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【山歩き記録 第52歩 1日目】ヤビツ峠~塔ノ岳~丹沢山~大倉(2021年11月28日・29日)【ドキドキの連続】

冬だ!丹沢だ!(ヒルが活動しなくなるから)

…しかし塔ノ岳は最短でもコースタイム6時間越えなので、日の短いこの時期にはハードルが高い。ここは準備もしてきたのでちょっと勇気を出して山小屋泊。山小屋泊するならこれ以上寒くなる前の今しかない。泊まるならせっかくなので百名山の丹沢山まで足を延ばしてみよう…というルートでございます。

コース概要

地理院地図に書き込み

1日目は、ヤビツ峠から塔ノ岳まで、表尾根を縦走します。

記録

秦野駅8時24分発、ヤビツ峠行きのバスに乗車。バスにすし詰めにされました。いまどきこんなに混むのは東京でも限られた路線しかないレベル。なぜ臨時バスが出されなかったのか不思議でなりません。この2日間で最初にして唯一の不満でした。

バスに揺られること約45分、ヤビツ峠に到着。いざ出発…ではなく、今年オープンしたヤビツ峠レストハウスに入ります。休日8時30分開店なのはリサーチ済みです。豚汁700円を注文。+300円でお餅追加できることも分かっていましたが、バス酔い気味だったのでやめました。

美しい器に豚汁

注文から結構待ちました。10分?15分?この日最初の注文だったからでしょうか。ただ一生懸命作ってくださっているのは見えていました。具だくさんで、バスに酔った体に染みわたります。

9時55分、豚汁で温まったところで、歩き始めます。

最初20分ほど舗装路を下ります。下るので不安になりますが、下ります。山道に入ったら、ひたすらにゅるにゅる登ります。八ヶ岳で「だらだら登り」という案内を見てから、擬態語で坂を表現するのが気に入りました。それにしても、表尾根、大倉尾根通じて、登山道がとてもよく整備されていて素晴らしいですね。階段も大きすぎないし、難しい箇所には鎖があって、植生を保護する箇所には木道が敷かれています。

樹幹から覗く海に標高を感じながら歩き続けると、

樹幹に望む海

二の塔に到着です。11時10分。もうすでに素晴らしい景色ですが、三の塔は近いので、水を飲んで一息入れたら、短めの休憩で三の塔へ出発します。

二の塔

11時25分、三の塔。南北にとても広い山頂で、多くの人が昼ご飯を食べていました。屋根付きの休憩所、トイレもあります。展望は、西に富士山、東に大山と都心を望む絶景です。三の塔だけでも来る価値あります。富士山から右に目をやると、これから歩く塔ノ岳へ伸びる尾根が一望できます。

右側の一番高い位置に見える小屋が目的地の塔ノ岳、尊仏山荘
大山や東京湾を一望できる

地図を見ると、ここから先、「クサリ」と書いてある箇所が複数あるので、おにぎりを食べて、気合を入れて出発します。12時。

三の塔から烏尾山まで、クサリが置いてある箇所もありますが、あえてつかむほどではありません。他にも、親切なことに地図に載っていないクサリもいくつかありました。全体として、三の塔までよりも急坂が多くなったとは感じます。とはいえ、急坂や狭い道もあれば、平らで広い道もあって、メリハリがあるという印象です。ずっと緊張する必要はないので、とてもよい。適度に緊張感を楽しめます。

烏尾山も広い山頂で、山荘があります。三の塔から一番手前に見えていた小屋ですね。この次のピーク、行者岳は狭いので、体力に不安がある場合は烏尾山で一息入れても良いでしょう。

烏尾山から行者岳まではあまり難しくありません。行者岳の直後が、全行程で最も緊張するところです。クサリをつかむ下りが2か所あります。特に2か所目は、後ろ向きになって下る必要があるほど垂直に近い岩場で、クサリ以外にも結び目付きロープが2本垂れていました。ロープをしっかり握ってゆっくり下れば危険はありません。むしろ、高所恐怖症的には、両クサリ場の直後にある小さい橋の方が何倍も怖いです…。

