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240811~15 お盆休み

先週の日曜から今日までお盆休みだ。
なんだか珍しく予定がたくさんあったので、備忘録代わりに書いておく。

9月末に約3年住んだ家を出て、一度実家へ戻る。
奨学金なんて体のよい名前を持つ借金をちゃんと返そうと考えてのことだ。残り2年ほどで返しきれるだろうという目途がついている。

日曜日の朝に父親がやってきて、段ボールにまとめていた荷物をいくつか持っていってくれた。父が帰ってから、改めて荷物をまとめていると、至るところからまだまだいろんな思い出が出てきて、ため息が出た。大きな段ボールにひとつずつ入れて、職場から借りてきたテープで封をした。

カーペットを処分したので、
悪電波に怯えている人の部屋みたいになっている

月曜日には、いま私が働いている職場で以前働いていた先輩と昼からごはんを食べた。
喫茶店に入って、私はアイスティーとホットケーキのセットを、先輩はアイスコーヒーといちごのかき氷を頼んだ。「へんな組み合わせの注文するなあ」とおかしかった。お互いの近況を話して、また少し気持ちが落ち込む。先輩はいま派遣社員として働いていて、その契約が8月末で切られてしまったそうだ。だけれど、次の職場も最近決まってようで、少しホッとしていると言っていた。8月末までの職場では、先輩と同年齢の人が管理職として働いていて、彼から指示を振られた先輩より一回りほど年齢が違う20代の人が先輩の教育係をやっているそうだ。
「けっこう気つかわれてるんだよね」と先輩はコーヒーを飲みながら苦笑い。「年齢って、やっぱり取り返しつかないから、きみももし新しいことを始めるんなら、はやいほうがいいと思うよ」と言っていた。
喫茶店をあとにして、長い商店街を歩く。そば屋さんを見つけて入る。私は天ざるを、先輩はとろろそばを頼んだ。めちゃくちゃおいしくて、こういうときにだけ夏の良さを感じる。天ざるはいいぞ。
そば屋を後にして、「少しだけお酒を飲もう」という先輩に付き合ってよくわからないイタリアンバルへ入る。マルゲリータが全然おいしくなくて笑った。先輩はお酒が進んで結局3杯ほど飲んでいた。「今日のことも、誘ったのぼくなのに、結局場所も時間もきみに丸投げしてしまったし、こういうところがモテない理由なんかなあ」と30代後半で童貞の先輩がぼやく。「それわかってるんなら、女の子にはしてあげたらええんちゃいます」と、私は誰が言ってるんだと思いつつアドバイスをした。

天ざる最高!

