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【詩】解放のドラム

生まれ変わりがあるなんて言っても
この名前で生きる人生はたった一回だって誰もが知ってる

だから胸の痛みを指折り数えてもはじまらない

姉が自分のイライラにトゲを巻いて投げつけてきても
兄の視線が一度もぼくに注がれることがなくとも
お父さんとお母さんがぼくのことをいじめても

ジンジャー・エール片手に語り合う友がいなくとも
ぼくがぼくでいられるような日々の糧がなくとも
今日より明日が良くなると誰も信じていなくとも

ぼくらの遠くにいて、人知れず世界を維持していたかもしれない生き物が滅び去っても
未だ禁止されない千発もの爆弾に赤ん坊が鳴き声を上げても
大地が人類の重みに耐えかね、その裂け目にことごとく希望が引きずり込まれたとしても

解放のドラムは鳴り続ける
深い底で叩かれる金色のドラムが

生きたいんだ!すべての幸せのために

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