読 書 感 想 文 ( 山 本 文 緒 さ ん : 無 人 島 の ふ た り )
久しぶりの読書。
気になっていたふたつの本。
リクエストした本と、予約していた本。
いまのタイミングで読むのがベストであったなあと思いました。
ひとつは、山本文緒さんの「無人島のふたり」。
わたしが初めて読んだ山本文緒さんの小説は「パイナップルの彼方」。
その頃は図書館を利用して本を借りて読むという習慣が無く、いつも購入していました。文緒さんの文章はすーっと入ってきて読みやすく、あっという間に読み終えたのを覚えています。
読後の感想はいつも記録しているのですが、ずいぶん前なので文緒さんの本に関する感想は見当たらず。。なので内容までは思い出す事が出来ませんでした。
ですが、パイナップルの彼方ではまり、その後「ブルー、もしくはブルー」「絶対泣かない」「ココナッツ」を読んだ事を覚えています。
文緒さんのお話の中に入ると、夢中になってあっという間に読んでしまいます。読ませる力がある作家さんだと思います。
わたしは山本文緒さんに限らず女性の作家さんで好きな方が多く、ある時は角田光代さんを読みあさり、吉本ばななさんの新刊が出たと気づいたらすぐ携帯にメモして読める時に読み、銀色夏生さんのエッセイや高山なおみさんのエッセイをチェックし、大島真寿美さんや島本理生さん、窪美澄さん、瀬尾まいこさんの新刊も読んでないのいっぱいあるやん、と焦り・・ 恩田陸さんの分厚めの本を突然読みだしたり。と、あちこちいろんな方の本を読んでいたある日、山本文緒さんの訃報を知る事となったのでした。
読み終えて。
あらためて、癌という病気は怖いなと。
そして、文緒さんの作家魂をとても感じる内容だと感じました。
過去作品をまたゆっくりと、たどって読んでゆきたい。そう、思いました。
わたしがこの本を読んでいて心を揺り動かされた箇所をすこし掲載したいと思います。
ここの箇所を読んで、文緒さんのリアルな心情が語られていて、心が揺り動かされました。
自分も同じ状況になったら絶対そう思うと思う。「簡単に割り切れるかボケ!」と、言いたくなると思います。
あと、文緒さんは20代で作家さんになったんだ・・ とはるかな気持ちになりました。ご本人も言われているけれど、それでずっとやってきたのは確かにすごすぎる。20代の頃、わたし、何してた?みたいな。振り返ると頭が痛いです。
そして、文緒さんの最期を迎えるときに今の旦那さんがいて下さって良かったなんて思いました。この本を読むと、旦那さんがどれだけ文緒さんのことを愛しているかが伝わってきたからです。
例えがわかりやすすぎて、ふむ・・ となりました。ふたりで無人島に流される。タイトルにもなっている「無人島」という言葉。それはすこし「孤独」とも重なります。無人島に少しずつ親しい人を招待してお別れの挨拶を、という文緒さんの言葉に、文緒さんの人に対する誠実さがにじみ出ていました。
文緒さんが過去を振り返った日の日記の一節。
とても共感しました。
わたしも一人で冒険したような日がいちばんわくわくしていたと記憶しています。
そして、文緒さんの旦那さん、なんて良い方なんだー!みたいな。
自分も本当はこういう「自分がしたいなと思った事をおもしろがってくれる。否定しない」パートナーが欲しいんだよな、と再確認しました。
自分の大事にしたいところを分かってくれる人・・
最後の引用した内容と同じような文章を、ちょうど同じ時期に読んでいたもう1冊・・ 吉川ひなのちゃんの「Dear ママ」の中にも発見しました。それもまた記事に書きたいと思っているのだけど、誰かといる時間も素敵だけど、一人の時間を充実させることって何にも変えられない素敵な時間。だとあらためて思ったり。いまの自分はそこにビビビときました。
山本文緒さんの過去作や、以前から気になっている「自転しながら好転する」をゆっくり読める時間があったらいいなと思いました。
ひなのちゃんの本についても、感想をまた書いてみたいと思います。
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