見出し画像

桜 も ち の 中 に 苺 。

仕事の日。

仕事をしていたら、昼過ぎに
パートのSさんが

「あっ、◎ちゃーん」

と名前を呼んで2階からバタバタと階段を降りてきた。
手になにか持ってる。
なんだろ?と思ったら

「これ、Kさんから」

手元を見ると、桜もちが3つ。
Sさんは、さっき2階で休憩してたパートさんに渡しに行ってたみたい。

「中に苺が入ってるんて」

いちご!
桜もちの中に?

Kさんは今日仕事が休みの日だったけど、これを持ってきてくれたらしい。

「あの人こういうの好きやでなあ」

そんなことで、Sさんと一緒に苺入り桜もちを食べた。美味しかった。

Kさんすごいな。
こんなの女子はみんな好きに決まってんじゃん。分かってるなー
女子力高い。

美味しい桜もちを食べながら、
自分の苦いバレンタインを振り返るわたし。
わたしも今の自分くらい、Kさんを喜ばせたかったよ。

店内に戻り、品出しをして
またバックヤードに戻ると
Kさんが副店長と話してた。

二人の時はタメ口だけど、副店長もいるので敬語で話す。

「Kさん、苺大福、ありがとうございました」

Kさん、満面の笑みで笑う。

「まめさん、苺フェアー中やもんな」
と、副店長。
わたしが前に苺チョコを副店長に渡した際、
苺フェアー中で、と言ったのをまだ覚えてくれてる。
「まさか桜もちの中に苺が入ってるとは、、」
と返した。

店内で仕事中にKさんとすれ違ったので
「今日は、仕事のことで?」
と聞いたら、
「今日は副店長が誕生日やからケーキ渡しにきて。そのついでに」
とのこと。

ケーキ?!
副店長に?

またまた、女子力、、
なんて思う。

今日は終わる時間が早い日だったので、夜会えないのかな、、と思ってKさんに
もう帰ったの?
とラインしたら、
帰ったよー
と。
なんだ、、ちぇ
まあ、今度デートする日が近いからいっか。。
今日仕事終わりにちょっと会いたくなってしまったのだ。
Kさんの笑顔に弱いわたしだ。
うっかり満面の笑みを2回ほど、まともに浴びて(くらって?)しまったため、Kさんにくるまれたい病が出てきてしまった。

残り時間頑張ってね
と、メッセージがきたので、
ありがとうのくまスタンプで返した。

最初の頃は、
よく強引にでも部屋きてたのにな、、
ここのとこは寂しく感じる。
あの時は、いつでも会いたい!て感じだったのに、最近は仕事帰りに寄ってくれたりはなくなった。
でもその頃は、Kさんの帰宅が遅くなってしまうし、二人とも寝不足になるし筋肉痛になるから疲れてへとへとボロボロになってたもんな。
恋愛の初期のがむしゃらさって、なんかいいよな。そんなに昔じゃないのに懐かしく思えた。

最初の内は不安だらけだったけど
今はなんだかKさんに対して安心な気持ちも感じれるようになった。
忙しい、短距離走みたいな恋愛しかしたことなかったけど、本来、恋はこうやってじわじわと育てるものなのかな。

初めての感情を味わっている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?