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記事一覧

道草の家のWSマガジン - 2024年7月号

道草の家のWSマガジン - 2024年7月号


旅の話 - 木村洋平

「旅とは健やかに生きること。このことをけっして忘れないように。」これは私がいつかノートに書きつけた言葉だ。

旅は非現実、非日常の感じがする。10代の頃から旅を好きでいながら、どこかで畏れ続けてきた。

はじめ、私の旅は一人旅だった。10代20代の頃、一人であてもなく歩くことを旅だと思った。けれど、次第にそれをただの観光、娯楽、趣味にすぎないと感じるようになってやめた。

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道草の家のWSマガジン - 2023年12月号

道草の家のWSマガジン - 2023年12月号


12月 - のりまき放送

降車する停留所を間違えたくなかったので、電光掲示板が見える前方の席に座った。緩やかにバスが振動し、動き出す。町中を抜けて山側へと進んでいく。ちらりと前に座るおじさんを見ると、スマホでアダルトサイトを見ていた。画面が目に入ってきて、自分のほうが恥ずかしくなった。思わず窓の外へ視線を逸らす。降車ボタンが鳴る音。この人は絶対に滝行に行くだろうな、と思っていた人はいつの間にか

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道草の家のWSマガジン - 2024年1月号

道草の家のWSマガジン - 2024年1月号


短いようで長い道のり - maripeace

先月はWSマガジンの原稿を送れなかった。途中までしか書けなくて、送らなかった。たぶんRTさん主宰の「壁の花の会」に参加した時のことを書いたと思う。会が終わった後に見た、ムクドリの大群のことだ。あれから何度か、同じ場所でそれを見た。

去年の夏、北海道を楽しむことに夢中になり、秋に東京に戻る直前に風邪をひいた。帰ったら、自分の部屋の窓から見える風景に

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道草の家のWSマガジン - 2024年2月号

道草の家のWSマガジン - 2024年2月号


ゆき - カミジョーマルコ

白い影に ふと目をあげると
外は雪がふっていた

ふわりふわり ひらりひらり

隣のアパートで子どものはしゃぐ声がする
すごいね すごいね

お姉ちゃんと妹と
すごいね すごいね

その上の階に住む若い母親は きっと
産まれてまもない赤ん坊を抱いて
窓の外をみてる

はじめてみる白い世界を
赤ん坊にやさしく語りかけている

その先に一人で住んでるおばあさんは
カーテ

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道草の家のWSマガジン - 2024年3月号

道草の家のWSマガジン - 2024年3月号


ミモザによせて - UNI

わたしの母は仕事・家事・育児に頑張る女性だった。お昼休みにスーパーに買い出しに行って、それを職場の冷蔵庫に入れていたという。帰りは電動なんてまだ無い元祖ママチャリぶっ飛ばし、すぐに夕飯の支度にとりかかる。
わたしには弟への嫉妬心が密かにあったんだろうと今は思うけれど、母に誉められたくて、洗濯物を取り込んで畳む係を小学校に上がる春に立候補した。母が喜んでくれた顔を鮮明

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道草の家のWSマガジン - 2024年4月号

道草の家のWSマガジン - 2024年4月号


春に - 橘ぱぷか

みててよね儚いだけじゃないからねバーンと夜に桜のランウェイ

毎度のことながら慌ただしい毎日がはじまって、嘘みたいな速さで時間が過ぎていく。意味わかんない意味わかんないゆっくりしたい、けれどできないが続く中、気づけば桜が満開になっていた。咲いたそばからすぐにひらひらと散っていくのがかなしい。でも綺麗。
昼間は控えめ、夜はまばゆく月やライトに照らされて、なにやら溜まった鬱憤を

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