具合悪くなっているのかと思われて「大丈夫ですか?」とめちゃくちゃ聞かれる。
ごめんなさい。あなたは悪くない。ちゃんと一発で血を採ってくれた。悪いのは太ももを抓り忘れた私なんです。かつて職場の人に教えてもらった、採血の時に痛みを紛らわせる術。ここ数年効いてるかどうかもよく分からんその方法でなんとなく乗り越えてきたけれど、マジで効いてたみたい。今回めちゃくちゃ痛い。勘弁して欲しい。こんなに痛くていいわけない。
なんとかかんとか血を採り終えて、顔を覆っていた手を退けるとまず目に入ったのは、隣の席の看護師さんの不憫な子を見るような顔。ごめんなさい。こんな大人嫌ですよね。こんな大人は嫌だ、どんな?の答えですよね。ごめんなさいね。

たぶん私の姿って自分で意識しているよりも周りの人の不安を煽ってしまうんだろうな、と改めて思った。私はただ痛みに耐えているだけで、身体は元気なのに。メンタルは終わってるかもしれないけど。
私のような人が、私が血を採っている姿を見たらきっと余計に不安になるし、良くないね。具合悪くならないけど、あのカーテンに仕切られたところで受けるべきなのかもしれない。
それをどこでどう伝えればいいんだろ…寝て血を採るって、それもまた怖すぎるから出来るだけ起き上がった状態でどうにかしたいのですが……それを、あのスピーディな健康診断の場でしっかりと伝えられる気がしない。きっと私は来年も周りに不安を撒き散らしながら採血されるんでしょうね。もはや公害ですね。

バリウムは小ゲップしちゃったけど、どうにか撮ることが出来たらしくて安心した。グルグル回る台はアトラクションみたいで面白かった。指示を聞いて動くのはちょっと焦ったけど、採血に比べりゃなんてことない。白いうんちを初めて見て面白かった。

嬉しかったことは、体重が減ったこととウエストが減ったこと。細々と続けてる筋トレや一駅分歩く、がちゃんと結果に結びついていて良かった。

採血の回数を減らすために、私は健康でなくては。私と関わる医療関係者の皆様のためにも。


サムネイルは私のかわいいシルバニアちゃん。
お風呂はいって、えらいねぇ。


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