詩「たんぽぽの綿毛」

他の誰とも違う
特別な存在。
と云うと
君は照れて笑うでしょう

それは
恋人だから
夫婦だから
家族だから
友人だから
という間柄で
そう成るほど
無機質な鉄筋とも
違っていて
いつからか
心があなたを
そう呼んでいて
まだ
言葉を知らなかった
小さな少女が
夢中で追いかけた
たんぽぽの綿毛のように
繊細な感触なのです

互いの違いも
似ている感覚も

閉めている扉と
開けている部屋と

打ち明けた夜

記憶のふたりは
完全には重ならず
いま、という瞬間
ここにいるふたりは
重なり合う

言葉より深く
君に伝えたくて

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