行者岳後のクサリ場1か所目を下った先から振り返って撮影
行者岳後のクサリ場2か所目を下る前に撮影

2つのクサリ場を乗り越えたのもつかの間、今度は両側が崖の狭い尾根を歩きます。ここも幸い両側にクサリが通っているので、足元だけ見て念のためクサリに手を触れながら歩きます。このヤセ尾根を越えて階段を上ると、左手に少し開けた草地があるので、そこでようやくリラックスできます。

難所を乗り越えたら、次は新大日への登りになります。この登りは視界を遮る木が無いところも多く、ところどころ振り返ると歩いてきた尾根を望むことができます。

正確な撮影場所が分からなくなってしまいましたが、新大日の手前のどこかから撮った写真だと思います。さっきまでいた三の塔がきれいに見えます。

13時30分ごろ、新大日。ベンチがあったのでここで一休み。ヤビツ峠レストハウスでキャンペーン配布していた、YAMAP×大正製薬のゼリーを飲みました。

新大日から先は、木道で整備された道が多かったです。坂道も少なかったですが、もうすぐだと思っていた分意外と長く感じたのと、山頂手前の階段はさすがに疲れを感じました。中間にある木ノ子茶屋。もうすぐ塔ノ岳山頂というところ、利用場面が想像しづらいですが、なかなかおしゃれな看板が目に入りました。

木ノ子茶屋

14時25分、塔ノ岳登頂です。

富士山が近い
振り返ると、都心をバックに、大山、三の塔、新大日
右から、丹沢山、不動の峰、蛭が岳のピーク(たぶん)

こちら、泊まる尊仏山荘。洋式便座のトイレあります。ただし、これは丹沢共通仕様ですが、使った紙は各自ゴミとして持ち帰りです。この日は十数人の宿泊者でした。

尊仏山荘

チェックインを済ましたら、日の入りまでお菓子を食べて空腹を紛らわします。夕食と朝食は、日の入りと日の出時刻をずらして用意してくれるようです。もっとも今の時期、日の入りは早いので夕食にはあまり影響ないですが。

ということで、日の入りを眺めました。入る瞬間もしっかりと目に焼き付ける。

日の入り。カメラ時刻で16時32分

夕食は17時半から、カレーです。尊仏山荘は、夕食はカレー、朝食はおでんです。毎日同じなので、写真は山荘のHP等をご覧ください。僕は辛いのが苦手なので少し不安でしたが、全然大丈夫でした。大きなニンジンがとてもおいしいです。

夕食後、星空を見るためにガチガチに防寒して外に出てみましたが、街明かりと山荘の明かりに包まれていて、天の川が見えるレベルに目を慣らすことはできませんでした。それでも、夜景はきれいでしたし、街明かりに照らされた富士山も見られました。

夜の富士山

消灯は20時。また明日も歩きます。

各種情報

コースタイム:4時間5分

標高:760m(ヤビツ峠)~1491m(塔ノ岳)

眺望:二の塔から先は、富士山、相模湾、大山などが各所から望めます。

トイレ:ヤビツ峠、登山道の手前、三の塔、塔ノ岳。三の塔のトイレは凍結防止のため12月~2月閉鎖されると秦野ビジターセンターからお知らせが出ています。

危険個所:三の塔以降新大日まで、所々急坂、クサリ場、狭い道がありますが、いづれも長続きしないので、集中して慎重に通り抜けましょう。

アクセス:ヤビツ峠へは、秦野駅から神奈中バス。路面状況によってはヤビツ峠まで行ってくれないこともあるので、運行情報をHPで事前に調べましょう。

https://www.kanachu.co.jp/dia/diagram/timetable01/cs:0000801327-1/nid:00127715

周辺情報:ヤビツ峠レストハウスは2021年3月オープンの新しい施設。朝から開いているので、歩く前の利用も可能。

尊仏山荘は、12月1日からURLが新しくなりました。数日おきにお知らせが更新されて、気温等を知ることができます。

その他:小田急線各駅とヤビツ峠や大倉を利用する際は、丹沢・大山フリーパスが便利です。本厚木~渋沢間の小田急線も乗り降り自由なので、帰りに温泉に寄るときには特に重宝します。AとBがあって、Aは大山ロープウェイが付く分高くなるので、塔ノ岳に行く際はBを買います。小田急線各駅の自動券売機で買えます。


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