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大切な人は大切に

仕事で嫌な気分になった。

普段の直属の上司ではないのだけれど、この人が原因で仕事を辞めていく若手が多発している上司。

その上司しかいない時で、全く普段の業務とは違うことが発生したのでなるべく早く走り出しができるように、相談をしたのだった。

「〇〇はどうだった?」
「俺にどうしろって?」

確かに最低限の下調べはできたかもしれないけど、不安が先走り全く分からないので、取り繕わず

「分からないんです。教えてください。」

と言うと

「知らなすぎる」
「ついてこい!」

と強い口調で席を立たれた時には、
『私は人目のつかないところでどんな罵声を浴びさせられるんだろう』と一瞬にして不安になった。

私の心配は杞憂にすぎなかったけど、
金庫の中にある書類をもとに、まずはここから探すんだと教えてくれながら
「なんで俺がしなきゃいけないんや」
とぶつぶつと…。
色々その人の難しいところも垣間見えた。

「知らなすぎる」
「主体性を持とうや」

確かに、私にも必要なアドバイスだろう。
分からないことを誰かに任せていたら、どんどん置いていかれるだけ。身につかない。

そこは頷ける。

ただ、自分でできることの限界を見極めて、「人に聞く」ことを選んだ。最善を尽くしたと思う。

そして言葉がなんだか意地悪で、思いやりよりも一方的さを感じて、なんか、傷ついた感じがした。

だから、言われたことを素直に聞くことはやめた。そんなにたくさん言われなくても自分でちゃんと反省してる。半分くらいは聞き流さないと、自分を守れないと思った。

そんな指摘を受けながら、私は
『指摘する内容は、その人自身のコンプレックスでもあるのではないか』と思った。

知らないということがその人にとってのコンプレックス。
上司に対して失礼かもしれないが、普段の様子と今日の少しの関わりで感じたこと。

よく、自分自身の嫌なところが人を介して見えると聞いたことがある。

私もそうだった。
気を遣いすぎる自分が嫌な時、職場にいる同じようなタイプの人のことが「芯がないのでは」と嫌いだった。でも、自分のそんな一面は努力が足りないとかではなく、生まれつき脳の構造上そういった部分が発達しているんだということを知った時、初めて自分を受け入れてあげることができた。そして周りの人に対しても嫌な感情は湧かなくなった。

自分の嫌なところを認めてあげることができたら、同じような人にも優しく思えるのではないだろうか。



そんな嫌な気分になった帰り道、
私はより自分を大切にしてくれている人や大切にしたい人のことを、大切にしたいと思った。

「大切な人は大切に。」

それが一番大事だ。


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