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秋されや万葉集を解く女

みなさま、ごきげんよう。
ここのところ、ひっそりと色々な作句方法を試したりしているのですけれども、今日は俳句と短歌における切れの考え方や動詞の捉え方の違いについて考えておりました。

やはり将棋と囲碁くらい違うものですわね。

今日、短歌の本を読んでおりまして目に留まった言葉に「寄物陳思(きぶつちんし)」と用語がございました。万葉集における表現様式の分類だそうで「物に寄せて思いを陳べる」という表現方法のことだそうですわ。

この、直接表現せず物に寄すという考え方が俳句によく通じるような気がしたのです。万葉集における「相聞(恋の歌)」は様式の上では3つに分けられるそうで、一つ目が直接思いを表現する「正述心緒」の歌。2つ目が物に思いを託す「寄物陳思」の歌。そして3つ目が心情を表に出さない「譬喩歌」だそうですわ。

写生を旨とする俳書ではあまり見かけない観点でしたので参考になりましたわ。他にも俳句と短歌における、動詞と名詞の重きの違いや、切れに対する考え方など、今日は少し学びが深まったように感じました。

わたくし、よく中七を終止形でぶつ切りにしてしまうことを咎められることがあるので、そのあたりの違和感が腑に落ちたような気がいたしましたわ。

――と、少々漢字多めのお話になってしまったのでよしますけれども、和歌の妙味というものを少しだけわたくしの中に落とし込むことが出来た秋の一日となりました。


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