火曜日には大学時代の友人たちと遊んだ。
11時過ぎに集まって、二日酔いの友人の希望で昼にうどんを食べた。
全員の注文を聞いたあと、店員さんが「麺は3玉まで増量できますが、いかがなさいますか」と私たちに問う。誰とも言わず、皆がそろわない声で「大丈夫です」と伝えた。店員さんが去ったあと、だれひとり麺を増量しなかった現実に時の流れと加齢を感じ、ため息が出た。
昼食を終えてどうするか考えていると、友人のひとりが「海が見たい」と言い、私たちは南港へ海を見に行くことにした。
地下鉄からニュートラムへ乗り継ぐ際、出口を間違えて後輩にいさめられる。その後さらに私がはやとちりをして、出る必要のない改札を出てしまい、つられて全員出てしまう。こういうところだなと反省した。みなに謝罪をして気を取り直してニュートラムへ。車窓から見える競艇場の水面がきらきら光っていた。
咲州庁舎の上階は展望台になっていて、南港の海が一望できる。展望台のチケットを買って、すごい速さで展望台へ連れていくエレベーターへ乗る。あっという間に53階へ。そこからさらにとんでもなく長いエスカレーターへ乗った。エスカレーターで展望台へ向かっている最中、後ろを振り返る。あまりの高さに足がすくみそうになるかと思ったが、意外と大丈夫だった。私は高所恐怖症なのだが、知らず克服したのかもしれない。
展望台からの景色は壮観で、ものすごくよかった。いろいろ問題ばっかりの大阪万博会場も丸見えで、開催まで1年を切っているのに、まだそんなに完成しているようには見えなかった。テレビ望遠鏡のてれぼーくんに200円を支払う。ちゃっかり電子決済にも対応しているてれぼーくんの生意気さにウケる。
万博会場へてれぼーくんを向ける。「あーでも、なかはけっこうできてるかも」となぜか少し引け腰で望遠鏡を覗く友人がおもしろかった。
展望台から梅田へ出て、夜ごはんにミツヤではじめて洋食を食べた。ハンバーグとカツレツとか、オムライスとカツレツとスパゲティとか、アホの小学生が考えたみたいな夢のようなメニューがいっぱいでたのしかった。
そのあとサウナへ向かう。
浴場は3階建てで、1階にロウリュなどおこなわれるサウナ、水風呂がいっぱい、15メートルぐらいのプールと休憩室があった。2階はシャワーがいっぱいならんでいて、小さなサウナがひとつと水風呂と電気風呂とふつうの浴槽があった。3階は露天風呂とタルの水風呂、ほんとうに小さいサウナがあった。ケツ丸出しで浴場のなかのヌルヌルした階段を上り下りするのは新鮮でおもしろかった。
私はサウナがあまり好きではない。あれは拷問だからだ。「拷問をありがたがるな。なにがサ活やねんボケが」ぐらい思っている。そんな気持ちでいたが、少し初ロウリュに胸も躍らせていた。「ロウリュってなんなん?」ぐらい、マジでなんの事前知識もないままロウリュに臨んだ。
ロウリュの時間の少し前にサウナへ入る。サウナのなかは3段ぐらいになっていて、その3段どれにも裸の男たちが座っている。私たちは最上段へ座った。しばらくすると店員の男がふたりサウナへ入ってきた。そのうちひとりは、人の顔ぐらいのある盛り塩のようなものが4つ乗った銀色の盆を持っていた。それはアイスボウルという名前らしく、なかにはヒノキなどの天然アロマが入っているそうだ。ぼんやり説明を聞いていると、彼らは突然名乗り始めた。「ロウリュって自己紹介するんや」と内心で新鮮に思っていると、客の男たちが拍手をはじめる。なんとなく合わせて私も拍手をした。友達に聞くと「ほかのところはもっとノリノリやで。手拍子とかもあるし」と教えてくれた。店員のひとりが「このロウリュにふさわしい和の曲を3曲かけます」と謎の宣言をし、音楽が流れ始める。店員の男たちがリズムにあわせ、両手に持ったサウナマットを用いて舞い始めた。踊り狂っている。強いのか弱いのかわからない熱波が我々を襲い、「やっぱり拷問やんけ」と私は強い憤りを覚えた。
アイスボウルが3つ目に差し掛かろうとするころ、私は限界を迎えサウナを出た。私の前に2~3人が出た程度で、そのほかの男たちはみなサウナマットで舞う男たちに賛辞の拍手を送り続けていた。私はたしかに堪え性のあまりない男だが、しかしやっぱりいかれるよあんたたち。
サウナから出て、バスローブを着る。飲食ができる場所で、キンキンに冷えたビールジョッキにリアルゴールドとチルアウトを混ぜたサウナドリンクを飲んだ。マッジで死ぬほどうまかった。これ飲むためならまたサウナにいってもいいかなと思えた。

奥の島が大阪万博開催予定地。
まだまだけっこう更地。
カツレツ、ハンバーグ、エビフライ。
完全無欠の洋食プレート。

水曜日は、また引越し作業をおこなった。父親が再び来てくれて、段ボールを合計6箱ぐらい車に積んだ。そのまま車に乗せてもらって、実家の掃除を手伝った。実家の団地の玄関先に信じられない量のゴミが出ていて、それをせっせと運んだ。小さいころ自転車のカゴに入れて遊びに行っていたグローブやバット、バトミントンセットや新品のティファールなども発掘され、確かに実家の物置は時が止まっていたのだなとしみじみする。8月末には、私も実家に拠点をうつさせてもらう。9月の中旬までにちょこちょこいま借りている部屋の掃除を進めようと思う。洗濯機と冷蔵庫は妹が持っていくそうだ。助かるけれど、少しだけさみしい。

お盆犬

そして今日、お盆休み最終日。6時過ぎに目がさめた。まだすずしいうちにと思って、かんたんに身支度をして家を出る。去年死んだ祖母の骨がある寺へ手を合わせにいった。7時すぎには着いたのだが、すでに人がたくさんいて、お盆やなあと思った。10円を投げ入れ手を合わせる。特に思うことも伝えたいこともお願い事もない。こうやって手を合わせることもエゴだとすら思っているし、きっとなんの意味もないだろう。まあ、自分が納得するためだけのものだろうし、そんなことはどうでもいい。寺には5分もいなかったと思う。暑くなる前に帰ろうと早々と帰路についた。

明日からまた仕事だ。ぼちぼちやろう。

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