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扉の向こう

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2018年6月の記事一覧

「パリ、テキサス」

言葉より そのハート

目的より その過程

求めて求めて 求めすぎたら

朽ちてしまう心

愛は

脆くて強くて温かい

欲張りで我儘で気ままで 

儚くて尊い

互いに惹かれ合って

結ばれても その結末はわからない

心には翼があって

いつも遥か上を願って

自由な空を飛んでいる

独占しようと

両手を掴んだら

ふたりの炎は

消えてしまう 

君の歩く道が 

たとえ頼りない細い線だ

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詩「たんぽぽの綿毛」

他の誰とも違う
特別な存在。
と云うと
君は照れて笑うでしょう

それは
恋人だから
夫婦だから
家族だから
友人だから
という間柄で
そう成るほど
無機質な鉄筋とも
違っていて
いつからか
心があなたを
そう呼んでいて
まだ
言葉を知らなかった
小さな少女が
夢中で追いかけた
たんぽぽの綿毛のように
繊細な感触なのです

互いの違いも
似ている感覚も

閉めている扉と
開けている部屋と

打ち明

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詩「大切なもの」

君が君で

僕が僕である

当たり前なことなのに

ふたりはこれまで何度も

確かめ合った

理想にはめてみたり

片目をつむってみたり

出逢った頃にふたりで描いた肖像画は

どこか本人とは違っていた

距離は近づいて遠のいて

ぶつかって

それからもう一度見つめ合って

微笑みあった

夏の太陽は移り気で

刺激を追いかけて飛んでいた蝶々は

まだ見ぬ幻の向日葵を探してばかりいた

それはま

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孤独な空

たとえ今日が

ため息交じりの空だった。としても

上手く乗らないリズムだった。としても

そんな日もあるさ

誰にだってきっと

そんな日がある

つい

いつもと同じ顔を装って

何がどうしたって

理屈じゃ説明しきれない帰り道

煙草やお酒でごまかしきれない夜や

涙と云えない哀しみや

やけに冷たい雨が滲みる夜

誰にだってそんな日もある

君が抱えているその荷物 

たまには

外してみ

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